建売なのに、自分好みに変えられる。二択で悩む住まい探しに、“セミオーダー”という現実解
不動産売買・注文建築・リフォームを考える方へ
建売なのに、自分好みに変えられる。
価格もタイミングも迷いやすい今、“建売と注文の間”を選ぶという考え方
「完成済みの建売は早いけれど、もう少し自分たちらしさがほしい」「注文住宅は理想的だけれど、打ち合わせの時間も決める項目も多そう」。 今の住まい探しは、単純な二択では整理しにくくなっています。価格、金利、供給、将来の暮らし方が同時に気になるからこそ、 “失敗しないために慎重になる”のは自然なことです。
実際に、首都圏の流通市場を見ると、東日本レインズでは2026年3月の中古マンション成約価格が5,521万円で前年同月比11.6%増、 成約件数は5,001件でした。一方、東京カンテイでは2026年2月の首都圏中古マンション70㎡換算価格が6,924万円で前月比3.8%増、 19カ月連続の上昇とされています。価格の見え方は指標ごとに異なりますが、買い手が「何を優先して住まいを選ぶか」を丁寧に考える必要が高まっていることは共通しています。 (出典: 東日本レインズ 月例マーケットウォッチ 2026年3月度 / 東京カンテイ 中古マンション70㎡価格月別推移 2026年2月)
さらに、公的統計では国土交通省の不動産価格指数(住宅総合)が2025年12月時点で148.0、日本銀行は2026年3月19日の金融政策決定会合で、 無担保コールレート(オーバーナイト物)を0.75%程度で推移するよう促すと決定しています。住まいを選ぶ前提条件そのものが変わる中で、 “自分たちにちょうどいい選択肢”を知ることが、これまで以上に重要になっています。 (出典: 国土交通省 不動産価格指数 / 日本銀行 2026年3月19日金融政策決定会合公表文)
目次
住まい探しが難しくなったのは、あなたの迷いのせいではない
以前より住まい探しに時間がかかると感じる方が増えているのは、優柔不断だからではありません。判断材料が増えたからです。 価格だけを見ても、流通市場の成約価格、募集価格、エリアごとの相場感、住宅タイプごとの価格差がそれぞれ違います。 そこに金利や引き渡し時期、性能、家族のライフスタイルまで重なると、簡単に「これが正解」と言い切れなくなります。
たとえば総務省統計局の令和5年住宅・土地統計調査では、総住宅数は6,504万7千戸、空き家数は900万2千戸、空き家率は13.8%でした。 住まいの総量が不足しているというより、どんな家を、どんな条件で、どんな暮らしのために選ぶのかが問われる時代に入っていることがわかります。 (出典: 総務省統計局 令和5年住宅・土地統計調査)
さらに国土交通省の建築着工統計調査報告では、2025年の新設住宅着工戸数は740,667戸で、前年比6.5%減、3年連続の減少でした。 住まい探しをする側は、選択肢が多いように見えても、実際には市場環境の変化を読みながら判断する必要があります。 だからこそ今は、「何を優先するか」を先に整理することが、以前より大切です。 (出典: 国土交通省 建築着工統計調査報告(令和7年計))
REINSと東京カンテイで見える、首都圏住宅市場の“いま”
市場の空気感をつかむうえで役立つのが、東日本レインズと東京カンテイです。東日本レインズは、 国土交通大臣指定の公益財団法人東日本不動産流通機構が公表する流通統計で、成約件数、在庫件数、新規登録など、 実際の売買市場の動きを把握しやすい資料を提供しています。一方、東京カンテイは中古マンション70㎡換算価格や一戸建て価格推移など、 エリア別の価格感をつかみやすいレポートを継続的に公表しています。 (出典: 東日本レインズ 不動産市場動向(統計) / 東京カンテイ 市況レポート)
首都圏住宅市場スナップショット
| 指標 | 最新値 | 補足 | 出典 |
|---|---|---|---|
| 中古マンション成約件数 | 5,001件 | 2026年3月、前年比0.2%増 | REINS |
| 中古マンション成約価格 | 5,521万円 | 2026年3月、前年比11.6%増 | REINS |
| 中古マンション在庫件数 | 44,728件 | 2026年3月、前年比1.8%増 | REINS |
| 中古マンション70㎡換算価格 | 6,924万円 | 2026年2月、前月比3.8%増、19カ月連続上昇 | 東京カンテイ |
| 新築小規模一戸建て平均価格 | 5,891万円 | 2026年3月、前月比1.6%減 | 東京カンテイ |
| 東京都の新築小規模一戸建て平均価格 | 7,740万円 | 2026年3月、前月比1.3%増 | 東京カンテイ |
※REINSの成約価格と、東京カンテイの70㎡換算価格・一戸建て平均価格は定義が異なるため単純比較はできません。本表は、流通市場の動きと価格感をそれぞれ把握する目的で掲載しています。
出典: 東日本レインズ 月例マーケットウォッチ 2026年3月度 / 東京カンテイ 中古マンション70㎡価格月別推移 2026年2月 / 東京カンテイ 新築小規模一戸建て価格推移 2026年3月
ここで注目したいのは、「値上がりしているから急いで買うべき」という単純な話ではないことです。 東日本レインズの2026年1〜3月期では、中古マンションの成約件数は12,585件で前年同期比1.6%増、 成約価格は5,492万円で前年同期比9.6%増でした。在庫件数は44,728件で前年同期比1.8%増と、8期ぶりに増加しています。 一方、中古戸建住宅は成約件数5,575件で前年同期比7.9%増、成約価格4,093万円で前年同期比4.1%増、在庫件数は前年同期比1.0%減でした。 市場は一方向に動いているのではなく、住宅タイプごとに違う表情を見せています。 (出典: 東日本レインズ 首都圏不動産流通市場の動向 2026年1〜3月)
つまり、マンションか戸建てか、新築か中古か、完成済みか未完成か。どこで比較するかによって、見える景色はかなり変わります。 だからこそ住まい探しでは、価格だけでなく、「自分たちは何を譲れて、何を譲れないか」を先に整理する必要があります。
建売か注文か、その二択だけでは苦しくなる理由
住まい選びで迷いやすいのは、単に選択肢が多いからではありません。建売にも注文住宅にも、はっきりした長所と負担があるからです。 建売住宅は完成形が見えやすく、入居時期や資金計画を立てやすい。一方で、完成後販売が中心なら、間取りも内装もすでに決まっていて、 「あと少しこうだったらいいのに」が残りやすい。注文住宅は理想に近づけやすい反面、打ち合わせ、検討、決定の負荷が大きくなりがちです。
国土交通省の令和6年度住宅市場動向調査でも、住宅選択の理由は単純ではありません。注文住宅取得世帯では 「信頼できる住宅メーカー/不動産業者だったから」55.3%、分譲戸建住宅取得世帯では 「新築住宅だから」56.5%、既存(中古)戸建住宅取得世帯では 「価格/家賃が適切だったから」61.4%が最も多い理由でした。つまり、住まいは価格だけでも自由度だけでもなく、 信頼性、タイミング、性能、費用感のバランスで選ばれています。 (出典: 国土交通省 令和6年度住宅市場動向調査報告書)
住宅選びで重視されるポイント
- 注文住宅取得世帯:信頼できる住宅メーカー/不動産業者だったから 55.3%
- 分譲戸建住宅取得世帯:新築住宅だから 56.5%
- 既存(中古)戸建住宅取得世帯:価格/家賃が適切だったから 61.4%
- 注文住宅取得世帯の設備・性能面:高気密・高断熱住宅だから 68.2%
- 分譲戸建・既存戸建の設備等:間取り・部屋数が適当だから が最多
たとえば、子どもの進学や転勤のタイミングが見えていて、引っ越し時期はずらしにくい。でも、間取りや水回りはなるべく自分たちに合ったものにしたい。 そんなケースでは、フルオーダーも完成済み建売も、どちらか一方だけではフィットしにくいことがあります。 そこで現実的な候補になるのが、“建売と注文の間”にある住まいです。
“建売なのに選べる” セミオーダー住宅という現実的な選択
ご提供資料で示されている自由住宅の考え方は、とてもわかりやすいものです。ひと言でいえば、 「建売なのに、自分好みに変えられる家」。建物の構造や基本の間取りはあらかじめ整えながら、 完成前に購入することで、床材の色、キッチンのデザイン、洗面台の素材、壁紙のトーンなどを一定範囲で選べる仕組みです。 (参照: ご提供資料「建売なのに、自分好みに変えられる」)
ここで大切なのは、「何でも自由に変えられる」とは言っていないことです。構造や施工条件に関わる部分を無制限に変えるのではなく、 暮らしや印象に直結する範囲を、プロが整えた選択肢の中から選べる。だから、注文住宅ほど決定項目が膨らみすぎず、 建売住宅のように完成イメージやスケジュールを想像しやすい。ちょうどその中間にあるバランスが、今の住まい探しには合いやすいのです。
セミオーダー住宅が合いやすい人
建売の安心感はほしい
完成イメージや引き渡し時期の見通しを重視したい
でも全部決まっているのは物足りない
床・壁・水回りなど、暮らしの印象は自分たちで選びたい
注文住宅ほどの負担は避けたい
打ち合わせ回数や決定事項を現実的な範囲に収めたい
住んでからの満足度を左右するのは、広さや価格だけではありません。毎日目にする床の色、キッチンの見え方、洗面の素材感、 その家に帰ってきたときの空気感です。数字では測りにくいけれど、長く住むほど効いてくる部分だからこそ、 “自分たちで選んだ”という感覚が、大きな納得感につながります。
見学前に確認したい3つのチェックポイント
「なんとなく良さそう」で見学すると、情報が増えるほど迷いやすくなります。見学前に次の3点だけ整理しておくと、 建売、注文、セミオーダーの違いがぐっと見えやすくなります。
1. どこまで選べるのか
床材、キッチン、洗面台、壁紙など、変更可能な範囲を先に確認しましょう。完成前購入が前提なら、 いつまでに何を決める必要があるかも重要です。期待値と実際の差が小さいほど、満足度は高まりやすくなります。
2. 間取りと部屋数は暮らしに合うか
国土交通省調査でも、分譲戸建・既存戸建では「間取り・部屋数が適当だから」が重要な選択理由でした。 在宅ワーク、家事動線、収納、来客頻度まで含めて考えると、見学時に見るべきポイントが具体的になります。
3. 性能とスケジュールを一緒に見る
注文住宅取得世帯では「高気密・高断熱」が重視されていました。見た目だけでなく、断熱・気密などの性能面と、 入居時期の見通しをセットで確認することが大切です。暮らしやすさと現実的な計画、その両方を見ましょう。



まとめ
迷ったまま比較するのではなく、比較できる状態をつくる
住まい探しで本当に難しいのは、「選択肢が多いこと」そのものではありません。価格も、タイミングも、性能も、自由度も気になる中で、 何を軸に比べるべきかが曖昧なまま検討が進んでしまうことです。
東日本レインズや東京カンテイのデータを見ると、首都圏の住宅市場は一枚岩ではありません。中古マンションと中古戸建、新築戸建では、 価格の動きも、流通量も、見え方も違います。だからこそ、「建売か注文か」の二択だけで考えず、 その間にあるセミオーダーという選択肢まで視野に入れることに意味があります。
迷いをなくす最初の一歩は、いきなり決めることではありません。 自分たちは何を優先したいのかを整理し、比較できる状態をつくることです。 そのうえで見学し、相談し、納得できる選択肢を絞っていくことが、後悔の少ない住まい探しにつながります。
参照・出典
- 東日本レインズ 不動産市場動向(統計)
- 東日本レインズ 月例マーケットウォッチ 2026年3月度
- 東日本レインズ 首都圏不動産流通市場の動向 2026年1〜3月
- 東日本レインズ 首都圏中古マンション・中古戸建住宅の長期動向グラフ
- 東京カンテイ 中古マンション70㎡価格月別推移 2026年2月
- 東京カンテイ 新築小規模一戸建て価格推移 2026年3月
- 国土交通省 不動産価格指数(住宅)
- 日本銀行 2026年3月19日金融政策決定会合 公表文
- 国土交通省 建築着工統計調査報告(令和7年計)
- 総務省統計局 令和5年住宅・土地統計調査 住宅及び世帯に関する基本集計
- 国土交通省 令和6年度住宅市場動向調査報告書
※本記事は、数値や市場動向について一次情報・公式公表資料をもとに構成しています。
※REINSと東京カンテイの指標は定義が異なるため、同列比較ではなく市場理解の補助情報として掲載しています。