【2026年最新】首都圏で家を買う前に知っておきたい5つの改正ポイント
【2026年最新】住宅ローン減税が5年延長!今回の主役は「中古住宅」
「そろそろ家を買いたいけれど、住宅ローン減税って結局いつまで使えるの?」——ショールームでお客様から一番よく聞かれる質問です。制度が毎年のように変わるので、ネットで調べても去年の記事が出てきてしまい、余計に混乱してしまう。そんな声をたくさんいただきます。
実は2026年、住宅ローン減税は大きな節目を迎えました。令和8年度税制改正で適用期限が5年延長され、しかも今回は「新築」ではなく「中古住宅(既存住宅)」への支援が大きく拡充されたのです。東京23区や一都三県で予算に頭を悩ませてきた方にとって、これは選択肢が一気に広がるニュースかもしれません。
この記事でわかること
- 住宅ローン減税は令和12年(2030年)12月31日入居分まで5年延長。控除率0.7%は変わらず、控除期間は最長13年です。
- 中古住宅の借入限度額が3,000万円→3,500万円に引き上げ。子育て世帯・若者夫婦世帯なら4,500万円、控除期間も10年→13年に拡充されました。
- 床面積要件が中古住宅も40㎡以上に緩和。一方で2028年(令和10年)以降には2つの「打ち切りライン」があり、購入時期の判断材料になります。
目次
1. まず全体像。5年延長で何がどう変わったのか
住宅ローン減税(正式名称:住宅借入金等特別控除)は、住宅ローンを組んでマイホームを取得した人が、年末のローン残高の0.7%を所得税などから最大13年間差し引ける制度です。国土交通省によれば、令和8年度税制改正でこの制度の適用期限が5年間延長され、令和8年(2026年)1月1日から令和12年(2030年)12月31日までに入居した場合が対象となりました。関連する税制法は令和8年3月31日に国会で成立しています。
12月31日
ここでよく誤解されるのが「0.7%」の意味です。借入額の0.7%ではなく、その年の12月31日時点のローン残高の0.7%。しかも借入限度額という上限があります。たとえば残高が4,000万円あっても、限度額が3,500万円の区分なら計算に使えるのは3,500万円まで。「限度額=もらえる金額」ではない点は、最初に押さえておきたいところです。
また、区分にかかわらず共通する基本要件も押さえておきましょう。合計所得金額が2,000万円以下であること、ローンの償還期間が10年以上であること、引き渡しまたは工事完了から6か月以内に入居し、その年の12月31日まで引き続き住んでいること。この3つを満たさないと、そもそも制度の対象になりません。
2. 最大の変化は「中古住宅」。限度額・控除期間ともに拡充
今回の改正で国土交通省が明確に打ち出したのは、「既存の住宅ストックを最大限に活用する」という方向性です。具体的には、省エネ性能の高い中古住宅について、[1]借入限度額の引き上げ、[2]子育て世帯・若者夫婦世帯への上乗せ、[3]控除期間の13年への拡充——この3点が同時に行われました。
改正前(令和4〜7年入居)の中古住宅は、長期優良住宅などの認定住宅等に該当しても借入限度額3,000万円・控除期間10年が上限で、子育て世帯への上乗せもありませんでした。それが令和8年入居分から大きく変わります。
中古住宅(既存住宅)の借入限度額・控除期間
| 住宅の区分 | 改正前 (令和4〜7年入居) |
改正後・一般世帯 (令和8年〜入居) |
改正後・子育て/若者夫婦世帯 | 控除期間 |
|---|---|---|---|---|
| 長期優良住宅 | 3,000万円 | 3,500万円 | 4,500万円 | 13年 |
| 低炭素住宅 | 3,000万円 | 3,500万円 | 4,500万円 | 13年 |
| ZEH水準省エネ住宅 | 3,000万円 | 3,500万円 | 4,500万円 | 13年 |
| 省エネ基準適合住宅 | 3,000万円 | 2,000万円 | 3,000万円 | 13年 |
| その他住宅 | 2,000万円 | 2,000万円 | ― | 10年 |
出典:改正後は国土交通省「令和8年度税制改正概要」および同「住宅ローン減税(既存住宅を取得したとき)」、改正前は同「住宅ローン減税Q&A(令和7年度税制改正後の制度について/2026年6月更新)」をもとに作成。改正前の控除期間はいずれも10年。
この表を「最大控除額」に換算すると、変化の大きさがはっきり見えてきます。
(令和4〜7年入居)
(令和8年〜入居)
若者夫婦世帯
出典:国土交通省「住宅ローン減税」(2026年6月更新)の借入限度額・控除期間をもとに当社試算。
子育て世帯なら約200万円分、控除枠が広がった計算になります。首都圏の中古市場に目を向けると、この改正のタイミングは決して悪くありません。東日本レインズの市場動向(2026年6月度)によると、首都圏の中古マンションは成約件数が前年同月比マイナス1.3%と3か月連続で減少する一方、在庫件数は4か月連続で増加。売り物件が増えて選びやすくなっている局面です。中古戸建住宅は逆に成約件数が前年同月比プラス3.9%と3か月連続で増加し、在庫は5か月連続で減少しています。
3. 新築の借入限度額はいくら?性能区分ごとの早見表
新築住宅・建売住宅(建築後未使用の分譲住宅)については、長期優良住宅・低炭素住宅・ZEH水準省エネ住宅の借入限度額は据え置きです。子育て世帯・若者夫婦世帯への上乗せも継続します。ただし省エネ基準適合住宅だけは引き下げとなり、一般世帯は3,000万円→2,000万円、子育て世帯・若者夫婦世帯は4,000万円→3,000万円になりました。
| 住宅の区分 | 一般世帯 | 子育て世帯・若者夫婦世帯 | 控除期間 |
|---|---|---|---|
| 長期優良住宅 | 4,500万円 | 5,000万円 | 13年 |
| 低炭素住宅 | 4,500万円 | 5,000万円 | 13年 |
| ZEH水準省エネ住宅 | 3,500万円 | 4,500万円 | 13年 |
| 省エネ基準適合住宅 | 2,000万円 | 3,000万円 | 13年 |
出典:国土交通省「住宅ローン減税(住宅を新築したとき・建築後使用されたことのない住宅を取得したとき)」。なお上記4区分のいずれにも該当しない「その他住宅」の新築は、原則として住宅ローン減税の適用対象外です(令和5年末までに建築確認を受けた住宅など一部の経過措置を除く)。
低炭素住宅
省エネ住宅
適合住宅
出典:国土交通省「住宅ローン減税」(2026年6月更新)、同「令和8年度税制改正概要」。
「子育て世帯・若者夫婦世帯」の定義は意外とゆるやか
ここは誤解が多いところなので、国土交通省のQ&Aに沿って正確に確認しておきましょう。
- 子育て世帯:19歳未満の扶養親族がいる方(申請者の年齢は問いません。ひとり親も対象)
- 若者夫婦世帯:40歳未満で配偶者がいる方、または40歳以上で40歳未満の配偶者がいる方
判定は入居した年の12月31日時点の状況で行われます。つまり、夫が45歳でも妻が39歳なら「若者夫婦世帯」。お子さんが高校生でも19歳未満なら「子育て世帯」です。なお、12月31日時点で妊娠中の場合は「扶養親族を有する者」に該当しないため子育て世帯にはなりませんが、年齢要件を満たせば若者夫婦世帯として上乗せを受けられます。
4. 床面積40㎡へ緩和。東京23区のコンパクト住宅に効く改正
もう一つ、首都圏の住まい探しに直結する改正があります。住宅ローン減税の床面積要件は原則50㎡以上ですが、今回の改正で40㎡以上への緩和措置が新築住宅・既存住宅の両方に適用されることになりました。
ただし条件付きです。国土交通省によると、合計所得金額1,000万円超の方、および子育て世帯等への上乗せ措置を利用する方は、これまでどおり50㎡以上が必要です。
5. 2028年からの「2つの締め切り」に要注意
5年延長といっても、期間中ずっと同じ条件が続くわけではありません。国土交通省が公表している改正内容には、2028年(令和10年)を境にした2つの適用除外が含まれています。
[1] 省エネ基準適合住宅が対象外に
令和10年(2028年)以降に建築確認を受ける省エネ基準適合住宅は、住宅ローン減税の適用対象外となります。経過措置として、令和9年(2027年)末までに建築確認を受けた住宅、または登記簿上の建築日付が令和10年6月30日までの住宅は引き続き対象ですが、この場合借入限度額2,000万円・控除期間10年に縮小されます。今後は、ZEH水準以上の性能が事実上のスタンダードになっていく、という国の意思表示と読めます。
[2] 災害レッドゾーンの新築住宅が対象外に
令和10年(2028年)以降に入居する場合、土砂災害特別警戒区域などの「災害レッドゾーン」に建つ新築住宅は適用対象外になります。対象となるのは、土砂災害特別警戒区域、地すべり防止区域、急傾斜地崩壊危険区域、浸水被害防止区域、そして都市再生特別措置法に基づく勧告に従わないものとして公表対象となった災害危険区域です。なお、建替え・既存住宅・リフォームは引き続き適用対象です。
土地から探す注文住宅を検討している方は、候補地がこれらの区域に含まれていないか、ハザードマップと自治体の指定状況を早めに確認しておくと安心です。
6. 意外と見落とされる3つの落とし穴
落とし穴1:住民税から控除できる額には上限がある
所得税から控除しきれなかった分は翌年度の住民税から差し引かれますが、総務省によると、その上限は前年分の所得税の課税総所得金額等の5%(最高97,500円)。「限度額いっぱいまで必ず戻ってくる」わけではない、という点はぜひ知っておいてください。
落とし穴2:性能を証明する書類は「取得前」の準備がカギ
ZEH水準省エネ住宅や省エネ基準適合住宅として控除を受けるには、建設住宅性能評価書の写しまたは住宅省エネルギー性能証明書が必要です。国土交通省の説明では、新築住宅の場合は家屋の取得日の前までに、既存住宅の場合は取得日の前2年以内または取得日以後6か月以内に、証明のための家屋調査が完了している必要があります。BELSやフラット35の適合証明書は、この証明書類としては使えません。中古住宅では売主側の協力が要るため、購入申込みの段階で不動産会社に相談しておくのが確実です。
落とし穴3:初年度は必ず自分で確定申告
会社員の方でも、入居した年の翌年に確定申告が必要です(2年目以降は年末調整で対応できます)。また、引き渡しから6か月以内に入居することも要件のひとつ。「リフォームをしてから引っ越そう」と時間をかけすぎると要件を外れてしまうことがあるので、スケジュールは余裕をもって組みましょう。
よくある質問(FAQ)
まとめ:制度が「中古」に向いた今こそ、選択肢を広げるチャンス
今回の令和8年度税制改正を一言でまとめるなら、「新築だけが正解ではなくなった」ということです。首都圏で新築の価格が上がり続けるなか、性能の高い中古住宅を選び、必要な部分をリフォームして住まうという選び方に、制度がしっかり追いついてきました。
一方で、判断には正確な情報が欠かせません。その物件はZEH水準に該当するのか。登記上の床面積は何㎡か。証明書は誰がいつ取得するのか。世帯要件は12月31日時点でどうなるか。——どれも数十万円から数百万円の差につながる論点です。
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参考・出典(最終確認:2026年8月6日)
- 国土交通省「住宅ローン減税」(2026年6月更新)
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk2_000017.html - 国土交通省「住宅ローン減税等の延長・拡充が閣議決定されました!」報道発表(令和7年12月26日/令和8年4月追記)
https://www.mlit.go.jp/report/press/house02_hh_000241.html - 国土交通省「既存住宅を取得したとき」
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk4_000327.html - 国土交通省「住宅を新築したとき・建築後使用されたことのない住宅(分譲住宅、建売住宅)を取得したとき」
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk4_000325.html - 国土交通省「令和8年度税制改正概要」(令和7年12月)
https://www.mlit.go.jp/page/content/001975596.pdf - 国土交通省「令和8年度住宅税制改正概要」(報道発表 別紙1)
https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001975750.pdf - 国土交通省「住宅ローン減税 Q&A(令和7年度税制改正後の制度について/2026年6月更新)」
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/content/001890680.pdf - 総務省「所得税から住宅ローン控除額を引ききれなかった方」
https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_zeisei/czaisei/czaisei_seido/090929.html - 公益財団法人 東日本不動産流通機構(東日本レインズ)「市場動向」2026年6月度
https://www.reins.or.jp/library/2026.html - 国土交通省「みらいエコ住宅2026事業」
https://mirai-eco2026.mlit.go.jp/
※本記事は2026年8月6日時点の公表情報にもとづく一般的な解説です。税制の適用可否や控除額は個別の状況により異なります。具体的な判断にあたっては、所轄の税務署または税理士等の専門家にご確認ください。