内覧会(施主検査)とは、新築住宅の工事が完了したあと、引渡しの前に、施主や買主が建物の仕上がりを実際に見て確認する場をいいます。注文住宅では「施主検査」「竣工検査」、建売住宅や新築分譲マンションでは「内覧会」と呼ばれることが多く、名称は会社によって違います。
法律が「内覧会を行わなければならない」と定めているわけではありません。建築基準法上の完了検査、住宅瑕疵担保責任保険の現場検査、建設住宅性能評価の検査は、いずれも第三者や行政が行うもので、施主が立ち会う手続きではありません。施主自身が仕上がりを確かめられる機会は、内覧会が実質的に最後になります。
ここで確認しておきたいのは、内覧会で見るべきものと、見ても分からないものの線引きです。
| 確認の主体 | 何を見るか | 時期 |
|---|---|---|
| 建築主事・指定確認検査機関(完了検査) | 建築基準法の規定に適合しているか | 工事完了後4日以内に申請 |
| 住宅瑕疵担保責任保険法人(現場検査) | 保険の対象となる部分の施工状況 | 基礎配筋時・躯体工事完了時など |
| 登録住宅性能評価機関(建設住宅性能評価) | 設計住宅性能評価書どおりに施工されているか | 工程ごとに4回程度 |
| 施主・買主(内覧会・施主検査) | 仕上がり、傷・汚れ、建具の動き、設備の作動、図面との違い | 引渡し前 |
構造の中身や断熱材の施工状況は、内覧会の時点では壁の中に隠れていて見えません。内覧会で見るのは、あくまで目で見て、触って、動かして分かる範囲です。その範囲でも、後から言い出しにくくなる項目は数多くあります。
内覧会を扱う記事や動画で、よく「床の傾斜は3/1000(3m で9mm)まで」「ひび割れは0.3mm まで」という数値が紹介されます。この数値には出典があります。平成12年7月19日 建設省告示第1653号「住宅紛争処理の参考となるべき技術的基準」(最終改正 平成18年=2006年2月23日 国土交通省告示第308号)です。
ただし、この告示が何を定めたものかは、正しく押さえておく必要があります。告示の第1は次のように書いています。
つまり、この告示は「ここまでなら問題なし」という合格ラインではありません。「この程度の不具合が出ているとき、構造耐力上主要な部分に瑕疵がある可能性は高いか低いか」を示す、紛争処理の場での目安です。
適用範囲も限定されています。告示の第2は、次の3つをすべて満たす不具合事象に適用すると定めています。
「3/1000未満だから欠陥ではない」という言い方は、告示の読み方として正確ではありません。告示が述べているのは「構造耐力上主要な部分に瑕疵が存する可能性が低い」ということであって、仕上げの品質や契約で定めた仕様を満たしているかどうかは別の問題です。逆に、6/1000以上だからといって、ただちに瑕疵があると確定するものでもありません。
告示の第3は、不具合事象ごとに3段階のレベルを定めています。傾斜については、壁・柱と床で測り方が異なります。
| 部位 | 測り方 |
|---|---|
| 壁または柱 | 凹凸の少ない仕上げによる壁または柱の表面と、その面と垂直な鉛直面との交差する線(2m程度以上の長さのものに限る)の、鉛直線に対する角度 |
| 床(排水等の目的で勾配が付されているものを除く) | 凹凸の少ない仕上げによる床の表面における2点(3m程度以上離れているものに限る)の間を結ぶ直線の、水平面に対する角度 |
そのうえで、レベルと「構造耐力上主要な部分に瑕疵が存する可能性」の対応は次のとおりです。木造住宅、鉄骨造住宅、鉄筋コンクリート造住宅、鉄骨鉄筋コンクリート造住宅で共通です。
| レベル | 傾斜の勾配 | 3mあたりの高低差の目安 | 構造耐力上主要な部分に瑕疵が存する可能性 |
|---|---|---|---|
| 1 | 3/1000未満 | 9mm未満 | 低い |
| 2 | 3/1000以上6/1000未満 | 9mm以上18mm未満 | 一定程度存する |
| 3 | 6/1000以上 | 18mm以上 | 高い |
出典:平成12年建設省告示第1653号 第3の1(2026年9月22日確認)。「3mあたりの高低差の目安」は当社が勾配から計算したもので、告示に記載されている数値ではありません。床の傾斜は3m程度以上離れた2点で測るため、部屋の隅から隅まで測るのが基本です。
内覧会で測る場合、短い距離でビー玉を転がしても、この基準にはあてはまりません。床なら3m程度以上離れた2点、壁や柱なら2m程度以上の長さが前提です。水平器やレーザーを使う場合も、測った位置と距離を記録しておいてください。
ひび割れの基準は、部位(壁・柱・床・天井・はり・屋根/基礎)と仕上げの種類(乾式・湿式・構造材による仕上げ)、そして住宅の構造の組み合わせで決まります。よく引用される0.3mm・0.5mmという数値は、主に鉄筋コンクリート造・鉄骨鉄筋コンクリート造についてのものです。
| 構造 | レベル2(一定程度存する) | レベル3(高い) |
|---|---|---|
| 鉄筋コンクリート造・鉄骨鉄筋コンクリート造(構造材による仕上げ) | 幅0.3mm以上0.5mm未満のひび割れ | 幅0.5mm以上のひび割れ/さび汁を伴うひび割れ |
| 鉄筋コンクリート造・鉄骨鉄筋コンクリート造(乾式の仕上材による仕上げ) | 複数の仕上材にまたがった幅0.3mm以上のひび割れ/仕上材と構造材にまたがった幅0.3mm以上0.5mm未満のひび割れ | 仕上材と構造材にまたがった幅0.5mm以上のひび割れ など |
| 木造住宅(乾式の仕上材による仕上げ) | 複数の仕上材にまたがったひび割れ | 複数の仕上材(直下の部材が乾式であるものに限る)にまたがったひび割れ/仕上材と乾式の下地材または構造材にまたがったひび割れ |
| 木造住宅(湿式の仕上材による仕上げ) | 乾式の下地材または構造材の表面まで貫通したひび割れ | 仕上材と乾式の下地材または構造材にまたがったひび割れ |
出典:平成12年建設省告示第1653号 第3の2(2026年9月22日確認)。レベル1は「レベル2及びレベル3に該当しないひび割れ」で、瑕疵が存する可能性は「低い」とされています。表は要点の抜粋です。
ここが見落とされやすい点です。木造住宅については、告示は幅の数値を使っていません。ひび割れが複数の仕上材にまたがっているか、仕上材と下地材・構造材にまたがっているか、という「どこまで達しているか」で区分します。木造の新築で「0.3mm未満だから大丈夫」という説明を受けたら、告示の読み違いの可能性があります。
なお、内装のクロスの継ぎ目に出る細い隙間や、コンクリートの乾燥収縮によるごく細いひび割れは、引渡し直後にも生じることがあります。それが告示のどのレベルにあたるかは、ひび割れがどこからどこまで達しているかを見ないと判断できません。内覧会では「幅」だけでなく「どの材をまたいでいるか」も記録してください。
内覧会ですべてを見つけられるわけではありません。引渡し後に見つかった場合、何がどこまで守られるのかを整理します。
住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)第94条第1項は、住宅を新築する建設工事の請負契約について、次のように定めています。
同条第2項は「前項の規定に反する特約で注文者に不利なものは、無効とする」と定めています。新築住宅の売買契約についても、第95条が売主に同じ10年間の責任を負わせています。「引渡し後2年で責任は終わり」といった契約条項があっても、この2つの部分については無効です。
一方、10年の対象になるのは構造耐力上主要な部分と雨水の浸入を防止する部分に限られます。建具の動き、床鳴り、設備の不具合、仕上げの傷といった項目は、民法の契約不適合責任の問題になります。
民法第637条第1項は、請負人が契約の内容に適合しない目的物を引き渡した場合、注文者がその不適合を知った時から1年以内にその旨を請負人に通知しないときは、原則として履行の追完の請求、報酬の減額の請求、損害賠償の請求および契約の解除をすることができない、と定めています。品確法第94条第3項は、この民法第637条の適用について読み替えを置いています。
| 対象 | 期間 | 根拠 |
|---|---|---|
| 構造耐力上主要な部分/雨水の浸入を防止する部分 | 引渡しから10年間(これに反する不利な特約は無効) | 品確法第94条・第95条 |
| 上記以外の契約不適合 | 不適合を知った時から1年以内に通知が必要 | 民法第637条 |
| 契約で定めた「アフターサービス」の範囲 | 会社ごとに異なる(2年・5年など) | 契約書・アフターサービス規準 |
「知った時から1年以内」という期限があるため、気づいた不具合を黙って様子見することには不利益があります。直すかどうかは後で決めるとしても、気づいた時点で書面やメールで伝え、記録を残しておいてください。
公益財団法人 住宅リフォーム・紛争処理支援センター(住まいるダイヤル)は、毎年「住宅相談統計年報」を公表しています。2024年度の電話相談は新規相談30,812件で、内訳は次のとおりです。
出典:住宅リフォーム・紛争処理支援センター「住宅相談統計年報2025」表1-5(2024年度の集計・2026年9月22日確認)。4区分の合計は新規相談30,812件と一致します。バーの高さは11,920件を100%とした相対値です。
このうち、住宅のトラブルに関する相談で、実際に雨漏りやひび割れなどの不具合が生じている相談の割合は次のとおりです。
出典:住宅リフォーム・紛争処理支援センター「住宅相談統計年報2025」(2024年度の集計・2026年9月22日確認)。バーの高さは78.8%を100%とした相対値です。リフォーム相談は他の区分に比べて契約に関するトラブルの割合が高いことが、同報告で指摘されています。
そして、不具合がいつ発生したかについて、同報告は次のように述べています。
新築相談のうち不具合発生時の築後年数が判明しているものは3,356件。築後3年未満までで46.5%を占め、その後ほぼ同水準で推移していくが、築後9年以上10年未満で9.6%と上昇している(住宅相談統計年報2025)。
築後9年以上10年未満で相談が増えるのは、品確法の10年間の瑕疵担保責任が満了する直前だからと考えるのが自然です。裏を返せば、10年目が近づいてから慌てて相談するケースが一定数ある、ということでもあります。
また、建設住宅性能評価書が交付された住宅(評価住宅)と、住宅瑕疵担保責任保険が付いた新築住宅とで、不具合が発生した時期の分布には差があります。
出典:住宅リフォーム・紛争処理支援センター「住宅相談統計年報2025」(2024年度の集計・2026年9月22日確認)。新築相談のうち不具合発生時の築後年数が判明している相談を母数としています。バーの高さは48.4%を100%とした相対値です。
評価住宅のほうが、築後1年未満の早い段階で不具合が把握されている割合が高くなっています。工程ごとの検査を受け、評価書という記録が残っている住宅では、引渡し直後に気づいて相談に至りやすい、という読み方ができます。ただし、これは相談に至った件数の分布であって、不具合そのものの発生率を比べたものではありません。
紛争にまで進んだ場合の時期も公表されています。住宅の引渡しから紛争処理の申請までの期間は、全体の67.7%が3年未満です。
出典:住宅リフォーム・紛争処理支援センター「住宅相談統計年報2025」図3-8(2026年9月22日確認)。「3年以上」は100%から3年未満を差し引いた当社の計算です。バーの高さは67.7%を100%とした相対値です。
同じ報告は、不具合が生じている新築相談について、事象別の集計を行っています。戸建住宅(n=5,759)、共同住宅等(n=829)ともに「ひび割れ」がもっとも多く、次いで「雨漏り」「性能不足」が多いとされています。
紛争処理まで進んだケースでも同じ傾向で、2024年3月31日までに終結した2,183件において、争点になった主な不具合事象は、戸建住宅・共同住宅ともに「ひび割れ」の割合がもっとも高くなっています。
| 順位 | 新築相談・戸建住宅の不具合事象(n=5,759) | 当該事象が多くみられる部位 |
|---|---|---|
| 1 | ひび割れ | 外壁、基礎 |
| 2 | 雨漏り | 外壁、屋根 |
| 3 | 性能不足 | 設備機器、基礎 |
| 4 | 変形 | 開口部・建具、床 |
| 5 | 汚れ | 床、内装 |
出典:住宅リフォーム・紛争処理支援センター「住宅相談統計年報2025」表1-6(2024年度の集計・複数カウント・2026年9月22日確認)。順位は同報告の掲載順によります。
上位の「ひび割れ」と「雨漏り」は、いずれも外壁と屋根・基礎に集中しています。内覧会では室内の仕上げに目が行きがちですが、外に出て、外壁と基礎を一周して見ることが欠かせません。
前章までの統計と告示をふまえて、内覧会で確認する項目を部位別に整理します。特別な道具がなくても、次のものがあれば足ります。
| 部位 | 確認する内容 | 統計上の関連 |
|---|---|---|
| 外壁 | ひび割れの有無と、どの材をまたいでいるか。シーリングの充填状況、塗り残し、汚れ | ひび割れ・雨漏りの最多部位 |
| 基礎 | ひび割れ、幅、さび汁の有無。換気口まわり、水切りとの取り合い | ひび割れの主要部位 |
| 屋根・軒裏 | 地上から見える範囲でのずれ、軒天のしみ。バルコニーの防水層と排水口 | 雨漏りの主要部位 |
| 床 | 3m程度以上離れた2点での傾斜。歩いたときの鳴り、沈み、段差 | 変形・床鳴りの主要部位 |
| 壁・柱 | 2m程度以上の長さでの傾斜。クロスの継ぎ目、浮き、下地の不陸 | ひび割れ・変形 |
| 開口部・建具 | すべての扉・引戸・窓・網戸の開閉。鍵の掛かり方、戸当たり、隙間 | 変形の最多部位 |
| 設備機器 | すべての給湯・水栓・換気扇・コンセント・スイッチ・照明の作動。排水の流れと音 | 性能不足・作動不良の主要部位 |
| 給排水 | 各所で通水し、止水後の水漏れ。点検口から配管の接続部を見る | 漏水・排水不良 |
| 点検口 | 床下・小屋裏の点検口が開くか。断熱材の欠損、配管・配線の納まり | 引渡し後に見えなくなる部分 |
| 図面との照合 | コンセントとスイッチの位置と数、建具の開き勝手、設備の型番、仕上材の品番 | 契約に関するトラブル |
もっとも見落としやすいのは、図面との照合です。傷や汚れは目に入りますが、コンセントが1か所足りない、建具の開き勝手が図面と逆、といった違いは、図面を持っていないと気づけません。引渡し後に「もともとこの仕様でした」と言われてしまうと、水掛け論になります。
内覧会は、粗探しをして相手を責める場ではありません。引渡し前に直せるものを直してもらい、直らないものについては認識を共有して記録に残す場です。次の3点を意識すると、話が前に進みやすくなります。
気づいた箇所に養生テープや付箋を貼り、テープごと写真に撮ります。写真だけだと、あとでどの部屋のどこか分からなくなります。部屋名と場所(「1階の洋室、道路側の壁」のように)をメモに添えてください。傾斜を測った場合は、測った2点の位置と距離も記録します。
その場で判断できない項目もあります。「確認します」で終わらせず、いつまでに回答をもらうかを決めて、指摘一覧に書き込んでください。多くの会社は指摘事項の一覧表を用意しています。その場で内容を読み合わせ、控えを受け取ることをおすすめします。
引渡しの日が決まっていると、指摘が残ったまま引渡しを受けることになりがちです。引渡しを受けた後でも、品確法の10年の責任と、民法の契約不適合責任は働きます。ただし、10年の対象は構造耐力上主要な部分と雨水の浸入を防止する部分に限られ、それ以外は「知った時から1年以内の通知」が必要です。指摘が残る場合は、補修の内容・時期・費用負担を書面にしてから引渡しを受けてください。
第三者に同行してもらうという選択肢もあります。建築士などに内覧会への同行を依頼する場合、費用は依頼先によって異なります。国土交通大臣から指定を受けた住まいるダイヤル(公益財団法人 住宅リフォーム・紛争処理支援センター)では、住宅に関する電話相談を受け付けており、固定電話からは全国どこからでも市内通話料で利用できるとしています。また、建設住宅性能評価書が交付された住宅や住宅瑕疵担保責任保険が付いた住宅については、指定住宅紛争処理機関によるあっせん・調停・仲裁の制度があります。
東京・一都三県で家づくりや住まい探しをお考えの方へ。引渡し前の確認についてもご相談ください。
自由住宅では、注文住宅・建売住宅のどちらについても、契約前の図面の見方から、工事中の確認、引渡し前のチェックの進め方まで、資料を使ってご説明しています。すでに他社でご契約中の方からのご相談も承ります。まずはお気軽にご連絡ください。
家づくりのご相談はこちらQ床の傾斜は何ミリまで許されますか?
A「許される」という基準は法令にありません。よく引用される3/1000という数値は、平成12年建設省告示第1653号「住宅紛争処理の参考となるべき技術的基準」のもので、3m程度以上離れた2点を結ぶ直線の水平面に対する角度が3/1000未満なら「構造耐力上主要な部分に瑕疵が存する可能性は低い」、3/1000以上6/1000未満で「一定程度存する」、6/1000以上で「高い」とされています。3mで9mmが3/1000の目安です。ただしこの告示は、指定住宅紛争処理機関が紛争処理を行うときの参考として定められたもので、適用範囲も建設住宅性能評価書が交付された住宅の紛争に限られています。合格ラインではありません。
Q壁のひび割れは0.3mm未満なら問題ないのですか?
A構造によって考え方が違います。0.3mm・0.5mmという幅の数値は、主に鉄筋コンクリート造・鉄骨鉄筋コンクリート造についてのものです。木造住宅については、告示は幅の数値を使わず、ひび割れが複数の仕上材にまたがっているか、仕上材と乾式の下地材または構造材にまたがっているか、という「どこまで達しているか」で3段階に区分しています。木造の新築で「0.3mm未満だから大丈夫」という説明を受けた場合は、根拠を確認してください。内覧会では、幅だけでなくひび割れがどの材をまたいでいるかを写真に記録しておくことをおすすめします。
Q引渡しを受けてから見つかった不具合は、いつまで言えますか?
A対象によって違います。構造耐力上主要な部分と雨水の浸入を防止する部分の瑕疵については、引渡しから10年間、請負人や売主が責任を負います(品確法第94条・第95条)。これに反する注文者・買主に不利な特約は無効です。それ以外の契約不適合については、民法第637条により、不適合を知った時から1年以内に通知しないと、原則として履行の追完・報酬の減額・損害賠償の請求や契約の解除ができなくなります。気づいた時点で書面やメールで伝え、記録を残してください。
Q内覧会にはどのくらい時間をかけるべきですか?
A一戸建てで、すべての建具の開閉と設備の作動確認、外壁と基礎の一周、図面との照合まで行うと、相応の時間がかかります。会社によって枠の取り方は異なりますので、予約の時点で「図面と照らし合わせながら全室と外周を確認したい」と伝えて、時間を確保してもらってください。日中の明るい時間帯のほうが、ひび割れや仕上げのむらが見えやすくなります。雨の日は雨漏りやバルコニーの排水を確認しやすい一方、外壁の細部は見にくくなります。
Q建設住宅性能評価書があれば、内覧会は簡単でよいですか?
A評価書は、設計住宅性能評価書どおりに施工されているかを登録住宅性能評価機関が工程ごとに検査した結果を示すもので、仕上げの傷や建具の動き、図面との違いまで見るものではありません。役割が異なります。ただし、評価書が交付された住宅は、指定住宅紛争処理機関によるあっせん・調停・仲裁を利用できるという利点があります。統計上も、評価住宅は築後1年未満に不具合が把握されている割合が48.4%と、保険付き住宅(新築)の31.2%より高くなっています(住宅相談統計年報2025)。
Q指摘が残ったまま引渡し日を迎えそうです。どうすればよいですか?
A引渡しを受けた後でも、品確法の10年の責任と民法の契約不適合責任は働きますので、指摘が残っていることだけを理由に引渡しを拒む必要はありません。ただし、補修の内容・時期・費用の負担を書面にしてから引渡しを受けてください。口頭の約束だけだと、担当者が変わったときに引き継がれないことがあります。また、10年の対象は構造耐力上主要な部分と雨水の浸入を防止する部分に限られ、それ以外は知った時から1年以内の通知が必要になる点に注意してください。
本記事は2026年9月22日時点で公表されている情報にもとづいています。個別の住宅について不具合があるかどうか、補修の要否や範囲がどうなるかの判断は、現地の状況と契約の内容によります。具体的なご相談は、施工会社・売主のほか、住まいるダイヤルや建築士にご確認ください。