先進的窓リノベ2026事業とは、既存の住宅の窓を断熱性能の高い窓に替える工事の費用の一部を、国が定額で補助する環境省の事業です。国土交通省・経済産業省の事業とあわせた「住宅省エネ2026キャンペーン」の一つで、令和7年度補正予算で1,125億円が計上されています。
補助額は工事の費用の割合ではなく、窓1か所(ガラス交換はガラス1枚)ごとに決められた額の合計です。環境省は、補助単価を「一般的に要する費用の1/2以内」で設定したとしています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象の住宅 | 既存の住宅(戸建て・集合住宅)と、一部の非住宅建築物 |
| 対象の工事 | 対象製品を使った内窓設置・外窓交換・ガラス交換。窓と同じ契約で行うドア交換も対象 |
| 補助の上限 | 住宅1戸あたり100万円 |
| 補助の下限 | 1申請あたりの補助額の合計が5万円以上であること |
| 工事の着手 | 2025年11月28日以降に着手したもの |
| 申請する人 | 登録された「窓リノベ事業者」(施工業者)。補助金は住まい手に全額還元される |
前年度の「先進的窓リノベ2025事業」からは、特大サイズの区分が加わり、内窓の性能区分Aが補助の対象から外れ、補助単価が見直されました。2025年度の単価や上限額で書かれた情報も残っているため、公式サイトの2026年度の数値で確かめてください。
窓の断熱改修とは、窓から逃げる熱や入ってくる熱を減らすために、窓を二重にしたり、ガラスやサッシを断熱性能の高いものに替えたりする工事のことです。先進的窓リノベ2026事業では、工事の方法によって補助額の表が分かれています。
| 工事の方法 | 内容 | 向いている場面 |
|---|---|---|
| 内窓設置 | 今の窓の室内側に、もう1つ窓を取り付ける | 工事を短くしたい、マンションで外側のサッシに手を入れられない |
| 外窓交換(カバー工法) | 今の窓枠の上から新しい枠をかぶせて窓を替える | 壁を壊さずに窓ごと新しくしたい、開け閉めを1回で済ませたい |
| 外窓交換(はつり工法) | 周りの壁を壊して窓枠ごと取り替える | 外壁の張り替えなど大きな改修とあわせて行う |
| ガラス交換 | 今のサッシを使い、ガラスだけを複層ガラスなどに替える | サッシがまだ使える、費用をおさえたい |
補助の対象になるのは、既存の窓と同じ規模・同じ数の工事です。窓の位置を変えたり、もとより窓の数を増やしたりした分は対象外になります。ドアの交換は、窓の工事と同じ契約で同時に申請する場合に限って補助されます。
マンションの外窓(サッシ)は、多くの場合、共用部分です。住戸の持ち主だけでは交換できないことが多いため、内窓設置が現実的な選択になります。管理規約と管理組合の決まりを先に確かめてください。
性能区分とは、窓の断熱性能を熱貫流率(Uw値)で段階分けしたもので、数値が小さいほど熱を通しにくい窓です。内窓設置の場合、性能区分SSはUw値1.1以下、SはUw値1.5以下です。補助額は、この性能区分と窓の大きさ、住宅の建て方(戸建て・集合住宅)の組み合わせで決まります。
| 区分 | サッシ1か所の面積 | ガラス1枚の面積 |
|---|---|---|
| 特大 | 4.0㎡以上 | 2.0㎡以上 |
| 大 | 2.8㎡以上4.0㎡未満 | 1.4㎡以上2.0㎡未満 |
| 中 | 1.6㎡以上2.8㎡未満 | 0.8㎡以上1.4㎡未満 |
| 小 | 0.2㎡以上1.6㎡未満 | 0.1㎡以上0.8㎡未満 |
戸建て住宅の補助単価は次のとおりです。性能区分と大きさは、メーカーが発行する「性能証明書」に書かれています。
| 工事と性能区分 | 特大 | 大 | 中 | 小 |
|---|---|---|---|---|
| 内窓設置 SS | 140,000円 | 89,000円 | 58,000円 | 36,000円 |
| 内窓設置 S | 76,000円 | 52,000円 | 34,000円 | 22,000円 |
| 外窓交換(カバー工法) SS | 239,000円 | 188,000円 | 138,000円 | 89,000円 |
| 外窓交換(カバー工法) S | 156,000円 | 124,000円 | 92,000円 | 60,000円 |
| 外窓交換(カバー工法) A | 116,000円 | 88,000円 | 66,000円 | 41,000円 |
| 外窓交換(はつり工法) SS | 194,000円 | 149,000円 | 110,000円 | 69,000円 |
| ガラス交換 SS | 78,000円 | 52,000円 | 32,000円 | 11,000円 |
| ガラス交換 S | 53,000円 | 35,000円 | 23,000円 | 7,000円 |
※環境省「先進的窓リノベ2026事業の概要」の単価表から、戸建て住宅・延床面積240㎡以下の非住宅建築物の欄を抜き出しました。外窓交換(はつり工法)のS・A、ガラス交換のAの単価と、集合住宅の単価は同資料で確かめてください。
いちばん申請の多い内窓設置について、性能区分SSの単価を大きさ別に並べると次のようになります。
出典:環境省「先進的窓リノベ2026事業の概要」(2026年9月27日確認)
※居間の掃き出し窓(幅1.7m×高さ2.0m程度)は、多くの場合「大」に当たります。実際の区分は製品の性能証明書で確かめてください。
内窓の性能区分Aは、2026年度から先進的窓リノベ事業の対象外です。ただし、国土交通省の「みらいエコ住宅2026事業」では、内窓の性能区分Aも補助の対象になっています(大4.2万円・中2.2万円・小1.7万円)。同じ製品を2つの事業に重ねて申請することはできません。
補助額の試算とは、工事をする窓ごとの単価を、性能証明書の区分に当てはめて足し合わせることです。ここでは、戸建て住宅で内窓を12か所に付ける場合を例に計算します。
| 窓の大きさ | か所数 | 性能区分SS | 性能区分S |
|---|---|---|---|
| 大(居間・食堂の掃き出し窓など) | 4 | 356,000円 | 208,000円 |
| 中(寝室・子ども部屋の腰高窓など) | 4 | 232,000円 | 136,000円 |
| 小(浴室・トイレ・廊下の小窓など) | 4 | 144,000円 | 88,000円 |
| 合計 | 12 | 732,000円 | 432,000円 |
※窓の大きさとか所数は説明のための仮の例です。補助額は定額のため、実際の工事費の多い少ないにかかわらず同じ額です。
同じ12か所でも、性能区分SSとSでは補助額に30万円の差が出ます。性能区分SSの製品は価格も高いため、「補助額の差」と「製品価格の差」を見積書で比べてから選ぶのが確実です。上限の100万円に届くのは、大きな窓の外窓交換を多く含む工事や、窓の数が多い住宅に限られます。
予算の消化状況とは、事業の予算に対して、すでに提出された交付申請と予約の額が何割に達しているかを示すものです。先進的窓リノベ2026事業は、予算の上限に達した時点で受付を終えます。
| 手続き | 期限 |
|---|---|
| 工事の着手 | 2025年11月28日以降であること |
| 交付申請の予約 | 遅くとも2026年11月16日まで(予算の上限に達した時点で終了) |
| 交付申請 | 遅くとも2026年12月31日まで(予算の上限に達した時点で終了) |
公式サイトによると、2026年9月27日0時時点で、予算に対する申請額の割合は25%でした。月ごとの申請額(予約を含む)は、7月に65億円を超えています。
出典:先進的窓リノベ2026事業 公式サイト「補助金申請額の状況」(2026年9月10日更新・2026年9月27日確認)
※前月の実績からの増加分を当月の実績としています。4月〜8月の合計は218億7,398万円です。
4月から8月までの合計は約219億円で、予算1,125億円の約2割です。予約は11月16日までのため、年内の工事を考えている場合は、10月中に見積もりと契約を済ませておくと安心です。
補助金の併用とは、1つのリフォーム工事の中で、工事ごとに別の制度の補助を受けることです。同じ窓(同じ製品)について2つの国の事業に重ねて申請することはできませんが、窓は先進的窓リノベ2026事業、断熱材や給湯器は別の事業、というように分けて申請できます。
| 制度 | 窓の工事との関係 | 上限など |
|---|---|---|
| みらいエコ住宅2026事業(国土交通省) | 内窓の性能区分Aなど、先進的窓リノベの対象外の窓を補助。断熱材・エコ住宅設備なども対象 | 1戸あたり40万〜100万円(建築時期と改修後の性能による) |
| 給湯省エネ2026事業(経済産業省) | 高効率給湯器の設置を補助 | 機器ごとの定額 |
| 既存住宅における省エネ改修促進事業(東京都) | 都内の既存住宅の高断熱窓・ドアを助成。国の住宅省エネ2026キャンペーンと併用可 | 1戸あたり200万円(断熱と防犯を兼ねる窓は300万円) |
| リフォーム促進税制・固定資産税の減額 | 省エネ改修は窓の断熱改修が必須の工事 | 所得税の控除、翌年度の固定資産税の3分の1減額 |
※先進的窓リノベ2026事業とみらいエコ住宅2026事業に分けて申請する場合、先進的窓リノベ2026事業の補助額は単独で5万円以上である必要があります(両事業の補助額は合算できません)。
首都圏で注目したいのが東京都の助成です。クール・ネット東京の「既存住宅における省エネ改修促進事業」は、都内に住宅を持つ個人や管理組合が対象で、2026年4月1日以降に設置する窓が対象です。事前申込は2026年5月29日から受け付けており、交付申請は2029年3月30日までです。国の補助を併せて受ける場合は、国の補助額を差し引く前の助成額が5万円以上の工事が対象になります。
窓の断熱改修は、減税の入り口にもなります。リフォーム促進税制の省エネ改修は、窓の断熱改修が必須の工事です。給湯器やエアコンの交換だけでは申請できませんが、窓を1か所でも改修していれば、断熱材や設備の工事とあわせて対象になり得ます。所得税の控除は、補助金を差し引いた標準的な工事費用が50万円を超えることが条件で、固定資産税の減額は補助金を差し引いた費用が60万円(税込)を超えることが条件です。
窓リノベ事業者とは、住まい手に代わって交付申請を行い、受け取った補助金を住まい手に還元する、事務局に登録された施工業者のことです。先進的窓リノベ2026事業では、住まい手が自分で申請することはできません。
「補助金で実質無料」「今日契約すれば補助金が使える」といった勧誘には注意してください。補助額は窓ごとの定額で、工事費の1/2以内に設定されています。訪問販売で契約した場合は、クーリング・オフ(書面または電磁的記録による通知)ができる期間を確かめてください。
先進的窓リノベ2026事業は、窓の性能・大きさ・工事の方法で決まる定額の補助で、1戸あたり100万円が上限です。戸建てで内窓を12か所に付ける例では、性能区分SSで73.2万円、Sで43.2万円になります。
Q先進的窓リノベ2026事業の補助はいくらまで受けられますか?
A住宅1戸あたり100万円が上限です。補助額は、窓の性能区分・大きさ・工事の方法・住宅の建て方で決まる定額の合計で、1申請あたり5万円以上の工事が対象です(環境省「先進的窓リノベ2026事業の概要」)。
Q内窓1か所でいくらの補助になりますか?
A戸建て住宅で性能区分SS(Uw値1.1以下)の内窓なら、特大14.0万円・大8.9万円・中5.8万円・小3.6万円です。性能区分S(Uw値1.5以下)なら、特大7.6万円・大5.2万円・中3.4万円・小2.2万円です。内窓の性能区分Aは2026年度から対象外になりました。
Q申請の期限はいつですか?
A交付申請は遅くとも2026年12月31日まで、交付申請の予約は遅くとも2026年11月16日までです。予算の上限に達した場合はその時点で終わります。2026年9月27日0時時点で、予算に対する申請額の割合は25%でした。対象は2025年11月28日以降に着手した工事です。
Q自分で申請できますか?
Aできません。事務局に登録された「窓リノベ事業者」(工事を請け負う施工業者)が交付申請を行い、受け取った補助金を住まい手に還元します。依頼先が登録事業者かどうかは、公式サイトで検索できます。
Q東京都の助成と一緒に使えますか?
A使えます。クール・ネット東京の「既存住宅における省エネ改修促進事業」は、国の住宅省エネ2026キャンペーンと併用でき、高断熱窓・ドアの上限は1戸あたり200万円(断熱と防犯を兼ねる窓は300万円)です。都内の既存住宅に2026年4月1日以降に設置する窓が対象で、国の補助を差し引く前の助成額が5万円以上の工事が対象になります。
窓の断熱リフォームは、どの窓を、どの方法と性能で替えるかによって、補助額も住み心地も変わります。補助金の期限が近づく前に、住まい全体の状態から優先順位を決めておくのが近道です。
自由住宅では、リフォームのご相談で、窓や断熱の改修の範囲と、国・東京都の補助金の使い方をあわせてご提案しています。
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