管理費とは、マンションの共用部分を日々維持するために、区分所有者が毎月負担する費用のことです。管理会社への委託費、共用部分の清掃、エレベーターなどの設備の点検、共用部分の電気代や保険料などに使われます。
修繕積立金とは、外壁の塗り替えや屋上の防水、給排水管の取り替えなど、十数年ごとに行う大がかりな修繕に備えて、毎月積み立てるお金のことです。管理費がその年に使い切る費用であるのに対し、修繕積立金は将来の工事のためにためておく費用です。
| 項目 | 管理費 | 修繕積立金 |
|---|---|---|
| 目的 | 共用部分の日々の維持 | 将来の計画的な修繕への備え |
| 主な使いみち | 管理の委託費、清掃、設備の点検、共用部分の電気代 | 外壁・屋上の修繕、給排水管やエレベーターの更新 |
| 金額の決まり方 | 管理の内容と総戸数 | 長期修繕計画の工事費の見込み |
| 上がりやすさ | 人件費などに応じて見直される | 築年数が進むと引き上げられることが多い |
どちらも、住宅ローンを払い終えたあとも所有しているかぎり続く支払いです。物件の価格と同じように、毎月の負担として比べる必要があります。
管理費・修繕積立金の相場とは、実際に売買が成立した中古マンションで、所有者が毎月払っている金額の平均のことです。首都圏の不動産会社が物件情報を登録する東日本不動産流通機構(東日本レインズ)が、毎年度の成約物件について集計しています。
2025年度に成約した首都圏の中古マンションでは、次のとおりでした。
| 項目 | 1戸あたり | 前年度比 | 1㎡あたり |
|---|---|---|---|
| 管理費 | 13,895円 | 0.3%上昇 | 217円 |
| 修繕積立金 | 13,910円 | 5.6%上昇 | 217円 |
| 合計 | 27,805円 | 2.9%上昇 | 434円 |
※東日本不動産流通機構「首都圏中古マンションの管理費・修繕積立金(2025年度)」(2026年5月28日公表)。2025年1月から築年月・管理費・修繕積立金の登録が必須になったことに伴い、建築年・総戸数・管理費・修繕積立金がすべて登録された成約物件だけを集計した値です。
合計の27,805円は、1年で333,660円になります。1㎡あたりの434円を専有面積70㎡の住戸に当てはめると、月額30,380円です(いずれも当社計算)。
同機構は、物件の価格に対する負担の重さも示しています。1㎡あたりの管理費と修繕積立金の1年分は、成約した1㎡あたりの価格の0.60%でした。築30年を超える物件では1.03%で、価格が下がるほど、毎月の負担の割合は重くなります。
物件を比べるときは、価格だけでなく「ローンの返済額+管理費+修繕積立金」の合計で見ると実態に近づきます。このほかに、固定資産税や駐車場の使用料がかかる場合があります。
推移とは、同じ集計方法でそろえた年度ごとの平均額の移り変わりのことです。東日本不動産流通機構は、2020年度から2025年度まで、同じ条件で抽出した値を公表しています。
出典:東日本不動産流通機構「首都圏中古マンションの管理費・修繕積立金(2025年度)」(2026年5月28日公表)
※各年度に同機構を通して成約した中古マンションの平均です。2023年度以前の値も、2025年度と同じ条件で抽出し直した値です。
| 年度 | 管理費 | 修繕積立金 | 合計 |
|---|---|---|---|
| 2020年度 | 13,430円 | 11,737円 | 25,167円 |
| 2021年度 | 13,203円 | 11,770円 | 24,973円 |
| 2022年度 | 13,302円 | 12,085円 | 25,387円 |
| 2023年度 | 13,639円 | 12,580円 | 26,218円 |
| 2024年度 | 13,847円 | 13,177円 | 27,024円 |
| 2025年度 | 13,895円 | 13,910円 | 27,805円 |
5年間で、管理費は13,430円から13,895円へ3.5%、修繕積立金は11,737円から13,910円へ18.5%、合計は25,167円から27,805円へ10.5%上がりました(当社計算)。2025年度は、修繕積立金が管理費を上回りました。公表されている2020年度以降では初めてです。
修繕積立金の前年度比は、2022年度2.7%、2023年度4.1%、2024年度4.7%、2025年度5.6%と、年を追って大きくなっています。
いま表示されている修繕積立金の額が、これからも続くとは限りません。首都圏の平均は5年で2割近く上がっています。購入を検討する物件について、過去の改定の経過と、長期修繕計画に書かれた今後の予定額を確かめてください。
築年数別の目安とは、建ててからの年数で区切った、管理費と修繕積立金の平均額のことです。管理費は新しい物件ほど高く、修繕積立金は築21〜30年で最も高くなります。
| 築年数 | 管理費 | 修繕積立金 | 合計 | 1㎡あたりの合計 |
|---|---|---|---|---|
| 築10年以内 | 16,889円 | 10,474円 | 27,363円 | 436円 |
| 築11〜20年 | 15,275円 | 15,716円 | 30,991円 | 456円 |
| 築21〜30年 | 13,997円 | 16,588円 | 30,585円 | 441円 |
| 築30年超 | 11,467円 | 12,835円 | 24,301円 | 413円 |
※東日本不動産流通機構「首都圏中古マンションの管理費・修繕積立金(2025年度)」(2026年5月28日公表)。合計は、四捨五入の関係で内訳の和と1円ずれる場合があります。
出典:東日本不動産流通機構「首都圏中古マンションの管理費・修繕積立金(2025年度)」(2026年5月28日公表)
※2025年度に成約した首都圏の中古マンションの平均です。
築10年以内の修繕積立金は10,474円で、築21〜30年の16,588円とは約1.6倍の差があります。建築年ごとの集計を見ると、差はさらにはっきりします。2022年に建てられた物件の修繕積立金は平均6,669円(1㎡あたり111円)、2002年に建てられた物件は17,726円(1㎡あたり244円)でした。
新しいマンションの修繕積立金が低いのは、修繕が少なくて済むからだけではありません。分譲時の積立額を低く抑え、年数に応じて段階的に引き上げる計画のマンションが多いためです。築10年以内の物件を買う場合は、いまの額ではなく、将来の予定額を前提に資金計画を立てる必要があります。
築30年を超えると、管理費・修繕積立金とも平均額は下がります。同機構は、1㎡あたりの管理費は経年で低下する傾向にあるとしています。ただし、築年数の古い物件は専有面積や設備の内容が新しい物件と違うため、「古いほど修繕にお金がかからない」という意味ではありません。築年数と価格の関係は、中古住宅の築年数と価格の記事で説明しています。
地域別・規模別の目安とは、マンションの所在地と総戸数で区切った、管理費と修繕積立金の平均額のことです。地域では東京都区部が最も高く、規模では総戸数50戸未満の小さなマンションが1㎡あたりで最も高くなります。
| 地域 | 管理費 | 修繕積立金 | 合計 | 1㎡あたりの合計 |
|---|---|---|---|---|
| 東京都区部 | 15,291円 | 13,665円 | 28,957円 | 494円 |
| 横浜市・川崎市 | 13,118円 | 14,547円 | 27,665円 | 415円 |
| 東京都多摩 | 12,923円 | 14,371円 | 27,294円 | 404円 |
| 神奈川県のその他 | 13,657円 | 13,547円 | 27,204円 | 400円 |
| 千葉県 | 12,142円 | 14,058円 | 26,200円 | 362円 |
| 埼玉県 | 12,018円 | 13,692円 | 25,710円 | 376円 |
※東日本不動産流通機構「首都圏中古マンションの管理費・修繕積立金(2025年度)」(2026年5月28日公表)。合計の大きい順に並べています。
東京都区部と埼玉県の差は、合計で月3,247円です。差のほとんどは管理費(3,273円)によるもので、修繕積立金は地域による差が小さいことがわかります。東京都区部は1㎡あたりの合計が494円と高く、専有面積が小さい住戸でも負担が軽くなりにくい地域です。
出典:東日本不動産流通機構「首都圏中古マンションの管理費・修繕積立金(2025年度)」(2026年5月28日公表)
※2025年度に成約した首都圏の中古マンションの平均です。
総戸数が少ないマンションは、共用部分の維持費を少ない戸数で分け合うため、1戸あたりの負担が重くなります。50戸未満は1㎡あたり484円で、最も低い100〜149戸の394円より約23%高い水準です(当社計算)。一方、200戸以上の大規模なマンションは412円と再び上がります。同機構のデータでは、200戸以上は1㎡あたりの管理費が214円と、100〜149戸の192円より高くなっています。
修繕積立金の目安とは、国土交通省が、実際の長期修繕計画366事例をもとに示した、専有面積1㎡あたりの月額の水準のことです。「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」(2024年6月改定)に、建物の階数と延床面積の区分ごとの平均値と幅が載っています。
| 地上階数 | 建築延床面積 | 事例の3分の2が入る幅 | 平均値 |
|---|---|---|---|
| 20階未満 | 5,000㎡未満 | 1㎡あたり月235円〜430円 | 335円 |
| 20階未満 | 5,000㎡以上10,000㎡未満 | 1㎡あたり月170円〜320円 | 252円 |
| 20階未満 | 10,000㎡以上20,000㎡未満 | 1㎡あたり月200円〜330円 | 271円 |
| 20階未満 | 20,000㎡以上 | 1㎡あたり月190円〜325円 | 255円 |
| 20階以上 | (区分なし) | 1㎡あたり月240円〜410円 | 338円 |
※国土交通省「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」(2024年(令和6年)6月改定)。平均値は1㎡あたりの月額です。機械式駐車場がある場合は、この目安に加算額を足します。
首都圏の中古マンションで実際に払われている修繕積立金は、1㎡あたり平均217円でした。ガイドラインの平均値(252円〜338円)は、どの区分でもこれを上回っています。
ただし、2つの数字は性質が違います。ガイドラインの目安は、計画期間(新築は30年以上)の全体で必要な工事費を、均等に積み立てたと仮定した場合の平均額です。東日本不動産流通機構の値は、成約した時点で実際に徴収されている月額です。積立額を段階的に上げていく方式のマンションでは、築年数の浅いうちは目安を下回るのが普通です。ガイドラインも、目安の範囲に収まっていないからといって、直ちに不適切と判断されるわけではないとしています。
それでも、平均で見て目安に届いていないという事実は、これから引き上げの余地がある物件が多いことを示しています。ガイドラインは積立方式について、次のように整理しています。
| 項目 | 均等積立方式 | 段階増額積立方式 |
|---|---|---|
| しくみ | 計画期間を通じて同じ額を積み立てる | 当初の額を抑え、段階的に値上げする |
| 特長 | 将来の増額を組み込まず、安定して積み立てられる | 当初の負担が小さい |
| 留意点 | 計画の見直しで増額が必要になる場合がある | 予定どおりに増額しようとしても、合意ができず不足する場合がある |
※国土交通省「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」(2024年(令和6年)6月改定)をもとに作成。
2024年6月改定のガイドラインは、段階増額積立方式について、引き上げ幅の考え方を示しています。均等積立方式にした場合の月額を基準として、計画の当初の額は基準の0.6倍以上、最終の額は基準の1.1倍以内に収めるというものです。この範囲を外れる計画のマンションは、将来の値上げ幅が大きくなるおそれがあります。
修繕積立金が安いマンションは、負担が軽いのではなく、負担が先送りされている場合があります。積立てが足りないと、大規模修繕のときに一時金を集めたり、必要な工事を見送ったりすることになります。金額の安さだけで選ばず、積立方式と残高を確かめてください。
購入前の確認とは、契約の前に、管理費・修繕積立金の現在の額と今後の見通しを、書類で確かめることです。中古マンションの売買では、宅地建物取引業者が契約の前に行う重要事項説明で、管理に関する事項が説明されます。
宅地建物取引業法施行規則第16条の2は、区分所有建物の売買で説明する事項として、次のものを定めています。
これらを手がかりに、次の順で確かめると、将来の負担を見通しやすくなります。
| 順番 | 確かめること | 見る書類 |
|---|---|---|
| 手順1 | 管理費・修繕積立金の現在の月額と、1㎡あたりの額 | 販売図面、重要事項説明書 |
| 手順2 | 修繕積立金の積立方式(均等か段階増額か)と、今後の予定額 | 長期修繕計画 |
| 手順3 | 修繕積立金がすでにいくら積み立てられているか | 重要事項説明書、管理会社が発行する調査報告書 |
| 手順4 | これまでに行った修繕の内容と時期、次の大規模修繕の予定 | 修繕の履歴、長期修繕計画 |
| 手順5 | 値上げや一時金の徴収が議論されていないか | 管理組合の総会の議事録 |
長期修繕計画や総会の議事録は、売主や管理会社を通じて取り寄せる書類です。重要事項説明の当日に初めて見るのでは検討の時間が足りないため、購入を申し込む前後の早い段階で、仲介する不動産会社に依頼しておくと確実です。
1㎡あたりの額に直すと、物件どうしを比べやすくなります。月額を専有面積で割り、この記事の表(首都圏平均は管理費217円・修繕積立金217円)や国の目安(平均値252円〜338円)と見比べてください。大きく外れている場合は、その理由を確かめる価値があります。
築年数ごとの上がり方と、買う前に確かめる5つの数字は「中古マンションの修繕積立金は築20年で1.6倍に」で詳しく解説しています。
一戸建てとの違いとは、建物の維持にかかる費用を、毎月決まった額で払うか、自分で計画してためるかの違いのことです。一戸建てには管理費も修繕積立金もありません。そのかわり、外壁や屋根、設備の修繕費は、必要になったときに所有者が全額を負担します。
一般社団法人住宅リフォーム推進協議会の調査では、過去3年以内にリフォームをした一戸建ての所有者が実際に払った費用は、平均470.1万円でした。工事をした箇所は、外壁が25.3%、屋根が17.9%です(マンションを含む実施者全体、複数回答)。
| 項目 | マンション | 一戸建て |
|---|---|---|
| 毎月の支払い | 管理費と修繕積立金(首都圏の平均は月額27,805円) | なし |
| 修繕の費用 | 共用部分は修繕積立金から。専有部分は自己負担 | すべて自己負担 |
| 修繕の時期と内容 | 管理組合が長期修繕計画にもとづいて決める | 所有者が自分で決める |
| 金額の見通し | 積立金の値上げ・一時金の可能性がある | 自分で積み立てないと、まとまった出費になる |
※一戸建てのリフォーム費用は、一般社団法人住宅リフォーム推進協議会「2025年度 住宅リフォームに関する消費者(検討者・実施者)実態調査」(2026年2月公表)。
仮に、首都圏の平均である月額27,805円を35年間払い続けると、合計は約1,168万円になります(27,805円×12か月×35年。値上げがないと仮定した当社計算)。一戸建てを検討する場合も、同じ期間に外壁・屋根・設備の更新が必要になることを見込み、自分で修繕費を積み立てておくと、どちらの住まいも同じ条件で比べられます。
首都圏の中古マンションの管理費と修繕積立金は、2025年度の成約物件の平均で月額27,805円でした。上がっているのは主に修繕積立金で、5年間で18.5%上昇しています。
Q中古マンションの管理費と修繕積立金は、月にいくらが相場ですか?
A首都圏では、2025年度に成約した中古マンションの平均で、管理費が月額13,895円、修繕積立金が月額13,910円、合計27,805円です。1㎡あたりでは合計434円で、専有面積70㎡なら月額約3万円になります(東日本不動産流通機構、2026年5月28日公表)。
Q修繕積立金は値上がりしていますか?
A上がっています。首都圏の成約物件の平均は、2020年度の月額11,737円から2025年度の13,910円へ、5年間で18.5%上昇しました。前年度比も2025年度は5.6%と、年を追って大きくなっています。同じ期間の管理費の上昇は3.5%でした。
Q修繕積立金の適正な額はいくらですか?
A国土交通省のガイドライン(2024年6月改定)は、計画期間全体の平均額の目安を、20階未満のマンションで専有面積1㎡あたり月252円〜335円(延床面積の区分による平均値)、20階以上で338円としています。70㎡の住戸なら月額約1万8千円〜2万4千円に当たります。機械式駐車場がある場合は加算されます。
Q築年数が新しいマンションは、修繕積立金が安いのですか?
A平均では安くなっています。2025年度の首都圏の成約物件では、築10年以内が月額10,474円、築21〜30年が16,588円でした。ただし、新しいマンションは当初の額を抑えて段階的に引き上げる計画のことが多いため、将来の予定額を長期修繕計画で確かめる必要があります。
Q修繕積立金がどのくらい貯まっているかは、どこで分かりますか?
A重要事項説明書で確認できます。宅地建物取引業法施行規則第16条の2は、修繕のための費用を積み立てる規約の定めがあるときは、その内容とすでに積み立てられている額を、区分所有建物の売買の重要事項として説明するよう定めています。
Q一戸建てには管理費や修繕積立金はかかりますか?
Aかかりません。そのかわり、外壁・屋根・設備の修繕費は必要になったときに全額を自分で負担します。住宅リフォーム推進協議会の調査では、一戸建てのリフォームで実際に払った費用は平均470.1万円でした(2026年2月公表)。自分で計画的に積み立てておくと安心です。
毎月の負担は、物件の価格だけでは決まりません。マンションなら管理費と修繕積立金、一戸建てなら将来の修繕費まで含めて比べると、無理のない住まいが見えてきます。
自由住宅では、新築一戸建て・注文住宅・中古住宅のリフォームを手がける立場から、住まいの種類ごとの維持費の見通しを含めた資金計画のご相談をお受けしています。
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