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住宅ローン控除の年末調整(2年目以降)|控除証明書が届く時期と勤務先に出す書類

作成者: Admin|10/12/26, 11:18 AM
2026年10月12日公開
この記事でわかること
  • 住宅ローン控除は、1年目だけ確定申告が必要で、会社員なら2年目以降は勤務先の年末調整で受けられます。2025年に入居して2026年の2〜3月に確定申告をした人は、2026年11〜12月の年末調整が最初の手続きです(国税庁 タックスアンサー No.1230、令和8年4月1日現在法令等)。
  • 勤務先に出す書類は、借入先の金融機関が「調書方式」か「証明書方式」かで変わります。調書方式なら税務署から届く控除証明書(申告書と一体)だけで、金融機関の年末残高等証明書は添付不要です。証明書方式では、両方を出します(国税庁「年末調整で住宅借入金等特別控除を受ける方へ」)。
  • 調書方式の控除証明書は、電子交付なら毎年11月中旬ごろ、書面なら入居2年目の11月下旬ごろに届きます。金融機関は10月末日までに年末残高調書を税務署へ出し、それをもとに税務署が証明書を作ります(国税庁、2026年9月)。
  • 書面で受け取った人は、年末残高と控除見込額が印字されるのは2年目の分だけです。3年目以降は、返済計画表などから年末残高を確かめて自分で控除額を書きます(国税庁 No.1230)。
  • 所得税から引ききれなかった分は、翌年度の住民税から差し引かれ、市区町村への申告は要りません。上限は前年分の所得税の課税総所得金額等の5%で、最高97,500円です(総務省)。借入4,000万円・ZEH水準省エネ住宅の試算では、13年間の控除は合計約310万円になります(当社計算)。

1. 住宅ローン控除の年末調整とは

住宅ローン控除の年末調整とは、2年目以降の住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)を、確定申告をせずに勤務先の年末調整で受ける手続きのことです。住宅ローン控除は、年末の住宅ローン残高の0.7%を最長13年間、所得税から差し引く制度です。最初の年分は確定申告をする必要があり、給与所得者は2年目以後の年分を年末調整で受けられます(国税庁 タックスアンサー No.1230)。

1年目の確定申告で控除証明書の交付を希望しておくと、2年目以降は税務署から控除証明書が届きます。それに必要事項を書いて勤務先に出せば、12月か翌年1月の給与で所得税が精算されます。

1年目と2年目以降の手続きの違い
項目 1年目(入居した年の分) 2年目以降
手続き 確定申告(入居した年の翌年2〜3月) 勤務先の年末調整(11〜12月)
提出先 税務署 勤務先
主な書類 確定申告書、計算明細書、登記事項証明書、売買契約書や工事請負契約書の写しなど 給与所得者の住宅借入金等特別控除申告書(控除証明書と一体)、証明書方式なら年末残高等証明書
2年目以降の準備 控除証明書の交付方法(電子か書面か)を選ぶ 届いた控除証明書を確かめて記入する

出典:国税庁 タックスアンサー No.1230「調書方式による住宅借入金等特別控除」、No.1211-1(令和8年4月1日現在法令等)

年末調整で受けられるのは、勤務先で年末調整を受ける給与所得者だけです。その年に支払いが確定した給与の総額が2,000万円を超える人は年末調整の対象にならないため(国税庁 No.2665)、2年目以降も確定申告で控除を受けます。個人事業主も同じく確定申告です。

2. 調書方式と証明書方式|出す書類の違い

調書方式とは、金融機関が税務署に「住宅取得資金に係る借入金等の年末残高等調書」を出し、税務署から納税者に年末残高の情報が届く方式のことです。令和4年度の税制改正で導入されました。証明書方式とは、納税者が金融機関から年末残高等証明書を受け取り、勤務先に提出する従来の方式のことです。どちらになるかは、借入先の金融機関が調書方式に対応しているかと、1年目に金融機関へ「住宅ローン控除の適用申請書」(マイナンバー等を記載)を出したかで決まります。

2つの方式の違い(2年目以降の年末調整)
項目 調書方式 証明書方式
年末残高の流れ 金融機関 → 税務署 → 本人 金融機関 → 本人
金融機関への手続き 「住宅ローン控除の適用申請書」を提出(様式は金融機関ごと) なし
勤務先に出す書類 控除申告書(控除証明書と一体)だけ 控除申告書(控除証明書と一体)と年末残高等証明書
年末残高・控除見込額の記載 原則として記載済み(書面交付は2年目の分のみ) 本人が証明書を見て記入
控除申告書の備考欄 「調書方式に対応する金融機関からの借入れ」などと本人が書く 記載不要

出典:国税庁 タックスアンサー No.1230、国税庁「『調書方式』による住宅借入金等特別控除の適用について」(2025年9月)、国税庁「年末調整で住宅借入金等特別控除を受ける方へ(令和6年居住者用)」

自分がどちらの方式かは、国税庁の「調書方式に対応した金融機関の一覧」で借入先を探すか、金融機関に適用申請書を出したかどうかで確かめます。調書方式に対応していない金融機関からの借入れは、従来どおり年末残高等証明書が書面で届きます。借入先が2つ以上ある人は、すべての年末残高等証明書が必要です。

3. 書類が届く時期|10月末から11月下旬

控除証明書の交付時期とは、税務署が2年目以降の控除証明書を本人に届ける時期のことで、受け取り方(電子か書面か)によって変わります。調書方式の場合、金融機関は10月末日までに年末残高調書を税務署へ提出し、税務署はそれをもとに年末残高を記録した控除証明書を交付します。

2年目以降の書類が届く時期
時期 起きること 対象
10月末日まで 金融機関が税務署に年末残高調書を提出する 調書方式
10月末まで(目安) 電子交付を受けたい年分について、e-Tax上で電子交付への一括同意を済ませておく 調書方式・電子交付を希望する人
毎年11月中旬ごろ 控除証明書がe-Taxのメッセージボックスに届く 調書方式・電子交付
入居2年目の11月下旬ごろ 2年目以降の全期間分の控除証明書がまとめて郵送される 調書方式・書面交付
各年の11月下旬ごろ 金融機関から年末残高等証明書が届く 証明書方式
毎年10月ごろから11月 その年分の控除証明書がe-Taxで順次送信される 証明書方式・電子交付(2019年以降の入居でe-Taxで申告した人)

出典:国税庁「『調書方式』に対応した金融機関から借入れをされた方へ 年末調整のための住宅ローン控除証明書の交付時期について」(2026年9月)、国税庁 タックスアンサー No.1230、国税庁「年末調整で住宅借入金等特別控除を受ける方へ(令和6年居住者用)」、e-Tax「e-Taxによる住宅借入金等特別控除証明書の送付について」。時期は初年分の確定申告書の提出日などによって前後する。

書類が届くのは11月中旬から下旬で、勤務先の年末調整の締切と近い時期です。勤務先が早めに書類を集める場合は、届いた日に記入して出せるよう、10月のうちに借入先の方式と返済計画表を確かめておきます。年末調整に間に合わなかった年分は、翌年の確定申告で控除を受けられます。その場合は控除証明書のデータ(または書面)を確定申告書に添付します(国税庁 No.1230)。

電子交付を選んだのに勤務先が電子データの受付に対応していない場合は、e-Taxの「QRコード付証明書等作成システム」で控除証明書を書面に出力して提出します。

4. 控除額の書き方と13年間の推移

控除額とは、その年の年末残高と借入限度額のうち小さい方に0.7%を掛けた金額のことです。給与所得者の住宅借入金等特別控除申告書には、年末残高を書き、控除証明書に書かれた条件で控除額を計算します。調書方式なら原則として年末残高と控除見込額が記載されていますが、次の場合は自分で確かめる必要があります。

  • 書面交付の3年目以降:年末残高が記載されるのは2年目の分だけなので、返済計画表などをもとに控除額を計算します(国税庁 No.1230)。
  • 借換えをした・借入先が2つ以上ある・重複適用を受ける:控除証明書の記載が実際と異なる、または記載されない場合があります(国税庁、2026年9月)。
  • 夫婦で連帯債務にしている:年末残高のうち自分の負担部分を計算する付表を使います(国税庁 No.1211-1)。

控除額は、年末残高が限度額を上回っている間は一定で、残高が限度額を下回ってから減っていきます。借入額別に、13年間の控除額を当社で計算しました。

図1:住宅ローン控除の各年の控除額(ZEH水準省エネ住宅・一般の世帯の試算)
単位:万円。横軸は入居からの年数。実線=借入4,000万円、点線=借入3,000万円。借入限度額3,500万円、金利3.83%・35年・元利均等。縦軸は15万円から
25 22.5 20 17.5 15 24.5 4,000万円 21.6 20.7 3,000万円 16.2 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13

出典:国土交通省「住宅ローン減税」の借入限度額と住宅金融支援機構「新機構団信付きの【フラット35】等の借入金利水準(2026年10月)」をもとに当社計算

借入額 1年目の控除額 13年目の控除額 13年間の合計
4,000万円(限度額3,500万円を上回る) 約24.5万円 約21.6万円 約310万円
3,000万円(限度額の範囲内) 約20.7万円 約16.2万円 約242万円

出典:当社計算。各年の年末残高は1年目の年末に12回返済した後の残高から計算。所得税・住民税の額による頭打ちは考慮していない。借入限度額は入居年と住宅の性能で変わる(2026〜2030年入居の新築ZEH水準省エネ住宅・一般の世帯は3,500万円)。

借入4,000万円の例では、8年目に年末残高が限度額の3,500万円を下回り、そこから控除額が減り始めます。金利が低い変動金利の住宅ローンでは元金の減りが早いため、同じ借入額でも控除額は早く減ります。入居年ごとの限度額は「住宅ローン減税が5年延長!今回の主役は「中古住宅」」で解説しています。

5. 引ききれない分は住民税から

住民税の住宅ローン控除とは、所得税から引ききれなかった住宅ローン控除の額を、翌年度の個人住民税から差し引く仕組みのことです。控除できる額には上限があり、前年分の所得税の課税総所得金額等の5%で、97,500円が限度です(総務省)。

住民税から差し引かれる額の上限
入居した時期 上限
2014年(平成26年)から2021年(令和3年)12月31日まで、かつ特定取得・特別特定取得の場合 前年分の所得税の課税総所得金額等の7%(136,500円が限度)
上記以外(2022年以降の入居を含む) 前年分の所得税の課税総所得金額等の5%(97,500円が限度)

出典:総務省「所得税から住宅ローン控除額を引ききれなかった方」(2026年10月9日確認)。特定取得は、住宅の対価に含まれる消費税が8%または10%の場合をいう。

住民税の分は、市区町村への申告をしなくても自動で差し引かれます。年末調整の内容は勤務先から市区町村に送られる給与支払報告書に載り、市区町村がそれをもとに翌年度の住民税を計算します(総務省)。翌年6月ごろに勤務先から配られる住民税の決定通知書で、差し引かれた額を確かめられます。

所得税が少ない人ほど、控除の一部が住民税に回ったり、使いきれずに残ったりします。産休・育休などで所得税がほとんどない年は、その年の控除も小さくなります。夫婦で借りる場合の考え方は、借入の形によって控除を受けられる人が変わるため、契約前に整理しておきます。

6. 年末調整で受けられないとき・出し忘れたとき

2年目以降でも、年によっては年末調整で控除を受けられない、または控除そのものを受けられないことがあります。主な場合を並べました。

状況 扱い
合計所得金額の見積額が2,000万円を超える年 その年分は控除を受けられない(床面積40㎡以上50㎡未満の住宅は1,000万円超の年)
給与の総額が2,000万円を超える年 年末調整の対象外。確定申告で控除を受ける
年の途中で退職し、年末に勤務先がない 年末調整を受けられないため、確定申告で控除を受ける
家に住まなくなった 住まなくなった年以後は控除を受けられない(転勤などで再び住む場合は、住まなくなる日までの手続きで再適用できることがある)
控除証明書をなくした 税務署に「年末調整のための(特定増改築等)住宅借入金等特別控除関係書類の交付申請書」を出して再交付を受ける
年末調整に出し忘れた 翌年の確定申告、または翌年1月1日から5年間の還付申告で控除を受ける

出典:国税庁「年末調整で住宅借入金等特別控除を受ける方へ(令和6年居住者用)」、タックスアンサー No.2665「年末調整の対象となる人」、No.2030「還付申告」、「A1-39 年末調整のための(特定増改築等)住宅借入金等特別控除関係書類の交付申請手続」(いずれも2026年10月9日確認)

控除を受けていた年に、別の住宅を売って3,000万円の特別控除などの譲渡の特例を使うと、控除を受けられなくなる場合があります。国税庁は、入居の翌年以後3年以内に対象家屋以外の資産を譲渡して居住用財産の譲渡所得の特例を受ける場合、軽減された税額を修正申告で納める必要があると案内しています。住み替えを考えるときは、売却の前に税務署か税理士に確かめます。

7. 10月から12月の手順

2年目以降の年末調整を、時期の順に並べました。

  1. 手順1(10月):借入先が調書方式に対応しているか、1年目に適用申請書を出したかを確かめる。電子交付を希望する場合は、e-Tax上の一括同意を10月末までに済ませる。
  2. 手順2(11月中旬〜下旬):控除証明書(調書方式・証明書方式)と、証明書方式なら年末残高等証明書が届いたかを確かめる。書面交付で2年目にまとめて届いた控除証明書は、翌年以降の分も捨てずに保管する。
  3. 手順3:給与所得者の住宅借入金等特別控除申告書に年末残高と控除額を書く。調書方式は記載済みの数字を返済計画表と照らし合わせ、備考欄に調書方式の借入れである旨を書く。
  4. 手順4:勤務先の締切までに申告書(証明書方式なら年末残高等証明書も)を提出する。電子交付で書面が必要なら、QRコード付証明書等作成システムで出力する。
  5. 手順5(12月〜翌年1月):給与明細と源泉徴収票の「住宅借入金等特別控除の額」を確かめる。間に合わなかった場合は、翌年の確定申告で控除を受ける。

8. まとめ

  • 住宅ローン控除は1年目だけ確定申告が必要で、会社員は2年目以降を勤務先の年末調整で受けられます。
  • 調書方式なら控除証明書(申告書と一体)だけ、証明書方式なら金融機関の年末残高等証明書も合わせて出します。
  • 調書方式の控除証明書は、電子なら毎年11月中旬ごろ、書面なら入居2年目の11月下旬ごろにまとめて届きます。書面の3年目以降は年末残高を自分で確かめます。
  • 控除額は「年末残高と限度額の小さい方×0.7%」です。所得税で引ききれない分は、翌年度の住民税から最高97,500円まで差し引かれます。
  • 年末調整に間に合わなくても、確定申告や5年以内の還付申告で控除を受けられます。

9. 住宅ローン控除の年末調整のよくある質問

Q2年目も確定申告をしないといけませんか?

A会社員などの給与所得者は、2年目以降は勤務先の年末調整で控除を受けられるので、確定申告は要りません(国税庁 No.1230)。ただし、給与の総額が2,000万円を超える年や、年の途中で退職して年末に勤務先がない年は年末調整を受けられないため、確定申告で控除を受けます。

Q年末残高等証明書が届きません。

A借入先が調書方式に対応していて、1年目に「住宅ローン控除の適用申請書」を出していれば、年末残高等証明書は発行されず、勤務先への添付も要りません(国税庁)。代わりに、税務署から届く控除証明書に年末残高が記載されます。証明書方式の場合は、各年の11月下旬ごろに金融機関から届くので、届かなければ金融機関に問い合わせます。

Q控除証明書はいつ届きますか?

A調書方式で電子交付を選んだ人は毎年11月中旬ごろにe-Taxのメッセージボックスへ、書面交付を選んだ人は入居2年目の11月下旬ごろに2年目以降の全期間分がまとめて郵送されます(国税庁、2026年9月)。時期は初年分の確定申告書の提出日などによって前後します。

Q控除証明書をなくしたらどうすればよいですか?

A税務署に「年末調整のための(特定増改築等)住宅借入金等特別控除関係書類の交付申請書」を、e-Taxか書面で出すと再交付を受けられます(国税庁 A1-39)。電子交付を受けている人は、e-Taxのメッセージボックスから改めて取り出せます。

Q年末調整に出し忘れた年の控除は、あとから受けられますか?

A受けられます。翌年の確定申告で控除証明書を添付して申告するか、還付申告として、その年の翌年1月1日から5年間に提出できます(国税庁 No.2030)。

Q住民税の控除の手続きは必要ですか?

A市区町村への申告は要りません。年末調整の内容が勤務先から市区町村に伝わり、所得税から引ききれなかった分が翌年度の住民税から差し引かれます。上限は前年分の所得税の課税総所得金額等の5%で、97,500円までです(総務省)。

住宅ローン控除は13年間続く制度で、受け取れる額は借入額、住宅の性能、入居の年によって数十万円単位で変わります。家を選ぶ段階で、控除の限度額と毎年の手続きを含めて資金計画を立てておくと、入居後に慌てずに済みます。

自由住宅では、東京23区・首都圏で新築一戸建てと注文住宅を手がける立場から、住宅ローン控除を含めた資金計画のご相談をお受けしています。

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