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首都圏の不動産市況レポート 2026年8月分|新築戸建・中古戸建・新築マンション・中古マンションの価格と、売り希望価格と成約価格の差

作成者: Admin|10/12/26, 11:42 AM
2026年10月12日公開
この記事でわかること
  • 2026年8月の首都圏は、売り希望価格が上がり続ける一方で、中古マンションの成約価格は下がりました。中古マンションの成約価格は5,129万円(前年同月比▲2.8%・4か月連続下落)、新規登録価格は6,751万円(+21.5%)です(東日本レインズ)。成約価格は新規登録価格の76.0%にとどまります(当社計算)。
  • 中古戸建の成約価格は3,960万円(+1.7%・8か月連続上昇)、新規登録価格は4,908万円(+9.9%)です(東日本レインズ)。成約件数は1,641件(+1.9%)で、在庫は7か月連続で減っています。
  • 新築戸建の平均価格(売り希望価格)は5,210万円(前月比+0.5%・前年同月比+8.0%)で、東京23区は9,278万円(+22.0%)と12か月連続で最高額を更新しました(アットホーム)。
  • 新築分譲マンションは発売1,140戸(▲12.4%)、平均価格9,770万円(▲5.4%)、初月契約率61.1%で、在庫は6,610戸と3か月連続で増えました(不動産経済研究所)。
  • 4つの統計はすべて2026年8月分です。東日本レインズの9月分は、本記事の作成時点(2026年10月11日)では公表されていません。公表日は、レインズ2026年9月10日、アットホーム2026年9月29日、不動産経済研究所2026年9月17日です。

1. この記事の読み方|統計ごとの対象月と「売り希望価格」「成約価格」の違い

不動産市況レポートとは、公的機関や調査会社が毎月公表する価格・件数の統計を、同じ月でそろえて読む記事のことです。首都圏(東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県)の新築戸建・中古戸建・新築分譲マンション・中古マンションの4つの市場を扱います。将来の価格は予測せず、公表された数字だけを扱います。

先に、統計ごとの対象月と公表日を示します。公表の周期が違うため、通常はレインズだけが1か月新しくなりますが、今回はレインズの9月分が2026年10月11日時点で未公表のため、4つの統計をすべて2026年8月分でそろえています。

本記事で使う統計の対象月・公表日・価格の種類
市場 統計の名称(公表元) 対象月 公表日 価格の種類
中古マンション・中古戸建 月例速報 Market Watch(東日本不動産流通機構=東日本レインズ) 2026年8月 2026年9月10日 成約価格(実際に売れた価格)と、新規登録価格・在庫価格(売り出しの価格)
中古マンション 首都圏における「中古マンション」の価格動向(アットホーム) 2026年8月 2026年9月29日 登録価格=売り希望価格(消費者向けサイトに公開された価格)
新築戸建 首都圏における「新築戸建」の価格動向(アットホーム) 2026年8月 2026年9月29日 登録価格=売り希望価格
新築分譲マンション 首都圏 新築分譲マンション市場動向(不動産経済研究所) 2026年8月 2026年9月17日 発売価格(売主が売り出した価格)と初月契約率

売り希望価格とは、売主が「この価格で売りたい」と広告や不動産会社間のネットワークに出した価格のことです。成約価格とは、買主と売主が実際に合意して契約した価格のことです。同じ2026年8月でも、アットホームの登録価格は消費者向けサイトに公開された物件の売り希望価格、レインズの新規登録価格は不動産会社間のネットワークに登録された売り希望価格、レインズの成約価格は実際の取引価格で、対象となる物件の集団が違います。したがって、たとえば「アットホームの中古マンション6,016万円」と「レインズの成約5,129万円」の差は、同じ物件が値引きされた幅ではありません。売りに出ている物件の構成と、実際に売れた物件の構成の違いを含んだ差として読みます。

新築戸建は「成約価格」の統計がありません
東日本レインズの月例速報 Market Watch が扱うのは中古マンション・中古戸建住宅(と土地)で、新築戸建の成約価格の統計はありません。本記事ではアットホームの登録価格(売り希望価格)で動きを見ます。中古戸建の成約価格(レインズ)と比べるときは、新築と中古という別の市場であることに注意してください。

2. 中古マンション|成約5,129万円、登録6,751万円

中古マンションの成約価格とは、東日本レインズに登録された中古マンションのうち、その月に成約報告があった物件の平均価格のことです。2026年8月の首都圏は、成約件数3,180件(前年同月比▲10.5%・5か月連続減)、成約価格5,129万円(▲2.8%・4か月連続下落、前月比▲2.6%)、成約㎡単価81.60万円(▲3.8%・4か月連続下落)でした。レインズは、成約㎡単価が1990年10月(83.50万円)の水準を下回ったと記しています。

図1:首都圏の中古マンション 成約価格の推移(2025年8月〜2026年8月)
月別の平均/単位:万円
4,800 5,000 5,200 5,400 5,600 5,279 5,521 5,067 5,129 25/8 9 10 11 12 26/1 2 3 4 5 6 7 8

出典:東日本不動産流通機構「月例速報 Market Watch サマリーレポート 2026年8月度」。横軸は「年/月」で、25/8は2025年8月、26/1は2026年1月。

一方で、売り出しの価格は上がり続けています。新規登録価格は6,751万円(+21.5%、前月比▲1.2%)、在庫価格は6,939万円(+29.0%、前月比+1.1%)、在庫件数は48,235件(+8.2%・6か月連続増)です。成約が減って在庫が積み上がり、売り希望価格と成約価格の差が広がっています。

図2:首都圏の中古マンション 価格の種類による違い(2026年8月)
単位:万円
6,939万円
 
6,751万円
 
5,129万円
 
在庫価格(売り出し中の平均)
新規登録価格(8月に売り出された平均)
成約価格(8月に売れた平均)

出典:東日本不動産流通機構「月例速報 Market Watch 2026年8月度」。棒の長さは最も大きい値を100として表しています。成約価格は新規登録価格の76.0%、在庫価格の73.9%(当社計算)。

エリア別では、東京都区部の成約件数が1,265件(▲20.6%・8か月連続減)と大きく減り、成約㎡単価は132.69万円(▲0.3%)で、レインズによれば2020年4月以来76か月ぶりの下落です。埼玉県(412件・+5.4%)と千葉県(398件・+0.3%)は件数が増えました。

中古マンションのエリア別成約状況(2026年8月・東日本レインズ)
エリア 成約件数(件) 前年同月比(%) 成約㎡単価(万円/㎡) 前年同月比(%) 成約価格(万円) 前年同月比(%) 専有面積(㎡)
東京都区部 1,265 ▲20.6 132.69 ▲0.3 7,526 ▲0.2 55.86
東京都多摩 297 ▲9.5 59.90 +9.1 3,844 +8.8 64.17
横浜・川崎市 581 ▲2.2 65.95 ▲0.5 4,345 ▲0.3 65.86
神奈川県他 227 ▲9.2 45.07 +9.0 2,979 +4.3 66.15
埼玉県 412 +5.4 44.35 +2.0 3,041 +4.0 68.57
千葉県 398 +0.3 41.68 +5.1 2,998 +4.6 71.94
首都圏 3,180 ▲10.5 81.60 ▲3.8 5,129 ▲2.8 62.85

出典:東日本不動産流通機構「月例速報 Market Watch サマリーレポート 2026年8月度」(2026年9月10日公表)。▲はマイナス。

消費者向けサイトの売り希望価格を見るアットホームの調査では、首都圏の中古マンションの1戸あたり平均登録価格は6,016万円で、初めて6,000万円台になりました。前月比・前年同月比ともに25か月連続の上昇です。東京23区は8,950万円(前月比+0.7%・前年同月比+21.8%)、さいたま市は4,028万円(+2.7%・+18.3%)で初の4,000万円台です。

中古マンションのエリア別の登録価格(売り希望価格・2026年8月・アットホーム)
エリア 平均登録価格(万円) 前月比(%) 前年同月比(%)
東京23区 8,950 +0.7 +21.8
東京都下 3,819 +1.2 +13.2
横浜市・川崎市 4,173 +2.1 +15.3
神奈川県他 2,917 +1.2 +6.9
さいたま市 4,028 +2.7 +18.3
埼玉県他 2,656 ▲0.3 +4.7
千葉県西部 3,137 +0.6 +8.9
千葉県他 2,233 +0.4 +4.2

出典:アットホーム「2026年8月 首都圏における『中古マンション』の価格動向」(2026年9月29日公表)。千葉県西部は柏市・松戸市・流山市・我孫子市・市川市・浦安市・習志野市・船橋市。首都圏全体は6,016万円。

3. 中古戸建|成約3,960万円、8か月連続の上昇

中古戸建の成約価格とは、東日本レインズに登録された中古戸建住宅のうち、その月に成約報告があった物件の平均価格のことです。2026年8月の首都圏は、成約件数1,641件(前年同月比+1.9%・2か月ぶり増)、成約価格3,960万円(+1.7%・8か月連続上昇、前月比+0.7%)、成約土地面積151.08㎡(+3.2%)、成約建物面積102.88㎡(▲0.6%・4か月連続縮小)、築年数25.31年でした。中古マンションとは逆に、件数が増え、価格も上がっています。

図3:首都圏の中古戸建 成約価格の推移(2025年8月〜2026年8月)
月別の平均/単位:万円
3,600 3,800 4,000 4,200 4,400 3,894 3,801 4,215 3,960 25/8 9 10 11 12 26/1 2 3 4 5 6 7 8

出典:東日本不動産流通機構「月例速報 Market Watch サマリーレポート 2026年8月度」。横軸は「年/月」で、25/8は2025年8月、26/1は2026年1月。

売り出しの価格は、新規登録価格4,908万円(+9.9%・13か月連続上昇、前月比+1.3%)、在庫価格4,799万円(+8.3%・18か月連続上昇)です。在庫件数は23,277件(▲1.2%)で7か月連続の減少。成約価格は新規登録価格の80.7%、在庫価格の82.5%にあたります(当社計算)。中古マンションの76.0%より差が小さく、売り希望と成約の距離は戸建の方が近い状態です。

中古戸建のエリア別成約状況(2026年8月・東日本レインズ)
エリア 成約件数(件) 前年同月比(%) 成約価格(万円) 前年同月比(%) 土地面積(㎡) 建物面積(㎡)
東京都区部 271 ▲0.7 7,815 +4.4 89.31 97.13
東京都多摩 220 +10.6 3,775 +5.0 137.49 100.03
横浜・川崎市 234 +0.9 4,347 ▲2.8 133.58 101.55
神奈川県他 198 ▲2.9 3,385 +6.9 198.14 106.38
埼玉県 387 +2.1 2,578 ▲2.4 155.35 103.22
千葉県 331 +2.2 2,613 +2.2 189.89 107.93
首都圏 1,641 +1.9 3,960 +1.7 151.08 102.88

出典:東日本不動産流通機構「月例速報 Market Watch サマリーレポート 2026年8月度」。東京都区部の成約土地面積89.31㎡は首都圏平均の約6割で、23区の戸建が小さい敷地で取引されていることを示します。

東京都区部は成約価格7,815万円(+4.4%・5か月連続上昇)で、土地面積は89.31㎡。中古戸建でも23区は「小さい土地に建つ家を高く買う」構図です。築年帯ごとの成約価格と住宅ローン減税の境目は「中古住宅の築年数と価格」で解説しています。

4. 新築戸建|売り希望価格5,210万円、23区は9,278万円

新築戸建の平均価格とは、アットホームの不動産情報サイトで消費者向けに公開された新築戸建(所有権のみ・重複物件はユニーク化)の、1戸あたりの平均登録価格=売り希望価格のことです。2026年8月の首都圏は5,210万円で、前月比+0.5%(6か月連続上昇)、前年同月比+8.0%(24か月連続上昇)でした。

図4:新築戸建の平均価格(中心4エリア・2026年8月・売り希望価格)
単位:万円
9,278
 
5,804
 
4,929
 
4,601
 
東京23区
横浜市・川崎市
さいたま市
千葉県西部

出典:アットホーム「2026年8月 首都圏における『新築戸建』の価格動向」(2026年9月29日公表)。アットホームの区分で「中心4エリア」にあたる4つを示し、周辺4エリア(東京都下・神奈川県他・埼玉県他・千葉県他)は下の表に載せています。棒の長さは最も大きい値を100として表しています。首都圏全体は5,210万円。

新築戸建のエリア別の登録価格(売り希望価格・2026年8月・アットホーム)
エリア 平均登録価格(万円) 前月比(%) 前年同月比(%) 備考
東京23区 9,278 +1.5 +22.0 2017年1月以降の最高額を12か月連続で更新
東京都下 5,443 ▲0.1 +9.3 19か月ぶりの前月比下落
横浜市・川崎市 5,804 +1.5 +6.5 最高額を6か月連続で更新
神奈川県他 4,593 ▲0.5 +5.7 6か月ぶりの前月比下落
さいたま市 4,929 ▲0.7 +9.7 6か月ぶりの前月比下落
埼玉県他 3,967 ▲0.5 +4.7 6か月ぶりの前月比下落
千葉県西部 4,601 ▲0.3 +2.1 2か月連続の前月比下落
千葉県他 3,549 +0.4 +3.3 最高額を4か月連続で更新
首都圏 5,210 +0.5 +8.0 前月比6か月連続・前年同月比24か月連続の上昇

出典:アットホーム「2026年8月 首都圏における『新築戸建』の価格動向」。最高額は2017年1月以降の比較。

東京23区の前年同月比+22.0%は、アットホームによれば過去最大だった7月の上昇幅をさらに上回りました。要因として、平均価格を下回る8,000万円台以下の物件の割合が前年同月より14.8ポイント減り、1億円以上の割合が12.5ポイント増えたことを挙げています。つまり23区では、安い物件が減って高い物件が増えたことで平均が押し上げられています。一方、8エリア中5エリアは前月比で下落しており、首都圏全体が一様に上がっているわけではありません。建売の供給の動きは「新築一戸建ての着工戸数(2026年8月分)」で、価格の内訳は「注文住宅を東京で建てたい人必見」で扱っています。

5. 新築分譲マンション|発売1,140戸、平均9,770万円

新築分譲マンションの市場動向とは、不動産経済研究所が毎月まとめる、首都圏で新たに発売された分譲マンションの戸数・価格・契約率の統計のことです。2026年8月は発売1,140戸(前年同月比▲12.4%、前月比▲46.9%)、初月契約率61.1%(▲4.0ポイント)、平均価格9,770万円(▲5.4%)、㎡単価144.4万円(▲9.1%)でした。平均価格は5か月ぶり、㎡単価は16か月ぶりの前年同月比の下落です。8月末の販売在庫は6,610戸で、前年8月末の5,715戸から増え、3か月連続の増加です。

図5:新築分譲マンションのエリア別平均価格(2026年8月)
単位:万円
13,820
 
7,309
 
6,840
 
6,702
 
6,678
 
東京23区
神奈川県
埼玉県
千葉県
東京都下

出典:不動産経済研究所「首都圏 新築分譲マンション市場動向 2026年8月」(2026年9月17日公表)。棒の長さは最も大きい値を100として表しています。首都圏全体は9,770万円。

新築分譲マンションのエリア別の発売戸数・契約率・価格(2026年8月・不動産経済研究所)
エリア 発売戸数(戸) 前年同月比(%) 初月契約率(%) 平均価格(万円) 前年同月比(%) ㎡単価(万円)
東京23区 478 ▲30.7 72.4 13,820 +0.1 212.2
東京都下 173 ▲1.7 15.0 6,678 +2.5 96.1
神奈川県 140 ▲37.8 69.3 7,309 +10.6 108.0
埼玉県 102 +17.2 53.9 6,840 +15.6 98.6
千葉県 247 +100.8 70.0 6,702 +9.1 94.8
首都圏 1,140 ▲12.4 61.1 9,770 ▲5.4 144.4

出典:不動産経済研究所「首都圏 新築分譲マンション市場動向 2026年8月」(2026年9月17日公表・2枚目の表と3枚目に修正が入った版)。初月契約率は発売した月のうちに契約された戸数の割合で、70%が好不調の目安として使われます。

首都圏全体の平均価格が下がったのは、価格の高い東京23区の発売戸数が478戸(▲30.7%)に減り、千葉県(247戸・+100.8%)など価格の低いエリアの割合が増えた影響が大きいと読めます。23区だけを見ると平均13,820万円(+0.1%)で、前年並みです。都心6区(千代田・中央・港・新宿・文京・渋谷)は217戸・平均1億8,113万円でした。1戸あたりの平均専有面積は67.67㎡です。

6. 4つの市場をまとめて見る|売り希望価格と成約価格の差

4つの市場を同じ月で並べると、「売り出しの価格は上がり続け、実際に売れる価格は市場によって向きが違う」ことが見えます。中古マンションは成約が下落、中古戸建は成約が上昇、新築戸建の売り希望は上昇、新築マンションは発売価格が下落(ただしエリア構成の影響)です。

首都圏4市場の2026年8月の指標
市場 価格の種類 価格(万円) 前年同月比(%) 件数・戸数 在庫の向き
中古マンション 成約価格(レインズ) 5,129 ▲2.8 成約3,180件(▲10.5%) 48,235件・6か月連続増
中古マンション 新規登録価格(レインズ) 6,751 +21.5 新規登録15,627件(+9.7%) —
中古マンション 登録価格(アットホーム) 6,016 上昇(25か月連続) — —
中古戸建 成約価格(レインズ) 3,960 +1.7 成約1,641件(+1.9%) 23,277件・7か月連続減
中古戸建 新規登録価格(レインズ) 4,908 +9.9 新規登録6,079件(+2.5%) —
新築戸建 登録価格(アットホーム) 5,210 +8.0 — —
新築分譲マンション 発売価格(不動産経済研究所) 9,770 ▲5.4 発売1,140戸(▲12.4%) 6,610戸・3か月連続増

出典:東日本不動産流通機構、アットホーム、不動産経済研究所の各2026年8月分。アットホームの中古マンションの首都圏全体は、公表文に前月比・前年同月比の数値がないため「上昇」とだけ記載しています。

売り希望価格に対する成約価格の割合(2026年8月・当社計算)
市場 比べた価格 割合(%) 読み方
中古マンション 成約5,129万円 ÷ 新規登録6,751万円 76.0 8月に売り出された物件の平均より、売れた物件の平均が約24%低い
中古マンション 成約5,129万円 ÷ 在庫6,939万円 73.9 売れ残っている物件ほど価格が高い
中古マンション 成約㎡単価81.60万円 ÷ 新規登録㎡単価116.81万円 69.9 面積の違いをならしても差は縮まらない
中古戸建 成約3,960万円 ÷ 新規登録4,908万円 80.7 戸建はマンションより売り希望と成約の距離が近い
中古戸建 成約3,960万円 ÷ 在庫4,799万円 82.5 在庫が減っており、価格差も比較的小さい

出典:東日本不動産流通機構「月例速報 Market Watch 2026年8月度」の値を当社で割り算したもの。成約と登録は対象の物件が同じではないため、「値引き率」ではありません。

この割合を「値引き幅」と読まない
売り出し中の物件と売れた物件は別の集団です。高い物件が売れ残れば在庫価格は上がり、安い物件から売れれば成約価格は下がります。割合が小さいことは「売り希望価格と、買主が払う価格の間に開きがある」ことを示す目安であり、個別の物件で24%引きになるという意味ではありません。

7. 買う人・売る人がこの数字をどう使うか

市況の数字の使い方とは、個別の物件の価格が市場の平均からどれだけ離れているかを測る物差しとして使うことです。将来の価格を当てるためではなく、今の価格交渉と資金計画の根拠にします。

2026年8月分の数字から確かめること
立場 確かめること 使う数字
中古マンションを買う人 売り出し価格が成約の水準からどれだけ離れているか。在庫が増えているエリアでは、価格の交渉余地と売れ残りの理由の両方を確かめる 成約㎡単価81.60万円(首都圏)、エリア別の成約㎡単価、在庫48,235件
中古戸建を買う人 成約価格が8か月連続で上がり、在庫が減っている。希望エリアの土地面積と建物面積の平均と比べ、割高か割安かを見る 成約価格3,960万円、エリア別の土地面積・建物面積
新築戸建を買う人 23区は平均が1億円に近づき、安い物件の割合が減っている。23区以外の8エリアのうち5エリアは前月比で下落しており、エリアをまたいで比べる エリア別の登録価格、前月比の向き
新築マンションを買う人 初月契約率が61.1%と70%を下回り、在庫が3か月連続で増えている。完成在庫の物件は値引きや条件の相談の余地を確かめる 初月契約率、販売在庫6,610戸
売る人 売り希望価格を高く出すと成約までの時間が延びる。レインズの成約㎡単価にエリアの実勢を合わせ、査定の根拠を聞く 新規登録価格と成約価格の割合(76.0%・80.7%)

住宅ローンの金利も、価格と同じくらい月々の負担を左右します。2026年10月のフラット35の金利と返済額の変化は「フラット35の金利は年3.83%(2026年10月)」、変動金利の仕組みは「日銀の利上げで変動金利の住宅ローンはどうなる」で解説しています。

8. まとめ

2026年8月の首都圏は、売り希望価格が上がり続ける一方、中古マンションの成約価格は4か月連続で下がり、中古戸建の成約価格は8か月連続で上がりました。押さえる点は次の5つです。

  • 中古マンション:成約5,129万円(▲2.8%)に対し新規登録6,751万円(+21.5%)。成約は登録の76.0%(当社計算)。在庫は6か月連続増
  • 中古戸建:成約3,960万円(+1.7%)、新規登録4,908万円(+9.9%)。成約は登録の80.7%。在庫は7か月連続減
  • 新築戸建:売り希望価格5,210万円(+8.0%)。23区9,278万円は1億円以上の割合が増えた影響。8エリア中5エリアは前月比で下落
  • 新築分譲マンション:発売1,140戸(▲12.4%)、平均9,770万円(▲5.4%)、初月契約率61.1%、在庫6,610戸(3か月連続増)
  • 4統計はすべて2026年8月分。レインズの9月分は2026年10月11日時点で未公表

9. 首都圏の不動産市況のよくある質問

Q売り希望価格と成約価格は何が違いますか?

A売り希望価格は売主が売り出した価格、成約価格は買主と売主が実際に契約した価格です。アットホームの登録価格は消費者向けサイトに公開された売り希望価格、レインズの新規登録価格は不動産会社間のネットワークに登録された売り希望価格、レインズの成約価格は実際の取引価格で、対象となる物件の集団が違います。

Q中古マンションの成約価格が下がっているのに、売り出し価格が上がっているのはなぜですか?

A売り出し中の物件と売れた物件が別の集団だからです。2026年8月は在庫が48,235件(前年同月比+8.2%)と6か月連続で増え、在庫価格は6,939万円(+29.0%)でした。価格の高い物件が売れ残って在庫価格を押し上げ、売れたのは平均5,129万円の物件だった、という構図です。

Q首都圏の新築戸建の価格はいくらですか?

Aアットホームの調査では、2026年8月の首都圏の新築戸建の平均登録価格(売り希望価格)は5,210万円で、前年同月比+8.0%です。東京23区は9,278万円、横浜市・川崎市は5,804万円、東京都下は5,443万円、さいたま市は4,929万円、千葉県西部は4,601万円です。

Q新築マンションの初月契約率とは何ですか?

A発売した月のうちに契約された戸数の割合です。不動産経済研究所の統計では、2026年8月の首都圏は61.1%で、前年同月より4.0ポイント下がりました。70%が好不調の目安として使われます。

Q東日本レインズの9月分はいつ公表されますか?

A月例速報 Market Watch は通常、翌月10日前後に公表されます。8月分は2026年9月10日に公表されました。9月分は本記事の作成時点(2026年10月11日)では公表されておらず、公表され次第、次回の市況レポートで扱います。

Q東京23区の中古戸建はどれくらいの広さで取引されていますか?

A東日本レインズの2026年8月の成約データでは、東京都区部の中古戸建の成約土地面積は89.31㎡、建物面積は97.13㎡、成約価格は7,815万円です。首都圏平均(土地151.08㎡・建物102.88㎡・3,960万円)より土地が小さく、価格が高い構図です。

市況の数字は、個別の物件が割高か割安かを測る物差しです。希望エリアの最新の成約データと照らし合わせたい方は、公式LINEからお気軽にご相談ください。

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出典一覧

出典・参考資料