施工管理の業務とは?仕事内容・必要な資格・働き方|建設業の2024年問題と施工管理技士の受検資格の見直し
- 施工管理とは、工事を設計図書と契約どおりの品質・工期・費用で、安全に完成させるための管理業務です。建設業法第26条の4は、工事現場に置く主任技術者・監理技術者の職務を「施工計画の作成、工程管理、品質管理その他の技術上の管理」と「施工に従事する者の技術上の指導監督」と定めています。建築士が設計図書と工事を照合して確認する「工事監理」(建築士法第2条第8項)とは立場が異なります。
- 2024年4月から、建設業にも時間外労働の上限規制が適用されています。厚生労働省によると、上限は原則として月45時間・年360時間で、特別な事情がある場合も年720時間、休日労働を含めて単月100時間未満、2〜6か月平均80時間以内です。違反には6か月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金があります(労働基準法第119条)。
- 建設業の就業者は2025年平均で478万人と、ピークの1997年の685万人から約3割減りました。国土交通省の参考資料集(2026年4月3日)によると、55歳以上が36.6%、29歳以下が11.9%です。建設業の年間の出勤日数は全産業より10日多く、年間の総実労働時間は48時間長いとされています。
- 施工管理技術検定は2024年度から受検資格が変わり、1級の第一次検定は年度末時点で19歳以上なら学歴や実務経験を問わず受検できます。第一次検定に合格すると「技士補」、第二次検定にも合格すると「技士」の称号が与えられます(2021年4月施行)。第二次検定は、第一次検定の合格後の実務経験で受検でき、2028年度までは改正前の受検資格も選べます。
- 2025年の建設業の労働災害による死亡者は214人で、全産業700人の約3割を占め、業種別で最も多くなっています。厚生労働省の確定値(2026年5月公表)では、建設業の死亡者のうち「墜落・転落」が91人(約43%)でした。施工管理の安全管理は、法令だけでなく人の命に直結する業務です。
- 施工管理とは|現場監督・主任技術者・工事監理との違い
- 施工管理の5つの管理|工程・品質・原価・安全・環境
- 戸建住宅の工事で施工管理が確認すること|着工から引渡しまで
- 建設業の時間外労働の上限規制とは|いわゆる働き方改革の影響と休日の現状
- 建設業の人手不足|就業者数と年齢構成
- 施工管理技士の資格|技士補の新設と受検資格の見直し
- 主任技術者・監理技術者の配置と専任|専任が必要な工事の金額の見直し
- 改正建設業法で変わったこと|労務費・工期・技術者の兼務
- 安全管理と労働災害の現状|建設業の死亡災害の4割は墜落・転落
- 施工管理に求められるスキルと自由住宅グループの環境
- 施工管理のよくある質問
- まとめ|2026年9月時点で押さえる7点
- 出典一覧
1. 施工管理とは|現場監督・主任技術者・工事監理との違い
施工管理とは、建設工事を設計図書と請負契約の内容どおりに、決められた品質・工期・費用で、安全に完成させるために、施工会社の立場で工事全体を計画し、確認し、調整する業務をいいます。施工管理は業務の名前で、現場でその業務を担う人は、一般に「現場監督」「施工管理者」などと呼ばれます。
法令のうえでは、建設業法第26条が、建設業者は請け負った工事を施工するとき、工事現場における施工の技術上の管理をつかさどる主任技術者を置かなければならないと定めています。発注者から直接請け負った工事で下請契約の合計額が大きい場合は、主任技術者に代えて監理技術者を置きます(第7章)。第26条の4は、両者の職務を「施工計画の作成、工程管理、品質管理その他の技術上の管理」と「施工に従事する者の技術上の指導監督」と定め、現場で働く人はその指導に従わなければならないとしています。
よく混同されるのが工事監理です。建築士法第2条第8項は、工事監理を「その者の責任において、工事を設計図書と照合し、それが設計図書のとおりに実施されているかいないかを確認すること」と定めています。一定規模以上の建物では建築士でなければ工事監理ができません(建築士法第3条〜第3条の3)。施工管理が「つくる側」の管理であるのに対し、工事監理は「設計図書のとおりにつくられているか」を建築主の側から確かめる業務です。
| 比べる点 | 施工管理(現場監督) | 工事監理 |
|---|---|---|
| 立場 | 工事を請け負った施工会社 | 建築主から依頼を受けた建築士(工事監理者) |
| 目的 | 品質・工期・費用・安全を守って工事を完成させる | 工事が設計図書のとおりに行われているかを確認する |
| 主な業務 | 施工計画の作成、工程・品質・原価・安全・環境の管理、職人への指示と指導 | 設計図書と工事の照合、施工者への是正の求め、建築主への報告 |
| 根拠となる法令 | 建設業法第26条・第26条の4(主任技術者・監理技術者) | 建築士法第2条第8項・第18条、建築基準法第5条の6 |
| 必要な資格 | 主任技術者・監理技術者には施工管理技士などの資格または実務経験の要件がある。補助として働く人に資格は必須ではない | 一定規模以上は一級建築士・二級建築士・木造建築士 |
2. 施工管理の5つの管理|工程・品質・原価・安全・環境
施工管理の5つの管理とは、工程管理・品質管理・原価管理・安全管理・環境管理をいいます。建設業法が名前を挙げているのは工程管理と品質管理ですが、実務では工程・品質・原価・安全の4つに、近隣や周辺環境への配慮を扱う環境管理を加えた5つに分けて説明されることが多くなっています。
| 管理 | 目的 | 主な業務の例 | 関係する主な法令・制度 |
|---|---|---|---|
| 工程管理 | 契約で決めた工期までに工事を終える | 工程表の作成、職人・業者・資材の手配、天候や遅れに合わせた工程の組み直し | 建設業法第19条(工期・工事を施工しない日の契約書への記載)、第19条の5(著しく短い工期の禁止) |
| 品質管理 | 設計図書・仕様書どおりの品質を確保する | 工程ごとの検査、材料の確認、施工写真と記録の作成、是正の指示 | 建築基準法の中間検査・完了検査、品確法第94条(構造耐力上主要な部分と雨水の浸入を防止する部分の10年の担保責任) |
| 原価管理 | 請負代金の範囲で工事を行い、赤字を防ぐ | 実行予算の作成、材料費・労務費・外注費の管理、差異が出たときの対策 | 建設業法第20条(見積書の記載事項)、第19条の3(不当に低い請負代金の禁止) |
| 安全管理 | 作業員と近隣の人を事故から守る | 危険予知活動、安全朝礼、足場・開口部の墜落防止措置の確認、整理整頓 | 労働安全衛生法・労働安全衛生規則 |
| 環境管理 | 騒音・振動・粉じん・廃棄物などで周辺に迷惑をかけない | 近隣への工事の案内、作業時間の管理、廃材の分別と適正な処理、道路使用の許可 | 建設リサイクル法、廃棄物処理法、道路交通法第77条 |

施主が支払う金額は請負契約で決まり、工事中に施工会社の都合で増えることはありません。原価管理は、その請負代金の中で工事ができるよう、施工会社が自社の費用を管理する業務です。施主の要望で仕様を変える場合は、建設業法第19条第2項により、変更の内容と金額を書面(または承諾を得た電磁的方法)で取り交わします。
自由住宅では、施工管理による検査に加えて、品質管理部という別の部署によるチェックと、検査機関による検査を行う「トリプルチェック」の体制をとり、構造上主要な部分や雨水の入りやすい部分、完成後は見えなくなる部分を確認しています。
3. 戸建住宅の工事で施工管理が確認すること|着工から引渡しまで
住宅の工事の検査とは、施工会社の社内検査に加えて、建築基準法にもとづく行政や指定確認検査機関の検査と、住宅瑕疵担保責任保険の保険法人による現場検査などを組み合わせて、工事の品質を確かめる仕組みをいいます。施工管理は、これらの検査の日程を工程に組み込み、検査の前に自社で確認を済ませる役割を担います。
| 工程 | 施工管理が主に確認すること | 外部の検査の例 |
|---|---|---|
| 着工前 | 建築確認済証、近隣への案内、地盤調査の結果、工程表と職人・資材の手配、道路使用の許可 | 建築確認(建築基準法第6条) |
| 基礎工事 | 鉄筋の太さ・間隔・かぶり厚さ、アンカーボルトの位置、コンクリートの打設と養生 | 住宅瑕疵担保責任保険の現場検査(基礎配筋工事の完了時) |
| 上棟・躯体工事 | 柱・梁の接合金物、耐力壁の位置と釘の間隔、屋根の防水 | 同 現場検査(躯体工事の完了時または下地張りの直前の工事の完了時)、特定行政庁が指定する場合の中間検査 |
| 断熱・内装工事 | 断熱材の隙間、防湿層、配管・配線、外壁の防水と通気 | 社内検査、第三者検査(会社による) |
| 完成・引渡し | 設計図書との照合、仕上げと設備の動作、是正の完了、施主の立会い確認 | 完了検査(建築基準法第7条)と検査済証の交付 |
新築住宅を引き渡す施工会社・売主には、住宅瑕疵担保履行法により、住宅瑕疵担保責任保険への加入または保証金の供託が義務づけられています。保険法人の現場検査は保険の引受けのための検査で、工事全体の品質を保証するものではないため、日々の品質管理は施工管理の役割です。
4. 建設業の時間外労働の上限規制とは|いわゆる働き方改革の影響と休日の現状
建設業の2024年問題とは、働き方改革関連法による時間外労働の上限規制が、5年間の猶予期間を経て2024年4月1日から建設業にも適用されたことに伴う、工期・人手・費用への影響を指す言葉です。法令上の用語ではありません。
出典:厚生労働省「建設業『時間外労働の上限規制』のポイント」(2024年3月作成)・「建設業・ドライバー・医師等の時間外労働の上限規制」(2026年9月17日確認)。
| 項目 | 2024年3月まで(建設業は適用猶予) | 2024年4月から |
|---|---|---|
| 原則の上限 | 告示の限度基準(建設業は適用除外) | 月45時間・年360時間(労働基準法第36条第4項) |
| 特別条項を結んだ場合 | 法律上の上限なし | 年720時間以内、休日労働を含め単月100時間未満・2〜6か月平均80時間以内、月45時間超は年6か月まで |
| 災害時の復旧・復興の事業 | 同上 | 単月100時間未満・複数月平均80時間以内は適用しない(労働基準法第139条第1項)。年720時間・年6か月の制限は適用 |
| 違反した場合 | — | 6か月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金(労働基準法第119条) |
上限規制の背景には、建設業の長い労働時間があります。国土交通省の参考資料集(2026年4月3日)は、厚生労働省「毎月勤労統計調査」をもとに、建設業の年間の出勤日数は全産業と比べて10日多く、年間の総実労働時間は48時間長いとしています。同じ資料で紹介されている国土交通省の2024年度の調査では、技術者・技能者ともに「4週6休程度」が最も多く、4週8休(週休2日)以上は全体で約3割でした。公共工事が中心の会社では約5割が週休2日以上だったのに対し、民間工事が中心の会社では1〜2割程度にとどまっています。
施工管理の立場では、上限規制によって「残業で工期に間に合わせる」ことが難しくなりました。着工前の工程計画の精度、職人や資材の早めの手配、書類作業の効率化が、以前より重要になっています。家を建てる人にとっては、契約時に示される工期に、週休2日などの休日が織り込まれているかを確認することが、工期の見通しを持つことにつながります。建設業法第19条第1項第4号は、工事を施工しない日や時間帯を定めるときは、その内容を契約書に記載することを求めています。
5. 建設業の人手不足|就業者数と年齢構成
建設業就業者とは、総務省「労働力調査」で建設業に分類される事業所で働く人の総数をいい、施工管理などを担う技術者、現場で作業する技能者、事務職などを含みます。
出典:国土交通省「参考資料集」(2026年4月3日)。
| 区分 | 1997年(ピーク) | 2010年 | 2025年 |
|---|---|---|---|
| 建設業就業者 | 685万人 | 504万人 | 478万人 |
| うち技術者 | 41万人 | 31万人 | 41万人 |
| うち技能者 | 455万人 | 331万人 | 296万人 |
出典:国土交通省「参考資料集」(2026年4月3日)の「建設業就業者の高齢化の進行」のグラフに示された値。
技能者が減る一方で、技術者は2025年に41万人とピーク時と同じ水準です。現場で作業する人が減るなか、限られた人数で工事を進めるための工程・品質・安全の管理を担う施工管理の役割は大きくなっています。国土交通省は、若い世代が早く責任ある立場に就けるよう、次章の技術検定の見直しや、技術者の兼務の要件の見直し(第8章)を進めています。
6. 施工管理技士の資格|技士補の新設と受検資格の見直し
施工管理技士とは、建設業法第27条にもとづく国家試験「施工管理技術検定」の第一次検定と第二次検定に合格した人に与えられる称号です。建築・土木・電気工事・管工事・造園・建設機械・電気通信工事の7種目に1級と2級があり、主任技術者や監理技術者になるための資格として使われます。住宅の工事で関係が深いのは建築施工管理技士です。
2021年4月1日施行の改正で、それまでの学科試験・実地試験は第一次検定・第二次検定に再編され、第一次検定の合格者には「技士補」の称号が与えられるようになりました。1級の第一次検定に合格した技士補のうち主任技術者の資格を持つ人は、「監理技術者補佐」として現場に専任で配置でき、監理技術者が複数の現場を兼務することを支えられます。
さらに2024年度(令和6年度)の検定から、受検資格が大きく見直されました。
| 区分 | 改正前(主な受検資格) | 2024年度からの新しい受検資格 |
|---|---|---|
| 1級 第一次検定 | 学歴に応じた実務経験が必要(例:大学の指定学科卒業後3年、高校の指定学科以外の卒業後11.5年、学歴を問わない場合15年) | 受検する年度の末日時点で19歳以上 |
| 1級 第二次検定 | 第一次検定と同じ実務経験(指導監督的実務経験1年を含む) | 1級第一次検定の合格後に、実務経験5年以上、または特定実務経験1年以上を含む実務経験3年以上、または監理技術者補佐としての実務経験1年以上 |
| 2級 第一次検定 | 受検する年度の末日時点で17歳以上 | 変更なし(17歳以上) |
| 2級 第二次検定 | 学歴に応じた実務経験(例:大学の指定学科卒業後1年、学歴を問わない場合8年) | 2級第一次検定の合格後に実務経験3年以上(建設機械は2年以上)、または1級第一次検定の合格後に実務経験1年以上 |
| 経過措置 | — | 2024年度から2028年度(令和10年度)までは、第二次検定を改正前の受検資格で受けることもできる |
新しい受検資格では、実務経験として認められる工事は原則として検定種目に対応する業種の工事になり、実務経験の証明も原則として工事ごとに、所属する会社の代表者や、その工事の監理技術者などが行う形に変わりました。建築施工管理技術検定の試験機関は一般財団法人建設業振興基金です。2025年度(令和7年度)の検定から受検手数料も改定され、建築の1級・2級の第一次検定はそれぞれ12,300円・6,150円になっています(建設業法施行令第42条)。
7. 主任技術者・監理技術者の配置と専任|専任が必要な工事の金額の見直し
主任技術者とは、建設業者が請け負った工事を施工するとき、請負代金の大小や元請・下請を問わず、工事現場ごとに置かなければならない技術上の管理の責任者をいいます(建設業法第26条第1項)。監理技術者とは、発注者から直接請け負った工事で下請契約の請負代金の合計が一定額以上になる場合に、主任技術者に代えて置く技術者です(同条第2項)。
建設工事費の高騰を踏まえ、建設業法施行令の改正により、2025年2月1日から次の金額要件が引き上げられました。
| 金額要件 | 2025年1月まで | 2025年2月1日から |
|---|---|---|
| 監理技術者の配置・特定建設業許可が必要になる下請代金の合計額 | 4,500万円(建築一式工事は7,000万円)以上 | 5,000万円(建築一式工事は8,000万円)以上 |
| 施工体制台帳の作成が必要になる下請代金の合計額 | 4,500万円(建築一式工事は7,000万円)以上 | 5,000万円(建築一式工事は8,000万円)以上 |
| 主任技術者・監理技術者を工事現場ごとに専任で置く必要がある工事の請負代金額 | 4,000万円(建築一式工事は8,000万円)以上 | 4,500万円(建築一式工事は9,000万円)以上 |
| 特定専門工事の対象となる下請代金額の上限 | 4,000万円 | 4,500万円 |
専任の技術者が必要になるのは、請負代金額の要件に加えて、建設業法施行令第27条が定める「公共性のある施設若しくは工作物又は多数の者が利用する施設若しくは工作物に関する重要な建設工事」に当たる場合です。同条には学校・病院・事務所・共同住宅などが挙げられていますが、戸建ての個人住宅は挙げられていません。そのため、戸建住宅の現場監督は、主任技術者として配置されながら複数の現場を担当していることが一般的です。
8. 改正建設業法で変わったこと|労務費・工期・技術者の兼務
第三次・担い手3法とは、2024年に一体的に改正された公共工事品質確保法(品確法)、建設業法、公共工事入札契約適正化法(入契法)の3つの法律をいい、建設業の担い手の確保、生産性の向上、地域の対応力の強化を目的としています。建設業法・入契法の改正法(令和6年法律第49号)は2024年6月14日に公布され、3段階で施行されました。
| 施行日 | 主な内容 | 施工管理への影響 |
|---|---|---|
| 2024年9月1日 | 労働者の処遇改善の努力義務、中央建設業審議会による労務費の基準の作成・勧告 | 職人の賃金の原資となる労務費を見積りの段階から意識する必要がある |
| 2024年12月13日 | 資材価格の高騰などの「おそれ情報」を契約前に通知する義務、請負代金の変更方法を契約書の記載事項に追加、ICTの活用などを条件にした監理技術者等の専任の合理化(専任特例) | 資材価格の変動を工程・原価管理に反映しやすくなった。条件を満たせば専任を要する2つの現場を兼務できる |
| 2025年12月12日(完全施行) | 受注者が著しく低い労務費などで見積りや契約をすることの禁止、受注者による著しく短い工期での契約の禁止、見積書に記載すべき事項の明記、発注者に対する勧告・公表の権限の新設 | 見積りや工程表を、適正な労務費と無理のない工期にもとづいて作ることが法律で求められる |
専任特例のうち「専任特例1号」は、各工事の請負代金額が1億円未満(建築一式工事は2億円未満)で、現場間の移動時間がおおむね2時間以内(片道)、下請次数が3次以内、各現場に連絡員を置き、情報通信機器で現場の状況を確認できることなどを条件に、専任を要する2つの現場の兼務を認めるものです。「専任特例2号」は、1級技士補などの監理技術者補佐を各現場に専任で置くことで、監理技術者の兼務を認めるもので、金額の要件はありません。
9. 安全管理と労働災害の現状|建設業の死亡災害の4割は墜落・転落
安全管理とは、工事現場で働く人と周辺の人を労働災害や事故から守るため、危険の予測、設備や作業方法の確認、安全教育などを計画的に行う業務をいいます。「危険予測活動」や「5S運動(整理・整頓・清掃・清潔・しつけ)」は、その代表的な取り組みです。
出典:厚生労働省「令和7年の労働災害発生状況を公表」(2026年5月27日公表)・「令和7年における労働災害発生状況(確定値)」。
| 項目 | 2025年の値 | 補足 |
|---|---|---|
| 建設業の死亡者数 | 214人 | 前年比18人・7.8%減。業種別で最も多い |
| うち「墜落・転落」 | 91人 | 建設業の死亡者の約43% |
| 建設業の休業4日以上の死傷者数 | 13,437人 | 前年比412人・3.0%減 |
| 国の目標 | 2027年までに2022年比で建設業の死亡災害を15%以上減らす | 第14次労働災害防止計画(2023〜2027年度) |

戸建住宅の工事でも、足場や屋根の上、2階の床の開口部など、墜落・転落の危険がある場所は多くあります。施工管理は、足場の手すりや作業床、開口部の養生が整っているかを工程ごとに確認し、作業の前に危険な箇所と対策を職人と共有します。近隣の人や通行する人の安全への配慮も欠かせません。
10. 施工管理に求められるスキルと自由住宅グループの環境
施工管理に求められるスキルとは、設計図書を読み解く技術的な知識に加えて、多くの職人・業者・施主と調整する力、工程の先を読む力、問題が起きたときに落ち着いて対応する力をいいます。2024年以降の働き方の変化を踏まえて整理すると、次のとおりです。
| スキル | 現場で必要になる場面 | 2024年以降に重みが増した理由 |
|---|---|---|
| 現場をまとめるコミュニケーション力 | 職人・業者との打合せ、施主への説明、近隣への案内。認識の違いや確認不足は工期の遅れや事故につながる | 職人の人数が限られ、手待ちや手戻りを減らす調整がより重要に |
| 工程を先読みする力 | 天候による遅れ、同時に進む複数の作業、複数の現場の担当。全体の流れから優先順位を決める | 時間外労働の上限規制で、残業による挽回が難しくなった |
| 問題に対応する力 | 発注の誤り、設計図書と現場の違い、資材の納期遅れ。状況を見て素早く柔軟に対処する | 資材価格の変動などを契約前後に通知・協議する仕組みが法律で定められた |
| 法令と技術の知識 | 建築基準法・建設業法・労働安全衛生法、構造・断熱・防水の施工基準 | 2025年4月の建築基準法改正で省エネ基準への適合が原則義務化され、確認・検査の対象も広がった |
| 書類とデジタルの活用 | 施工写真・検査記録・工程表の作成、遠隔での現場確認 | ICTの活用が技術者の兼務の条件の一つになった |
自由住宅グループは、東京をはじめ一都三県で分譲住宅・注文住宅の施工とリフォームを行っています。分譲住宅でもお客様や関係する社員と話し合いながら要望を聞く機会が多く、「お客様とのお付き合いは一生」という考えから、引渡し後の定期点検やリフォームまで関わります。新築とリフォームの両方で多くの現場経験を積める環境です。
また、施工管理同士の協力関係が強く、未経験でも先輩から仕事を教わりながら成長できる環境です。福利厚生としては、資格学校の費用を会社が負担し、資格手当を支給する資格取得支援制度があります。2024年度からは、19歳以上なら実務経験がなくても1級の第一次検定を受けられるため、入社後の早い時期に1級技士補を目指す道もあります。最新の募集条件や制度の内容は、自由住宅の採用情報でご確認ください。

11. 施工管理のよくある質問
Q施工管理と現場監督は同じ仕事ですか?
Aほぼ同じ意味で使われます。施工管理は工事の品質・工期・費用・安全などを管理する業務の名前で、その業務を現場で担う人が一般に現場監督と呼ばれます。法令上は、建設業法第26条で工事現場に置くことが義務づけられた主任技術者・監理技術者が、施工の技術上の管理をつかさどる責任者です。建築士が設計図書のとおりに工事が行われているかを確認する「工事監理」(建築士法第2条第8項)とは別の業務です。
Q建設業の2024年問題とは何ですか?
A2024年4月1日から建設業にも時間外労働の上限規制が適用されたことに伴う、工期・人手・費用への影響を指す言葉です。厚生労働省によると、上限は原則月45時間・年360時間、特別条項がある場合も年720時間、休日労働を含めて単月100時間未満・2〜6か月平均80時間以内で、月45時間を超えられるのは年6か月までです。災害時の復旧・復興の事業では、単月100時間未満と複数月平均80時間以内の規制は適用されません。違反には6か月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金があります。
Q未経験でも施工管理技士の資格は取れますか?
A第一次検定は実務経験がなくても受けられます。2024年度からの受検資格では、1級の第一次検定は受検する年度の末日時点で19歳以上、2級の第一次検定は17歳以上であれば受検でき、合格すると「技士補」になります。「技士」になるには第二次検定の合格が必要で、1級は第一次検定の合格後に実務経験5年以上(特定実務経験1年を含む場合は3年以上、監理技術者補佐として1年以上)、2級は2級第一次検定の合格後に実務経験3年以上などが必要です。2028年度までは改正前の受検資格で第二次検定を受けることもできます。
Q施工管理の仕事がきついと言われるのはなぜですか?
A国土交通省の参考資料集(2026年4月3日)によると、建設業は全産業と比べて年間の出勤日数が10日多く、年間の総実労働時間が48時間長いとされています。技術者の休日は「4週6休程度」が最も多く、週休2日以上は全体で約3割です。2024年4月からの上限規制、2025年12月に完全施行された改正建設業法による著しく短い工期での契約の禁止などで、働き方の見直しが進められています。実際の働き方は会社によって異なるため、年間休日や残業時間の実績を確認することをおすすめします。
Q戸建住宅の現場監督は複数の現場を担当してよいのですか?
A戸建ての個人住宅の工事では、一般に兼務が認められています。主任技術者・監理技術者を工事現場ごとに専任で置かなければならないのは、請負代金額が4,500万円(建築一式工事は9,000万円)以上で、建設業法施行令第27条が定める学校・病院・事務所・共同住宅などの工事に限られ、戸建ての個人住宅は挙げられていません。専任が必要な工事でも、2024年12月13日からは、請負代金額1億円未満(建築一式工事は2億円未満)などの条件を満たせば2つの現場を兼務できる専任特例が設けられています。
Q家を建てる人は施工管理について何を確認すればよいですか?
A契約の前に、工程表と工期に休日が織り込まれているか、現場の担当者は誰か、工事中にどの段階でどのような検査を行うか、施主が立ち会える機会があるかを確認するとよいでしょう。建設業法第19条は、工期や工事を施工しない日などを契約書に記載することを求めています。新築住宅では、住宅瑕疵担保責任保険の保険法人が、階数3以下の場合は基礎配筋工事の完了時と躯体工事の完了時などに現場検査を行います。
12. まとめ|2026年9月時点で押さえる7点
施工管理は、工程・品質・原価・安全・環境の管理を通じて、設計図書どおりの建物を安全に完成させる仕事です。2024年からの上限規制と2025年までの建設業法の改正で、無理のない工期と適正な労務費を前提に計画を立てることが、法律のうえでも求められるようになりました。
| # | 押さえる点 | 根拠 |
|---|---|---|
| 1 | 施工管理は施工会社の立場の管理業務。建築士が設計図書と照合する工事監理とは別 | 建設業法第26条の4、建築士法第2条第8項 |
| 2 | 建設業にも2024年4月から時間外労働の上限規制。原則月45時間・年360時間、特別条項でも年720時間 | 労働基準法第36条・第139条、厚生労働省 |
| 3 | 建設業就業者は2025年に478万人。55歳以上36.6%、29歳以下11.9% | 国土交通省 参考資料集(2026年4月3日) |
| 4 | 1級の第一次検定は19歳以上なら受検可。合格で技士補、第二次検定は合格後の実務経験で受検 | 国土交通省(2024年度からの受検資格) |
| 5 | 専任の技術者が必要な工事の請負代金額は2025年2月から4,500万円(建築一式9,000万円)以上。戸建ての個人住宅は対象の施設に挙げられていない | 建設業法施行令第27条 |
| 6 | 2025年12月12日から、受注者による著しく低い労務費での見積り・契約と著しく短い工期での契約を禁止 | 改正建設業法(令和6年法律第49号) |
| 7 | 2025年の建設業の死亡者は214人で業種別最多。その約43%が墜落・転落 | 厚生労働省 令和7年労働災害発生状況 |
工事の進め方と検査の流れを、契約の前にご説明します。
自由住宅では、東京をはじめ一都三県で注文住宅・分譲住宅・リフォームをご検討の方に、工程表の見方、工事中に行う社内検査と第三者の検査の時期、現場の担当者との連絡の取り方を資料でご説明しています。工期や検査について、他社でお受け取りの計画についてのご質問も承ります。施工管理の仕事にご関心のある方は、採用情報もご覧ください。
出典一覧
- e-Gov法令検索「建設業法」第19条・第19条の3・第19条の5・第20条・第26条・第26条の4・第27条(昭和24年=1949年法律第100号・2026年9月17日確認)
https://laws.e-gov.go.jp/law/324AC0000000100 - e-Gov法令検索「建設業法施行令」第27条・第42条(昭和31年=1956年政令第273号・2026年9月17日確認)
https://laws.e-gov.go.jp/law/331CO0000000273 - e-Gov法令検索「建築士法」第2条・第3条の3・第18条(昭和25年=1950年法律第202号・2026年9月17日確認)
https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC1000000202 - e-Gov法令検索「建築基準法」第5条の6・第6条・第7条・第7条の3(昭和25年=1950年法律第201号・2026年9月17日確認)
https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000201 - e-Gov法令検索「労働基準法」第36条・第119条・第139条(昭和22年=1947年法律第49号・2026年9月17日確認)
https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000049 - e-Gov法令検索「住宅の品質確保の促進等に関する法律」第94条(平成11年=1999年法律第81号・2026年9月17日確認)
https://laws.e-gov.go.jp/law/411AC0000000081 - 厚生労働省「建設業・ドライバー・医師等の時間外労働の上限規制」(2026年9月17日確認)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/gyosyu/topics/01.html - 厚生労働省「建設業『時間外労働の上限規制』のポイント」(2024年3月作成・2026年9月17日確認)
https://www.mhlw.go.jp/content/001232856.pdf - 厚生労働省「建設業|はたらきかたススメ」(上記の上限規制の解説ページ・2026年9月17日確認)
https://hatarakikatasusume.mhlw.go.jp/construction_company.html - 国土交通省「参考資料集」(2026年4月3日・2026年9月17日確認)
https://www.mlit.go.jp/tochi_fudousan_kensetsugyo/const/content/001994097.pdf - 総務省統計局「労働力調査」(上記資料の就業者数の元データ・2026年9月17日確認)
https://www.stat.go.jp/data/roudou/index.html - 厚生労働省「毎月勤労統計調査」(上記資料の出勤日数・労働時間の元データ・2026年9月17日確認)
https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/30-1.html - 国土交通省「令和6年度より施工管理技術検定の受検資格が変わります」(2023年11月9日版・2026年9月17日確認)
https://www.mlit.go.jp/tochi_fudousan_kensetsugyo/const/content/001707687.pdf - 国土交通省「『施工技術検定規則及び建設業法施行規則の一部を改正する省令』等について」(上記PDFの掲載元ページ・2026年9月17日確認)
https://www.mlit.go.jp/tochi_fudousan_kensetsugyo/const/tochi_fudousan_kensetsugyo_const_tk1_000001_00027.html - 国土交通省「技術検定制度の改正(令和3年=2021年4月1日施行)」(2026年9月17日確認)
https://www.mlit.go.jp/tochi_fudousan_kensetsugyo/const/tochi_fudousan_kensetsugyo_const_tk1_000001_00005.html - 国土交通省 報道発表「建設業の各種金額要件や技術検定の受検手数料を見直します」(2024年12月6日公表・2026年9月17日確認)
https://www.mlit.go.jp/report/press/tochi_fudousan_kensetsugyo13_hh_000001_00267.html - 国土交通省「よくある問合せ(技術者制度)」(2026年2月26日時点・2026年9月17日確認)
https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/content/001972042.pdf - 国土交通省「監理技術者等の専任義務の合理化・営業所技術者等の職務の特例」(上記PDFの内容を扱う技術者制度のページ・2026年9月17日確認)
https://www.mlit.go.jp/tochi_fudousan_kensetsugyo/const/tochi_fudousan_kensetsugyo_const_tk1_000001_00038.html - 国土交通省「第三次・担い手3法(品確法と建設業法・入契法の一体的改正)について」(2026年9月17日確認)
https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/totikensangyo_const_tk1_000193.html - 国土交通省 報道発表「持続可能な建設業の実現のため、建設業法等改正法が完全施行されます」(2025年11月14日公表・2026年9月17日確認)
https://www.mlit.go.jp/report/press/tochi_fudousan_kensetsugyo13_hh_000001_00317.html - 厚生労働省「令和7年の労働災害発生状況を公表」(2026年5月27日公表・2026年9月17日確認)
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_73382.html - 厚生労働省「令和7年における労働災害発生状況(確定値)」(2026年5月公表・2026年9月17日確認)
https://www.mhlw.go.jp/content/11302000/001704887.pdf - 国土交通省「住宅瑕疵担保責任保険における現場検査の概要」(2019年=令和元年の検討会資料・2026年9月17日確認)
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/content/001314252.pdf - 国土交通省「制度施行10年経過を見据えた住宅瑕疵担保履行制度に関する検討会」(上記PDFの掲載元ページ・2026年9月17日確認)
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk4_000159.html - 国土交通省「令和4年改正 建築物省エネ法・建築基準法」(2024年12月26日更新・2026年9月17日確認)
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/build/r4kaisei_shoenehou_kijunhou.html
本記事は2026年9月17日時点で公表されている情報にもとづいています。時間外労働の上限規制の適用や36協定の内容は、事業場ごとに都道府県労働局・労働基準監督署へご確認ください。施工管理技術検定の受検資格・日程・手数料は、受検する年度の「受検の手引」(建築は一般財団法人建設業振興基金)で必ずご確認ください。自由住宅グループの制度や体制に関する記載は掲載時点のもので、最新の募集条件は採用情報ページでご確認ください。