相続税に強い税理士の選び方|書面添付と懲戒処分の公表で確かめる手順

相続税に強い税理士の選び方|書面添付と懲戒処分の公表で確かめる手順

相続税に強い税理士の選び方|書面添付と懲戒処分の公表で確かめる手順

相続税に強い税理士の選び方|書面添付と懲戒処分の公表で確かめる手順

2026年9月25日更新
この記事でわかること
  • 相続税の申告は、86.5%が税理士の関与で提出されています。所得税の20.4%、法人税の89.8%と並べると、相続税は「ほぼ税理士に頼む申告」です(財務省「令和6事務年度 国税庁実績評価書」2025年10月公表)。
  • 「相続税に強い」を外から確かめられる公表指標は、税理士法33条の2の書面添付です。税理士が関与した相続税の申告書のうち書面添付があったのは24.6%。所得税1.5%・法人税10.2%より高い一方、相続税でも4件に1件にとどまります(同上)。
  • 税理士報酬に公的な相場はありません。税理士会の会則の絶対的記載事項から「税理士業務に対する報酬の最高限度額に関する規定」が削除され、2002年(平成14年)4月1日から施行されました(国税庁「税理士制度の見直し」)。
  • 懲戒処分を受けた税理士は、氏名・登録番号・事務所所在地が国税庁のサイトで公表されています。懲戒処分等の件数は令和6年度が64件で、令和2年度の22件から増えています(財務省「令和6事務年度 国税庁実績評価書」)。
  • 「広大地評価で数千万円の減額」を売りにする説明は、現在は成り立ちません。広大地の評価(改正前の財産評価基本通達24-4)は2017年(平成29年)9月の通達改正で廃止され、2018年1月1日以後に取得した宅地は通達20-2の「地積規模の大きな宅地の評価」によります。

1. 相続の手続きで関わる専門家と、法律で決まっている担当範囲

税理士業務とは、税務代理・税務書類の作成・税務相談の3つをいいます。税理士法2条1項が列挙しており、同法52条は「税理士又は税理士法人でない者は、この法律に別段の定めがある場合を除くほか、税理士業務を行つてはならない」と定めています。相続税の申告書を他人に代わって作成できるのは、税理士と弁護士だけです。

相続の手続きは税金だけで終わりません。誰が何を担当するかは、それぞれの資格法が定めています。まず担当範囲を押さえると、「1人に全部まとめて頼めるか」「何人に分けて頼むことになるか」が先に分かります。

相続で関わる専門家の職務の根拠と、担当する主な手続き
専門家 職務の根拠 相続で担当する主な手続き 登録者数
税理士 税理士法2条1項(税務代理・税務書類の作成・税務相談) 相続税の申告書の作成、更正の請求、税務調査の立会い 82,343人
司法書士 司法書士法3条1項1号・2号(登記手続の代理、法務局に提出する書類の作成) 相続登記の申請、相続人申告登記の申出 23,505人
弁護士 弁護士法3条1項(一般の法律事務)。同条2項により当然に税理士の事務も行える 遺産分割の協議・調停・訴訟の代理、遺留分侵害額請求 48,057人

※登録者数は各連合会の公表値。税理士は2026年8月末日現在、司法書士は2026年4月1日現在、弁護士は2026年9月1日現在。出典:日本税理士会連合会「税理士登録者数」、日本司法書士会連合会「会員数データ」、日本弁護士連合会「弁護士会別会員数」

税理士は全国で82,343人います。うち東京税理士会の会員は24,786人で、全体の約3割が東京に集まっています(日本税理士会連合会、2026年8月末日現在)。首都圏で探すかぎり候補の数には困りませんが、数が多いことは「相続税の経験がある人を選びやすい」ことを意味しません。次章の指標が必要になるのはこのためです。

「相続専門」は資格の区分ではありません
税理士法は税理士の業務を税目で分けていません。「相続専門」「相続に強い」は各事務所が自分で掲げている表示で、試験や登録によって区分されたものではありません。したがって、掲げているかどうかではなく、あとから第三者が確かめられる事実で見分ける必要があります。
木造2階建てが並ぶ住宅地の道路。手前にブロック塀と生垣、区画のひとつは境界杭の見える空き地

2. 書面添付制度|「相続税に強い」を外から確かめられる公表指標

書面添付制度とは、税理士が申告書の作成にあたって計算し、整理し、または相談に応じた事項を記載した書面を、申告書に添付して提出できる仕組みです。根拠は税理士法33条の2で、添付は義務ではなく税理士の権利です。国税庁は「税務の専門家である税理士に与えられた権利の一つ」と説明しています(国税庁「税理士制度のQ&A」)。

この書面が添付されている申告書について税務調査をしようとするときは、税務署は調査の日時・場所を納税者に通知する前に、税理士へ意見を述べる機会を与えなければなりません(税理士法35条1項)。つまり、書面添付があると、調査に入る前に税理士が説明する場が1回はさまれます。

書面添付があるときとないときの、税務調査までの流れの違い
場面 書面添付がある申告書 書面添付がない申告書
調査の事前通知 通知の前に、税理士へ意見を述べる機会が与えられる(税理士法35条1項) 納税者へ日時・場所が通知され、そのまま調査に入る
申告書から分かること どの財産をどう評価し、何を確かめたかが書面に残る 申告書の数字だけで、判断の過程は残らない
作成側の手間 評価の根拠と確認した資料を書き出すため、作業量が増える 増えない

手間が増えるため、書面を添付するかどうかは事務所の方針がはっきり出ます。国税庁は税目ごとの添付割合を毎年公表しており、相続税は他の税目より高いものの、4件に1件にとどまります。

図1:税理士が関与した申告書のうち、書面添付があった割合(令和6年度)
単位:%。棒の高さは割合そのもの(軸の上端が100%)
24.6%
 
10.2%
 
1.5%
 
相続税
法人税
所得税

出典:財務省「令和6事務年度 国税庁実績評価書」参考指標1(2025年10月公表・2026年9月25日確認)

※分母は税理士が関与した申告書の件数です。集計の対象は税目ごとに異なり、所得税は翌年3月末まで、法人税は4月決算から翌年3月決算法人について翌年7月末までに提出があった申告書です。出典:財務省「令和6事務年度 国税庁実績評価書」参考指標1の注1・注4(2025年10月公表)

相続税の添付割合が他の税目より高いのは、財産の評価に判断の幅があり、書面で説明する意味が大きいからだと考えられます。それでも4分の3の申告書には添付されていません。「書面添付を付けていますか」という質問は、面談で確かめられるうえに、答えが事務所の方針を直接映します。

図2:相続税の書面添付割合の推移
単位:%。税理士が関与した相続税の申告書に対する割合
30 20 10 0 22.2 23.1 23.4 24.3 24.6 令和2年度 3年度 4年度 5年度 6年度

出典:財務省「令和6事務年度 国税庁実績評価書」参考指標1(2025年10月公表・2026年9月25日確認)

※相続税の各年度の値は、その年の10月末までに提出のあった前年の相続に係る申告書(修正申告書を除く)を対象とした集計です。したがって「令和6年度」は、令和6年10月末までに提出された令和5年の相続に係る申告書を指します。出典:財務省「令和6事務年度 国税庁実績評価書」参考指標1の注3(2025年10月公表)

5年間で2.4ポイントの上昇です。国税庁は税理士会との協議会を令和6年度に630回開いて普及を図っていますが、割合の動きはゆるやかです。言い換えると、書面添付を標準にしている事務所は今も少数派で、それだけに見分ける手がかりになります。

面談で確かめられること
「この申告で書面添付を付けますか。付ける場合、報酬に含まれますか」。付けると答え、添付書面の記載例(国税庁と各国税局が公表しています)に沿って何を書くか説明できるなら、評価の根拠を文書に残す手順が事務所に定着していると読めます。

3. 依頼前に無料で確かめられること|懲戒処分の公告と税理士情報検索サイト

税理士に対する懲戒処分とは、戒告・2年以内の税理士業務の停止・税理士業務の禁止の3種をいいます(税理士法44条)。財務大臣が国税審議会の議決に基づいて行い(同法47条4項)、処分を受けた税理士の氏名・登録番号・事務所所在地・処分年月日は国税庁のサイトで公表されています。

処分の理由は2つに分かれます。故意に真正の事実に反する税務書類を作成した場合は業務停止または禁止(同法45条1項)、相当の注意を怠って同じことをした場合は戒告または業務停止(同条2項)です。後者には、使用人の不正行為を見過ごした使用者税理士の過失責任も含まれます(国税庁「最近の懲戒処分等の概要」)。

図3:税理士等に対する懲戒処分等の件数
単位:件。棒の高さは最大値(64件)を100%とした相対値
22
 
21
 
13
 
38
 
64
 
令和2
年度
3
年度
4
年度
5
年度
6
年度

出典:財務省「令和6事務年度 国税庁実績評価書」実3-2 参考指標2(2025年10月公表・2026年9月25日確認)

令和6年度の64件の内訳は、禁止(解散)10件、停止52件、戒告2件です。同じ年度に税理士法に基づく調査等は3,319件行われています。処分件数は税理士82,343人に対してごく一部ですが、依頼先の名前が公表対象に載っていないかは、依頼前に自分で確かめられます。

依頼前に自分で確かめられる公表情報
確かめること 調べる場所 分かること
税理士として登録されているか 日本税理士会連合会「税理士情報検索サイト」 氏名・登録番号・事務所の所在地・所属税理士会。税理士法人の届出も引ける
懲戒処分を受けていないか 国税庁「税理士等に対する懲戒処分等」 令和6年3月31日以前は官報掲載情報、同年4月1日以後は公告として氏名・登録番号・事務所所在地・処分年月日が載る
どんな行為が処分の対象か 国税庁「最近の懲戒処分等の概要」 違反行為の類型と量定の対応。故意か過失か、自己脱税か調査妨害かで量定が変わる
書面添付の水準 国税庁・各国税局「添付書面の記載例」 相続税でどこまで書くことが想定されているか。面談での説明と照らせる

※いずれも登録や費用は不要です。出典:日本税理士会連合会「税理士情報検索サイト」、国税庁「税理士等に対する懲戒処分等」(2026年9月25日確認)

注意
懲戒処分には除斥期間があります。懲戒の事由があったときから10年を経過すると手続を開始できません(税理士法47条の3)。公表されていないことは「過去に何もなかった」ことの証明にはなりません。登録の有無を確かめる作業と、実際に相続税の申告をどれだけ扱っているかを面談で聞く作業は、どちらも必要です。
書類のファイルと住宅地図を広げ、担当者と向かい合って相談している年配の夫婦

4. 相続税の税理士報酬|公的な相場がない理由と、見積りで確かめる3点

税理士報酬に公的な基準額はありません。2001年(平成13年)の税理士法改正で、税理士会の会則の絶対的記載事項から「税理士業務に対する報酬の最高限度額に関する規定」が削除され、2002年(平成14年)4月1日から施行されました(国税庁「税理士制度の見直し」)。現行の税理士法49条の2第2項が列挙する会則の必須記載事項にも、報酬に関する定めは残っていません。

「遺産総額の0.5〜1%が目安」といった数字を見かけますが、これは各事務所の料金表を集めたもので、法令や税理士会が定めた基準ではありません。参考にするのは構いませんが、根拠のある金額として扱うと判断を誤ります。比べるべきなのは水準ではなく、何が含まれていて何が別料金なのかという中身です。

見積りを受け取ったときに確かめる項目
確かめる項目 質問の形 見積書で見る場所
何が基本報酬に含まれるか 財産の評価、遺産分割協議書の作成、申告書の提出のうち、どこまでが基本報酬ですか 基本報酬の内訳と、除外事項の記載
加算が発生する条件 相続人が増えたとき、土地の数が増えたとき、申告期限が近いときに、いくら加算されますか 加算報酬の単価と上限の有無
税理士以外に支払う費用 登記、測量、不動産の売却を紹介された場合、その報酬や手数料は誰にいくら支払いますか 実費・第三者への支払いの区分

3つめは相続に不動産が含まれるときに効いてきます。相続登記は司法書士の業務(司法書士法3条1項1号)、不動産の売買の媒介は宅地建物取引業者の業務で、いずれも税理士報酬とは別に費用が発生します。ワンストップで進められる利点はありますが、紹介の手数料が上乗せされていないかは見積りの段階で確かめておきます。

税理士は「安く済ませる」ための資格ではありません
税理士法1条は、税理士の使命を「独立した公正な立場において、申告納税制度の理念にそつて、納税義務者の信頼にこたえ、租税に関する法令に規定された納税義務の適正な実現を図ること」と定めています。目的は税額を最小にすることではなく、法令どおりの適正な額にすることです。面談の前から結果を約束する説明には、この使命との距離があります。

5. よく見かける説明のうち、いま成り立たなくなったもの

相続税の専門家選びを扱う記事には、制度が変わったあとも残り続けている説明があります。根拠とあわせて整理します。

よく見かける説明と、現在の制度・公表値
よく見かける説明 現在 根拠
広大地評価を使えば数千万円の減額が見込める 広大地の評価(改正前の財産評価基本通達24-4)は2017年(平成29年)9月の通達改正で廃止。2018年1月1日以後に相続・遺贈・贈与で取得した宅地は通達20-2「地積規模の大きな宅地の評価」による 財産評価基本通達20-2(平29課評2-46外で追加)
規模の大きな宅地は最大65%の減額 規模格差補正率による減額は20〜29%の幅。三大都市圏では地積500㎡で補正率0.80、5,000㎡で0.71 財産評価基本通達20-2、国税庁タックスアンサーNo.4609
相続税は5件に1件が税務調査される 令和6年分の申告206,485件に対し、令和6事務年度の実地調査は9,512件で4.6%。簡易な接触21,969件を加えても15.2% 国税庁「令和6事務年度における相続税の調査等の状況」
税務署は払い過ぎを指摘してくれない 国税通則法24条は、申告額が「その調査したところと異なるとき」に更正すると定めており、増額か減額かで区別していない。ただし過大な申告に気づいて手続きを起こすのは納税者側で、方法は更正の請求(同法23条1項)になる 国税通則法24条・26条・23条1項
相続税の8割は払い過ぎ 公表資料で確認できない。国税庁は過大な申告の割合を公表していない —

「税理士数に対して相続税の申告件数が少ないため、経験のある税理士は限られる」という説明も見かけます。ただし根拠として挙げられる数字は古いものが多く、111,728人は平成29年分の相続税の課税対象となった被相続人数(課税割合8.3%)です。令和6年分では申告書の提出に係る被相続人数が206,485人まで増えています(国税庁「令和6年分 相続税の申告事績の概要」2025年12月公表)。

注意
過大に申告していたと分かった場合に取る手続きは「還付申請」ではなく更正の請求で、期限は法定申告期限から5年です(国税通則法23条1項)。相続税の申告期限は相続の開始があったことを知った日の翌日から10か月なので(相続税法27条1項)、実際には知った日の翌日からおよそ5年10か月が上限になります。広大地評価を理由にした更正の請求は、2026年の時点ではこの期限を過ぎています。

6. 不動産がある相続で追加される手続き|相続登記の申請義務化

相続登記の申請義務化とは、相続により不動産の所有権を取得した相続人が、自己のために相続の開始があったことを知り、かつ所有権を取得したことを知った日から3年以内に所有権の移転の登記を申請しなければならない、という不動産登記法76条の2の定めです。2024年(令和6年)4月1日に施行されました。正当な理由なく申請を怠ると10万円以下の過料の対象になります(同法164条1項)。

相続登記の申請義務化の要点
項目 内容 根拠
期限 相続の開始と所有権の取得を知った日から3年以内 不動産登記法76条の2第1項
遺産分割が後から成立したとき 法定相続分で登記したあとに遺産分割があったときは、分割の日から3年以内に移転の登記を申請する 同条2項
施行前に開始した相続 登記をしていなければ義務の対象。2027年(令和9年)3月31日まで(不動産を相続で取得したことを知った日が2024年4月以降なら、その日から3年以内) 法務省「相続登記の申請義務化について」
期限内に登記できないとき 相続人申告登記の申出をすれば、申請義務を履行したものとみなされる 不動産登記法76条の3第1項・2項
過料 正当な理由がないのに申請を怠ったときは10万円以下 同法164条1項

相続税の申告期限は10か月、相続登記は3年です。期限が違うため、税理士に相続税を、司法書士に登記を、別々の時期に頼む流れになりがちです。相続税の申告のために作った財産の一覧や公図・測量図は登記でも使うので、最初の段階で誰に何を渡すかを決めておくと二度手間になりません。

間口が狭く奥行きの長い空き地の前で、図面と巻尺を使って境界杭のそばを確認している2人

7. まとめ

相続税に強い税理士を選ぶ作業は、掲げている言葉を読み比べることではなく、公表されている事実と面談での答えを突き合わせることです。

  • 相続税の申告は86.5%が税理士の関与で提出され、書面添付があるのはそのうち24.6%。書面添付を付けるかどうかは、面談で確かめられて、事務所の方針が直接映る質問です。
  • 登録の有無は日本税理士会連合会の税理士情報検索サイト、懲戒処分は国税庁のサイトで、費用をかけずに確かめられます。ただし懲戒の除斥期間は10年で、公表がないことは過去の無事の証明にはなりません。
  • 報酬に公的な基準額はありません。水準を比べるより、基本報酬の範囲・加算の条件・第三者への支払いの3点を見積書で確かめます。
  • 広大地評価を前面に出した説明は、2018年1月1日以後の取得には使えません。現行は地積規模の大きな宅地の評価で、減額の幅は20〜29%です。
  • 不動産があると相続登記の申請義務(3年以内)が別に走ります。相続税の10か月とは期限が違うため、担当と資料の受け渡しを先に決めておきます。

8. 相続の専門家選びのよくある質問

Q相続税の申告を、税理士以外に頼むことはできますか?

A他人の求めに応じて相続税の申告書を作成できるのは、税理士・税理士法人と弁護士です。税理士法52条が「税理士又は税理士法人でない者は、この法律に別段の定めがある場合を除くほか、税理士業務を行つてはならない」と定めており、弁護士法3条2項が弁護士は当然に税理士の事務を行えるとしています。自分で申告書を作って提出することは、もちろんできます。

Q書面添付を付けてもらうと、税務調査を避けられますか?

A避けられるとは言えません。税理士法35条1項が定めているのは、調査の日時・場所を納税者に通知する前に税理士へ意見を述べる機会を与えることで、調査をしないことではありません。同条4項も、この措置の有無は調査に係る処分の効力に影響しないとしています。意見聴取の段階で疑問が解消すれば実地調査に至らないこともありますが、制度上の約束ではありません。

Q相続税の申告を、付き合いのある税理士にそのまま頼んでも問題はありませんか?

A資格上の問題はありません。判断材料になるのは、その事務所が相続税の申告をどれだけ扱っているかと、土地の評価をどう進めるかです。令和6事務年度の税務調査では、申告漏れの相続財産2,879億円のうち土地は353億円(12.3%)で、最も多いのはその他1,247億円(43.3%)と現金・預貯金等837億円(29.1%)でした。土地の評価だけでなく、預貯金や名義財産の洗い出しを含めて何を確認するのかを聞いてください(国税庁「令和6事務年度における相続税の調査等の状況」)。

Qすでに申告を終えていますが、評価が高すぎた気がします。今からできることはありますか?

A更正の請求ができる期間内なら可能です。期限は法定申告期限から5年(国税通則法23条1項)で、更正請求書には更正後の課税標準等・税額等と請求の理由を記載します(同条3項)。添付するのは「その理由の基礎となる事実を証明する書類」で(国税通則法施行令6条2項)、実測図・公図・写真・ハザードマップの写しなどが該当します。特定の名称の意見書を法令が求めているわけではありません。

Q税理士の登録や処分の有無は、どこで調べられますか?

A登録は日本税理士会連合会の税理士情報検索サイトで、氏名・登録番号・事務所の所在地・所属税理士会を確認できます。懲戒処分は国税庁の「税理士等に対する懲戒処分等」で、令和6年3月31日以前は官報掲載情報、同年4月1日以後は公告として氏名・登録番号・事務所所在地・処分年月日が掲載されています。どちらも無料で、登録も要りません。

相続した不動産があると、相続税の申告に使う資料と、相続登記に使う資料が重なります。どちらの期限にも間に合わせるには、手元にある書類を先に整理しておくことが近道です。

自由住宅では、東京・首都圏の戸建てと土地について、公図・測量図・住宅地図と現地の状況を突き合わせ、面積・接道・高低差・私道の有無といった事実関係を整理してお渡ししています。相続税の評価額の算定や申告書の作成、相続登記の申請は当社では行いません。税理士・司法書士へお渡しできる形に資料をまとめるところまでをお手伝いします。

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