新築一戸建ての着工戸数(2026年8月分)|建売は2年前の水準に回復、注文住宅は1割近く少ないまま

新築一戸建ての着工戸数(2026年8月分)|建売は2年前の水準に回復、注文住宅は1割近く少ないまま

新築一戸建ての着工戸数(2026年8月分)|建売は2年前の水準に回復、注文住宅は1割近く少ないまま
2026年10月4日公開
この記事でわかること
  • 2026年8月の新設住宅着工戸数は63,974戸で、前年同月比6.1%増、5か月連続の増加でした。季節調整済年率換算値は75.3万戸で、前月比では2.7%減っています(国土交通省「建築着工統計調査報告(令和8年8月分)」2026年9月30日公表)。
  • 建売にあたる分譲一戸建は10,182戸(前年同月比7.5%増)、注文住宅を含む持家は17,713戸(同1.0%増)でした。分譲一戸建は5か月連続、持家も5か月連続の増加です(同)。
  • 増加の多くは、前年の落ち込みからの戻りです。2025年3月は89,802戸(前年同月比39.6%増)と急に増え、2025年4〜8月は前年同期比19.4%減でした。2025年4月1日には、省エネ基準への適合の義務化と建築確認の対象の見直しが施行されています(国土交通省)。
  • 2年前の2024年4〜8月と比べると、分譲一戸建は102.7%まで戻り、持家は91.7%にとどまります。2026年4〜8月の合計は分譲一戸建51,601戸(2024年同期50,245戸)、持家86,000戸(同93,762戸)です(国土交通省の公表値から編集部計算)。
  • 首都圏の8月の着工は23,495戸で、前年同月比9.2%増でした。分譲住宅は7,506戸(同3.4%増)で、うち一戸建は6.0%増、マンションは0.8%減です(国土交通省、2026年9月30日公表)。

1. 住宅着工統計とは|毎月公表される新築住宅の着工の数

住宅着工統計とは、国土交通省が建築工事の届出をもとに、新しく建て始めた住宅の戸数や床面積を毎月まとめた統計です。建築基準法にもとづいて都道府県知事に出される届出(延べ床面積10㎡超)を集計しています。翌月の末日ごろに公表され、2026年8月分は2026年9月30日に公表されました。

住宅は、誰が何のために建てるか(利用関係)で4つに分けて数えます。家を買う人にとって関係が深いのは「持家」と「分譲住宅」です。

区分 統計上の定義 身近な言い方
持家 建築主が自分で居住する目的で建築するもの 注文住宅・建て替え
貸家 建築主が賃貸する目的で建築するもの 賃貸アパート・賃貸マンション
給与住宅 会社や官公署などが社員・職員を住まわせる目的で建築するもの 社宅・官舎
分譲住宅 建て売り又は分譲の目的で建築するもの 建売住宅(分譲一戸建)・分譲マンション

※定義は国土交通省「建築動態統計調査【建築着工統計調査】用語の定義」による。「身近な言い方」は編集部の補足です。

着工の数は、そのまま売りに出る家の数ではありません。着工から完成・引渡しまでには数か月かかります。また、統計の注意書きにあるとおり、月ごとの数は季節で動くため、ふつうは前年同月と比べて増減を判断します。

2. 2026年8月の新設住宅着工|5か月連続の増加

新設住宅着工戸数とは、その月に工事を始めた新築住宅の戸数のことです。2026年8月は63,974戸で、持家・貸家・分譲住宅のいずれも前年同月より増えました。

区分 2026年8月の戸数 前年同月比 連続
総数 63,974戸 6.1%増 5か月連続の増加
持家 17,713戸 1.0%増 5か月連続の増加
貸家 28,309戸 6.5%増 5か月連続の増加
分譲住宅 16,838戸 6.4%増 5か月連続の増加
うち分譲一戸建 10,182戸 7.5%増 5か月連続の増加
うち分譲マンション 6,475戸 5.3%増 4か月連続の増加

※出典:国土交通省「建築着工統計調査報告(令和8年8月分)」(2026年9月30日公表)。給与住宅は1,114戸で表から省いています。

一方で、季節による動きをならした季節調整済年率換算値は75.3万戸で、前月より2.7%減り、2か月続けて減りました。前年同月比では増えていても、直近の勢いはやや落ちています。

住宅街の一角で、新築一戸建ての基礎工事が始まっている現場の様子

3. 増加は前年の落ち込みからの戻り

前年同月比とは、今年のある月の数を、前の年の同じ月の数と比べた増減の割合です。比べる相手の前年が少なければ、今年が平年並みでも大きな増加に見えます。2026年の増加を読むには、2025年の動きを知っておく必要があります。

図1:持家と分譲一戸建の着工戸数の推移(全国・月別)
単位:戸(2024年8月〜2026年8月)/実線=持家、点線=分譲一戸建
24,000 18,000 12,000 6,000 2025年3月 22,955 11,920 持家 17,713 12,573 7,083 分譲一戸建 10,182 2024年8月 2025年3月 2025年8月 2026年3月 2026年8月

出典:国土交通省「建築着工統計調査報告」(令和7年8月分=2025年9月30日公表、令和8年8月分=2026年9月30日公表)

2025年3月は、持家が22,955戸(前年同月比37.9%増)、分譲一戸建が12,573戸(同24.3%増)と急に増えました。総数も89,802戸で、前年同月比39.6%増です。その翌月から大きく減り、2025年5月の持家は11,920戸(同30.9%減)、分譲一戸建は7,083戸(同29.9%減)でした。2025年4〜8月の5か月の合計は、総数で前年同期比19.4%減です。

この時期には、住宅の建て方に関わる2つの改正が施行されています。2025年4月1日から、原則すべての新築住宅に省エネ基準への適合が義務付けられ、建築基準法にもとづく確認の対象も見直されました(国土交通省「令和4年改正 建築物省エネ法・建築基準法」)。着工統計そのものは増減の理由を示していませんが、急増と急減の時期は施行日と重なっています。

国土交通省が2026年4月に公表した施行後の調査(速報値)では、建築確認の審査が長くかかった時期として、2025年4〜6月を挙げた審査機関が最も多くありました(28機関)。

2026年の「5か月連続の増加」は、落ち込んだ2025年と比べた数字です。2026年3月は、前年の急増の反動で総数が前年同月比29.3%減になりました。前年同月比だけで「着工が盛り返した」と読むと、実際の水準を見誤ります。

4. 2年前と比べると|建売は回復、注文住宅は戻りきらず

2年前比とは、改正の前後の影響を受けていない2024年の同じ時期と比べる見方です。2025年の落ち込みをはさまずに比べられるため、着工の水準が元に戻ったかどうかが分かります。ここでは、毎年4〜8月の5か月の合計で比べます。

図2:分譲一戸建の着工戸数(全国・各年4〜8月の合計)
単位:戸
50,245
 
43,358
 
51,601
 
2024年
2025年
2026年

出典:国土交通省「建築着工統計調査報告」(令和7年8月分=2025年9月30日公表、令和8年8月分=2026年9月30日公表)

※棒の高さは、2026年の51,601戸を100とした相対値です。

図3:持家の着工戸数(全国・各年4〜8月の合計)
単位:戸
93,762
 
76,782
 
86,000
 
2024年
2025年
2026年

出典:国土交通省「建築着工統計調査報告」(令和7年8月分=2025年9月30日公表、令和8年8月分=2026年9月30日公表)

※棒の高さは、2024年の93,762戸を100とした相対値です。

分譲一戸建は、2026年4〜8月が51,601戸で、2024年の同じ時期(50,245戸)を上回りました。一方、持家は86,000戸で、2024年(93,762戸)より約7,800戸少ないままです。

区分 2024年4〜8月 2025年4〜8月 2026年4〜8月 2026年÷2024年
総数 343,636戸 277,065戸 317,203戸 92.3%
持家 93,762戸 76,782戸 86,000戸 91.7%
分譲一戸建 50,245戸 43,358戸 51,601戸 102.7%
分譲マンション 45,014戸 30,551戸 32,839戸 73.0%

※出典:国土交通省「建築着工統計調査報告」令和7年8月分(2025年9月30日公表)・令和8年8月分(2026年9月30日公表)の累計値。「2026年÷2024年」は編集部計算です。

2年前の水準に戻ったのは分譲一戸建だけで、持家と分譲マンションは戻りきっていません。特に分譲マンションは2024年の7割台にとどまります。

5. 年度で見た持家と分譲一戸建の推移

年度とは、4月から翌年3月までの1年間のことです。着工統計は年度の合計も公表しています。2025年度(2025年4月〜2026年3月)は、改正の施行直後の落ち込みをそのまま含んでいます。

新設住宅着工戸数の年度推移(全国)
年度 総数 持家 分譲一戸建
2018年度 952,936戸 287,710戸 144,905戸
2019年度 883,687戸 283,338戸 146,154戸
2020年度 812,164戸 263,097戸 129,351戸
2021年度 865,909戸 281,279戸 144,124戸
2022年度 860,828戸 248,132戸 144,321戸
2023年度 800,226戸 219,633戸 133,618戸
2024年度 816,388戸 223,167戸 122,420戸
2025年度 711,171戸 195,111戸 115,200戸

※出典:国土交通省「建築着工統計調査報告(令和8年8月分)」資料2・資料3(2026年9月30日公表)

2025年度の持家は195,111戸で、2018年度(287,710戸)の約3分の2です。持家は2022年度に25万戸を下回り、2023・2024年度は22万戸前後で推移していました。2025年度の落ち込みは、その低い水準にさらに重なっています。分譲一戸建も2022年度の144,321戸から2025年度は115,200戸に減っています。2026年に入ってからの戻りは、長く続く減少の流れを変えるほどの大きさではありません。

完成間近の建売住宅が数棟並ぶ分譲地を、夫婦が歩きながら見て回っている様子

6. 首都圏の住宅着工

首都圏とは、この統計では埼玉県・千葉県・東京都・神奈川県の1都3県のことです。2026年8月の首都圏の着工は23,495戸で、前年同月比9.2%増でした。

区分 2024年8月 2025年8月 2026年8月 前年同月比
総数 23,769戸 21,510戸 23,495戸 9.2%増
持家 4,153戸 3,642戸 3,885戸 6.7%増
貸家 11,944戸 10,440戸 12,030戸 15.2%増
分譲住宅 7,535戸 7,257戸 7,506戸 3.4%増

※出典:国土交通省「建築着工統計調査報告」令和7年8月分・令和8年8月分 資料4(三大都市圏別,利用関係別)。首都圏の分譲住宅のうち、一戸建は前年同月比6.0%増、マンションは0.8%減でした(戸数は公表資料に掲載がありません)。

首都圏でも、8月の総数と分譲住宅は2024年8月とほぼ同じ水準まで戻りました。持家(注文住宅など)だけは、2024年8月の4,153戸に対して3,885戸と、まだ少ない状態です。1か月だけの数字は振れが大きいため、毎月の公表を続けて見ていく必要があります。

7. これから家を買う人が着工統計から読み取れること

着工統計の読み取り方とは、全体の増減だけでなく、建売(分譲一戸建)と注文住宅(持家)を分けて見ることです。2026年8月分までの数字からは、次の3点が分かります。

読み取れること 根拠となる数字 家を探す人への意味
建売の着工は2年前の水準に戻った 分譲一戸建 2026年4〜8月 51,601戸(2024年同期の102.7%) これから完成する建売住宅は、2025年より選べる数が増えやすい
注文住宅の着工は戻りきっていない 持家 2026年4〜8月 86,000戸(2024年同期の91.7%) 注文住宅は、設計や確認の手続きの期間を見込んで早めに動く
直近の勢いはやや鈍い 季節調整済年率75.3万戸(前月比2.7%減、2か月連続の減少) 前年同月比の「増加」だけで判断しない

2025年4月以降に着工した新築住宅は、原則として省エネ基準に適合しています。住宅ローン減税では、省エネ基準に適合しない新築住宅は原則として対象外です。建売・注文のどちらでも、省エネ性能を示す書類の有無を確かめておきましょう。金利の動きはフラット35の金利(2026年10月)、注文住宅の資金の流れは土地から買う注文住宅の資金の流れで解説しています。

打ち合わせスペースで、担当者が夫婦に建売住宅と注文住宅の資料を並べて説明している様子

8. まとめ

2026年8月の新設住宅着工は63,974戸で、前年同月比6.1%増、5か月連続の増加でした。ただし比べる相手の2025年は、3月の急増のあと4月から大きく落ち込んだ年です。2年前の2024年と比べると、分譲一戸建(建売)は4〜8月の合計で102.7%と元の水準に戻り、持家(注文住宅など)は91.7%、分譲マンションは73.0%にとどまります。

首都圏でも、8月の持家は2024年8月より少ないままです。「着工が増えた」というニュースは、何と比べた数字なのかを確かめて読むことが大切です。2026年9月分は、2026年10月30日に公表される予定です。

9. 住宅着工統計のよくある質問

Q2026年8月の住宅着工戸数は何戸ですか?

A63,974戸です。前年同月比6.1%増で、5か月連続の増加でした。季節調整済年率換算値は75.3万戸で、前月比2.7%減です(国土交通省、2026年9月30日公表)。

Q住宅着工が前年より増えているのはなぜですか?

A比べる相手の2025年が少なかったことが大きく影響しています。2025年4〜8月の着工は前年同期比19.4%減でした。2025年3月に急増し、4月以降に急減した時期は、2025年4月1日の省エネ基準適合の義務化などの施行と重なっています。

Q建売住宅(分譲一戸建)の着工は元に戻りましたか?

A全国では戻りました。2026年4〜8月の分譲一戸建は51,601戸で、2024年の同じ時期(50,245戸)の102.7%です(国土交通省の公表値から編集部計算)。

Q注文住宅の着工はどうなっていますか?

A注文住宅を含む持家は、2026年4〜8月が86,000戸で、2024年の同じ時期(93,762戸)の91.7%にとどまります。2025年度の持家は195,111戸で、2018年度以降で最も少ない数でした。

Q住宅着工統計の次の公表はいつですか?

A2026年9月分は、2026年10月30日(金)に国土交通省から公表される予定です。毎月、翌月の末日ごろに政府統計の総合窓口(e-Stat)と国土交通省のサイトで公表されます。

建売か注文か、いま動くべきか。

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出典一覧

出典・参考資料

※持家には注文住宅のほか、建て替えなど建築主が自分で住むために建てる住宅が含まれます。分譲一戸建は、分譲住宅のうち建て方が一戸建のものです。