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ペアローンと収入合算の違い|利用世帯は38.7%、住宅ローン控除・団信・借入上限で比べる選び方

作成者: Admin|10/12/26, 11:11 AM
2026年10月12日公開
この記事でわかること
  • ペアローンは「2本の契約」、収入合算は「1本の契約に家族の収入を足す」借り方です。収入合算では、合算する人が連帯債務者になるか連帯保証人になるかで、住宅ローン控除と団体信用生命保険(団信)の扱いが変わります(住宅金融支援機構、民法第436条・第446条)。
  • 2025年4〜9月に家を買った人の38.7%が、ペアローンか収入合算を使っています。20代では56.6%、30代では45.3%と、若い世代ほど多くなっています(住宅金融支援機構「住宅ローン利用者調査(2026年1月調査)」、2026年2月20日公表。年代別は2つの割合を足した当社計算)。
  • 借入上限は、年収500万円ひとりで約3,371万円、400万円の配偶者と合算すると約6,067万円になります。フラット35の総返済負担率の基準(年収400万円以上は35%以下)と2026年10月の金利3.83%・35年返済で当社が計算した目安です。
  • 住宅ローン控除を受けられるのは、借入金の「債務者」だけです。ペアローンと連帯債務型の収入合算では2人とも受けられますが、連帯保証人は受けられません。借入5,000万円(ZEH水準省エネ住宅)の13年間の控除合計は、単独で約319万円、ペアローン(2,500万円ずつ)で約403万円という試算になります(当社計算)。
  • 違いが最も出るのは、万一のときです。ペアローンでは、一方が亡くなっても団信で消えるのはその人の分だけで、もう一方の返済は続きます。連帯債務の夫婦はフラット35の「デュエット」に2人で加入でき、どちらかに万一があれば残りの債務は全額なくなります(住宅金融支援機構)。

1. ペアローン・収入合算とは

ペアローンとは、1つの住宅に対して夫婦や親子などがそれぞれ住宅ローンを申し込み、2本の契約を併せて使う借り方のことです。それぞれが自分の契約の債務者になり、互いに相手の契約の連帯保証人になるのが一般的です。住宅金融支援機構のフラット35でも、夫婦・親子・パートナーなどが同じ金融機関でそれぞれ申し込む形で利用できます。

収入合算とは、申込者本人の収入に家族の収入を足して審査を受け、1本の契約で借りる方法のことです。合算する人の立場には、本人と同じ返済義務を負う「連帯債務者」になる形と、本人が返せなくなったときに返済義務を負う「連帯保証人」になる形の2つがあります。フラット35の収入合算は連帯債務型で、民間の金融機関はどちらの形にするかが商品ごとに異なります。

連帯債務と連帯保証は、民法上の立場が違います。連帯債務者には、債権者が最初から全部の履行を請求できます(民法第436条)。保証人は主たる債務者が履行しないときに責任を負う立場ですが(同第446条)、連帯保証人になると「先に本人へ請求してほしい」と言う権利(催告の抗弁)がありません(同第454条)。どちらも「払えないときは自分が払う」点は同じで、違いは控除・団信・契約の数に表れます。

3つの借り方の違い
項目 ペアローン 収入合算(連帯債務型) 収入合算(連帯保証型)
契約の数 2本(それぞれが債務者) 1本(本人と合算者が連帯債務者) 1本(本人が債務者、合算者は保証人)
住宅ローン控除 2人とも受けられる 2人とも受けられる(負担割合に応じて) 本人だけ
団信 それぞれ加入 本人のみ、または夫婦で連生型(フラット35のデュエット) 本人のみ
登記費用・事務手数料 2本分 1本分 1本分
住宅の持分 2人の共有 2人の共有 本人の単独名義でもよい
フラット35での扱い 利用できる(同一の金融機関で申込み) この形(収入合算者は連帯債務者) 保証人は不要のため、この形はない

2. どれくらい使われているか|利用世帯は38.7%

住宅金融支援機構の「住宅ローン利用者調査(2026年1月調査)」によると、2025年4月から9月に住宅ローンで家を買った1,237人のうち、ペアローンか収入合算を使った人は38.7%でした。年代別では若いほど高く、20代は半数を超えています。

図1:ペアローンまたは収入合算を使った人の割合(年代別)
単位:%。ペアローンの利用と収入合算の利用の割合を足した値(当社計算)。2025年4〜9月に住宅ローンを利用して住宅を取得した人が対象
56.6
 
45.3
 
30.1
 
24.7
 
20代
30代
40代
50〜69歳

出典:住宅金融支援機構「住宅ローン利用者の実態調査(住宅ローン利用者調査(2026年1月調査))」(2026年2月20日公表)をもとに当社作成

内訳を見ると、20代と30代ではペアローンが収入合算を大きく上回ります。40代以上では両者がほぼ同じ割合です。

年代 ペアローンを利用 収入合算を利用 どちらも利用していない 回答数
20代 35.3% 21.3% 43.3% 150
30代 30.9% 14.4% 54.7% 508
40代 16.5% 13.6% 69.8% 381
50〜69歳 12.6% 12.1% 75.3% 198

出典:住宅金融支援機構「住宅ローン利用者の実態調査(住宅ローン利用者調査(2026年1月調査))」(2026年2月20日公表)

首都圏では、2021年以降に家を買って返済中の世帯の25.6%がペアローンです。三井住友トラスト・資産のミライ研究所が2026年5月に公表した地域別の分析では、近畿圏21.0%、その他の地域22.6%、中京圏15.2%で、首都圏が最も高くなっています。同研究所の2026年4月の公表資料では、ペアローンの利用割合は2005年以前の借入れでは約1割だったのに対し、2021〜2025年の借入れでは22.0%と約2倍になり、ペアローン世帯の共働き率は84.8%(単独ローン世帯は57.8%)でした。

地域別のペアローン利用割合(2021年以降に住宅を購入し返済中の世帯)
地域 ペアローン 単独ローン 回答数
首都圏 25.6% 74.4% 379
近畿圏 21.0% 79.0% 138
中京圏 15.2% 84.8% 138
その他の地域 22.6% 77.4% 452

出典:三井住友トラスト・資産のミライ研究所「全国主要エリア別に見る“住宅ローンの実態”」(2026年5月13日公表)

首都圏で利用が多い背景には、物件価格の上昇があります。東京23区の住宅地の地価は2026年の基準地価で8.7%上がり、フラット35の金利も2026年10月に年3.83%まで上がりました。ひとりの年収では審査に通らない、あるいは通っても返済が重い、という場面で2人の収入を使う借り方が選ばれています。金利の現状は「フラット35の金利は年3.83%(2026年10月)」と「変動金利と固定金利、どちらを選ぶ?」で解説しています。

3. 借りられる額はどう変わるか

借りられる額を決めるのは「総返済負担率」で、収入合算やペアローンは、その分母になる年収を増やす方法です。総返済負担率とは、年収に占める年間の返済額の割合のことです。フラット35では、年収400万円未満なら30%以下、400万円以上なら35%以下が基準で、フラット35以外の住宅ローンや自動車ローン、カードローンなどすべての借入れの返済額を含めて計算します。

フラット35の収入合算の要件
項目 内容
合算できる人 申込者本人の親・子などの直系親族または配偶者で、申込時の年齢が満70歳未満、本人と同居し、連帯債務者になる人(1人まで)
合算できる額 合算者の年収の全額まで。ただし合算額が合算者の年収の50%を超えると、借入期間が短くなる場合がある
申込人数 連帯債務者を含めて2名まで
総返済負担率 年収400万円未満は30%以下、400万円以上は35%以下(合算者の借入れも含めて計算)
借入期間の上限 「80歳−申込時の年齢」と35年の短い方。年収の50%を超えて合算した場合は、本人と合算者のうち年齢の高い方を基準にする

出典:住宅金融支援機構「収入合算」「【フラット35】ご利用条件」(2026年4月1日現在、2026年10月8日確認)

この基準を使って、年収別の借入上限を当社で計算しました。金利は2026年10月のフラット35の最頻金利3.83%、返済期間35年、元利均等返済、他の借入れなしという前提です。

図2:年収別の借入上限の目安(フラット35の総返済負担率の基準で計算)
単位:万円。金利3.83%・35年・元利均等、他の借入れなし。棒の高さは最も大きい900万円(500万円+400万円の合算)を100%とした相対値
2,697
 
3,371
 
4,045
 
6,067
 
年収400万円
(ひとり)
年収500万円
(ひとり)
年収600万円
(ひとり)
年収900万円
(500万円+
400万円の合算)

出典:住宅金融支援機構「【フラット35】ご利用条件」の総返済負担率の基準と「借入金利水準(2026年10月)」をもとに当社計算

年収(合算後) 基準の負担率 年間返済額の上限 借入上限の目安
400万円 35% 140万円 約2,697万円
500万円 35% 175万円 約3,371万円
600万円 35% 210万円 約4,045万円
900万円(500万円+400万円) 35% 315万円 約6,067万円

年収500万円の人が400万円の配偶者と収入を合わせると、借入上限はおよそ1.8倍になります。ペアローンの場合も、2人の年収それぞれで審査するため、世帯として借りられる額の目安はほぼ同じです。ただし、これは「借りられる額」であって「無理なく返せる額」ではありません。負担率35%は、年収900万円なら毎月26万円を35年間払い続ける計算です。

民間の金融機関は、実際の金利ではなく年3〜4%程度の「審査金利」で負担率を計算するのが一般的で、その水準は公表されていません。上の表はフラット35の基準を機械的に当てはめた目安で、金融機関や商品によって上限は変わります。収入合算で合算者の年収の50%を超えて合算すると、借入期間は年齢の高い方を基準に計算されます。たとえば本人30歳(年収400万円)と合算者55歳(年収600万円)で600万円を全額合算すると、借入期間は最長24年になり、300万円以下にとどめれば35年が選べます(住宅金融支援機構の例)。

年収別の借入額と返済額の実データは「住宅ローンはいくら借りていくら払ってる?」でまとめています。

4. 住宅ローン控除は誰が受けられるか

住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)とは、年末の住宅ローン残高の0.7%を、最長13年間、所得税(引ききれない分は住民税の一部)から差し引く制度のことです。租税特別措置法第41条は、控除を受ける人が「その者」の住宅の取得等に係る借入金を有することを要件にしています。つまり、対象になるのは借入金の債務者です。

  • ペアローン:2人がそれぞれ債務者なので、それぞれが自分の契約の年末残高で控除を受けられます。
  • 収入合算(連帯債務型):2人とも債務者です。年末残高のうち各自が負担する部分を「連帯債務がある場合の住宅借入金等の年末残高の計算明細書」で計算し、それぞれが控除を受けます(国税庁)。
  • 収入合算(連帯保証型):債務者は本人だけです。連帯保証人は借入金を有する人ではないため、控除を受けられません。

控除の計算には、入居年と住宅の性能に応じた借入限度額があります。2026年(令和8年)から2030年(令和12年)までに入居する新築住宅の限度額は次のとおりで、合計所得金額2,000万円以下、償還期間10年以上などの要件は各自が満たす必要があります。

新築住宅の借入限度額(2026〜2030年入居)
住宅の区分 一般の世帯 子育て世帯・若者夫婦世帯 控除期間
長期優良住宅・低炭素住宅 4,500万円 5,000万円 13年
ZEH水準省エネ住宅 3,500万円 4,500万円 13年
省エネ基準適合住宅 2,000万円 3,000万円 13年

出典:国土交通省「住宅ローン減税(新築住宅を取得する場合)」(2026年6月更新)。省エネ基準適合住宅は、2028年以降に建築確認を受けたものが対象外になる。子育て世帯は19歳未満の扶養親族がいる人、若者夫婦世帯は夫婦のどちらかが40歳未満の人。

限度額は「1人あたり」なので、2人で借りると世帯として使える枠が広がります。借入5,000万円でZEH水準省エネ住宅(一般の世帯)を買う場合、単独では3,500万円までしか計算に入りませんが、2,500万円ずつのペアローンなら2人とも残高の全額が計算に入ります。

住宅ローン控除の試算(金利3.83%・35年・元利均等、各年の年末残高と限度額の小さい方×0.7%)
条件 1年目の控除額 13年間の合計
借入5,000万円・ZEH水準省エネ住宅・単独(限度額3,500万円) 約24.5万円 約319万円
借入5,000万円・ZEH水準省エネ住宅・ペアローン2,500万円ずつ 約34.5万円(2人の合計) 約403万円(2人の合計)
借入4,000万円・省エネ基準適合住宅・単独(限度額2,000万円) 約14.0万円 約182万円
借入4,000万円・省エネ基準適合住宅・ペアローン2,000万円ずつ 約27.6万円(2人の合計) 約323万円(2人の合計)

出典:国土交通省の借入限度額と住宅金融支援機構の2026年10月の金利をもとに当社計算。所得税・住民税の額による頭打ちは考慮していない。

ただし、控除は納めている所得税(と住民税の一部)の範囲でしか戻りません。2人で借りる意味の本筋はここにあります。ひとりの所得税が控除額に届かなければ、枠が広くても使い切れません。収入が2人に分かれていれば、それぞれの所得税から差し引けます。逆に、産休・育休や退職で一方の所得税がなくなった年は、その人の分の控除も使えなくなります。制度の全体は「住宅ローン減税が5年延長!今回の主役は「中古住宅」」をご覧ください。

5. 団信の違い|万一のとき残債はどうなるか

団体信用生命保険(団信)とは、債務者が亡くなったり所定の障害状態になったりしたときに、保険金で住宅ローンの残債を返済する保険のことです。どの借り方でも、保障の対象は「団信に加入している債務者の債務」です。ここが、ペアローンと収入合算で最も差が出る点です。

借り方ごとの団信の扱い(フラット35の場合)
借り方 加入する人 一方に万一があったとき
ペアローン それぞれの契約で、それぞれが加入する 亡くなった人の契約の残債はなくなる。もう一方は自分の契約の返済を続ける
収入合算(連帯債務型)・本人だけ加入 申込者本人 本人に万一があれば残債は全額なくなる。連帯債務者に万一があっても残債は残る
収入合算(連帯債務型)・デュエット 連帯債務者である夫婦2人(戸籍上の夫婦のほか、婚約・内縁・同性パートナーを含む) どちらに万一があっても、持分や返済割合にかかわらず残債は全額なくなる
収入合算(連帯保証型) 申込者本人(保証人の分の保障は一般にない) 保証人に万一があっても残債は残る。本人に万一があれば残債はなくなる

出典:住宅金融支援機構「ペアローン」「新機構団信の加入要件・保障内容」(2026年10月8日確認)。連帯保証型は民間の金融機関の商品で、保障の内容は商品ごとに異なる。

フラット35の新機構団信は、満15歳以上満70歳未満で生命保険会社の承諾があれば加入でき、デュエットは2人ともこの条件を満たす必要があります。新3大疾病付の機構団信ではデュエットを使えません。民間の金融機関にも、夫婦のどちらかに万一があれば全額が保障される連生型の団信を用意しているところがありますが、保障の範囲と金利の上乗せは商品ごとに違います。

ペアローンで一方が亡くなったあとに残るのは、もう一方の「自分の契約」の返済だけではありません。互いに相手の契約の連帯保証人になっている場合、亡くなった人の契約は団信で消えますが、残った人の契約はそのまま続き、世帯の収入は1人分になります。借入額を決めるときは、片方の収入だけで自分の契約を返せるかを確かめておく必要があります。

6. 持分・贈与税・諸費用の注意点

2人で借りた住宅は、出したお金の割合に合わせて持分を登記するのが原則です。国税庁は、総額3,000万円の住宅を夫2,000万円・妻1,000万円で負担したのに持分を2分の1ずつ登記すると、差額の500万円は夫から妻への贈与になると説明しています(タックスアンサー No.4411)。頭金と各自の借入額を合わせた負担割合が、そのまま持分になるように決めます。

ペアローンでは、返済の途中で一方の収入が減り、もう一方が相手の契約の返済を肩代わりした場合も、その分が贈与にあたる可能性があります。親から住宅資金の援助を受ける場合は、贈与税の非課税の特例(2026年12月31日まで)を使うと持分の整理がしやすくなります。詳しくは「親からの住宅資金は最大1,000万円が非課税」で解説しています。

契約の数で変わる費用
費用 ペアローン(2本) 収入合算(1本)
抵当権の設定登記 2本分の登録免許税と司法書士報酬 1本分
金融機関の事務手数料 2本分 1本分
契約書の印紙税 2通分 1通分
団信の保険料(金利への上乗せ) それぞれの契約で発生 1本分(デュエットは上乗せあり)

出典:住宅金融支援機構「ペアローン」(ローン契約が個別に必要となるため、それぞれに抵当権設定の登記費用や事務手数料等が必要になる旨の記載)。金額は金融機関と借入額によって異なる。

7. 返せなくなったときに起きること

2人で借りる方法に共通するのは、「相手の分も自分の責任になる」ことです。フラット35のペアローンでは、一方が返済を怠って一括返済を求められた場合、もう一方も自分の債務について一括返済を求められます。延滞が起きたことを相手に通知することに、申込時に双方が同意する仕組みです(住宅金融支援機構)。連帯債務者と連帯保証人も、本人が払えなければ全額の返済義務を負います。

返済が続けられなくなる場面は、不幸や病気だけではありません。

  • 離婚:住まなくなっても、契約上の債務者・保証人である限り返済義務は消えません。一方の契約だけを外すには、残る側がひとりで借り換えるか、金融機関の承諾を得て債務を引き受ける必要があり、収入が足りなければ認められません。
  • 産休・育休、退職、転職:世帯の収入が一時的または継続的に減ります。ペアローンでは本人の契約の返済額は変わらないため、もう一方が肩代わりすると贈与の問題も出てきます。
  • どちらかの病気:団信の支払事由(死亡、所定の障害状態など)に当たらない長期の療養では、残債は減りません。

借入額は「2人の年収で通る額」ではなく「1人の年収で持ちこたえられる額」から逆算すると安全です。たとえば年収500万円と400万円の夫婦なら、負担率35%で約6,000万円まで借りられる計算になりますが、500万円の側だけで返すなら上限は約3,371万円です。その間のどこに置くかが、借り方を決める前の判断になります。

8. どの借り方を選ぶか|5つの問い

ここまでの違いを、判断の順番に並べました。上から順に答えると、向いている借り方が絞れます。

問い 「はい」なら 「いいえ」なら
1. 2人とも、今後10年以上は所得税を納める見込みがあるか 2人で控除を使える形(ペアローンか連帯債務型)が有利 控除は本人だけでよい。連帯保証型の合算か、単独で借入額を抑える
2. 一方に万一があったとき、残債をゼロにしたいか 連帯債務型の収入合算でデュエット、または連生型の団信を扱う金融機関 ペアローンでそれぞれ加入し、残る側の返済額を確かめておく
3. 借入期間や金利タイプを2人で別々にしたいか ペアローン(契約ごとに期間を選べる) 収入合算(1本の契約で管理が簡単)
4. 諸費用を1本分に抑えたいか 収入合算 ペアローンでもよい
5. 合算する相手が配偶者ではなく親・子か フラット35の収入合算(直系親族・同居・70歳未満)か親子リレー返済 夫婦ならペアローン・収入合算のどちらも選べる

親子リレー返済は、申込者本人とその子や孫などが連帯債務者として2世代で返す方法で、借入期間は後継者の年齢を基準に計算されます。本人が60歳3か月、後継者が30歳3か月なら、通常の19年に対して最長35年の借入期間が選べます(住宅金融支援機構)。

9. まとめ

  • ペアローンは2本の契約でそれぞれが債務者、収入合算は1本の契約に家族の収入を足す借り方です。合算者が連帯債務者か連帯保証人かで、控除と団信の扱いが変わります。
  • 2025年4〜9月に家を買った人の38.7%がペアローンか収入合算を使い、20代では56.6%にのぼります。首都圏の返済中世帯のペアローン率は25.6%です。
  • 借入上限は年収に比例して増えますが、「1人の年収で持ちこたえられる額」を先に決めておくことが、借り方を選ぶ前の安全策です。
  • 住宅ローン控除は債務者だけが受けられます。2人で借りれば限度額と所得税の枠を2人分使えますが、連帯保証人は対象外です。
  • 万一のときに残債がどうなるかは、ペアローン(その人の分だけ消える)と連帯債務のデュエット(全額消える)で大きく違います。

10. ペアローン・収入合算のよくある質問

Q連帯保証人になった配偶者も、住宅ローン控除を受けられますか?

A受けられません。住宅ローン控除の要件は、控除を受ける本人が住宅の取得のための借入金を有していることです(租税特別措置法第41条)。連帯保証人は主たる債務者が返済しないときに責任を負う立場で(民法第446条)、借入金の債務者ではありません。配偶者も控除を受けたい場合は、ペアローンか連帯債務型の収入合算を選びます。

Qペアローンの一方が亡くなったら、ローンは全部なくなりますか?

Aなくなるのは亡くなった人の契約だけです。団信は契約ごとに加入するため、もう一方は自分の契約の返済を続けます(住宅金融支援機構)。夫婦のどちらに万一があっても残債を全額なくしたい場合は、連帯債務型の収入合算でフラット35のデュエットに加入するか、連生型の団信を扱う金融機関を選びます。

Q親と収入合算はできますか?

Aフラット35では、本人の親・子などの直系親族または配偶者で、申込時に満70歳未満、本人と同居し、連帯債務者になる人の収入を合算できます。合算は1人までで、申込みは連帯債務者を含めて2名までです。親の年収の50%を超えて合算すると、借入期間は親の年齢を基準に計算されるため短くなります。子や孫を後継者にして2世代で返す親子リレー返済という方法もあります。

Q持分はどう決めればよいですか?

A頭金と借入額を合わせた、それぞれの負担額の割合に合わせます。国税庁は、負担割合と登記した持分がずれると、差額が贈与になると説明しています(タックスアンサー No.4411)。夫2,000万円・妻1,000万円の負担なら、持分は夫3分の2・妻3分の1です。

Q離婚したら、ペアローンはどうなりますか?

A離婚しても契約は変わらず、住まなくなった側も自分の契約の債務者であり、相手の契約の連帯保証人のままです。一方の名義にまとめるには、残る側がひとりの収入で借り換えるか、金融機関の承諾を得て債務を引き受ける必要があります。売却して完済するには、売却額が2本の残債の合計を上回るかが問題になります。

Qフラット35でペアローンは使えますか?

A使えます。夫婦・親子・パートナーなどが同じ金融機関でそれぞれ申し込み、2本のフラット35を併せて利用します。契約ごとに借入期間を変えられ、団信もそれぞれ加入します。ペアローンを扱っていない取扱金融機関もあり、異なる金融機関で申し込んだ2本をペアローンとして扱うことはできません(住宅金融支援機構)。

借り方は、物件が決まってから考えるものではなく、物件の予算を決める前に整理しておくものです。2人の収入で通る額と、1人で持ちこたえられる額の間のどこに予算を置くかで、選べる土地や間取りが変わります。

自由住宅では、東京23区・首都圏で新築一戸建てと注文住宅を手がける立場から、住宅ローン控除や団信の違いを含めた資金計画のご相談をお受けしています。

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