建売と注文の中間の家とは、買い方や商品によっては建売住宅のように土地と建物の価格の見通しを立てやすく、注文住宅のように間取りや仕様を自分で選べる余地がある新築一戸建ての買い方のことです。法令や統計にこの名前の区分はなく、住宅会社や不動産会社が使う言い方です。
両端にあるのは、完成した(または建てる計画が決まった)家を土地ごと買う「建売住宅」と、土地を用意して建築会社に設計から頼む「注文住宅」です。その間に、次の3つの買い方があります。
| 買い方 | どこまで選べるか | よく使われる別の言い方 |
|---|---|---|
| 建築条件付き土地 | 土地を買い、決められた会社と建物の請負契約を結ぶ。間取りは設計の打ち合わせで決める | 条件付き売地、建築条件付き宅地 |
| 規格住宅 | 会社が用意したプランと仕様の組み合わせの中から選ぶ | 企画住宅、プラン住宅 |
| セミオーダー住宅 | 建売住宅を基本に、間取り・仕様・色を一部変える | セミオーダー型の分譲住宅、フリープラン分譲 |
自由住宅は、建売の価格帯の新築一戸建てで、間取り・仕様・色を所定の範囲で建築確認申請の直前まで変えられる、セミオーダー型の分譲住宅です(自由住宅「よくある質問」)。分譲予定地の区画の分け方を見直せる場合もあります。セミオーダー住宅の考え方は「建売なのに、自分好みに変えられる」、会社の比べ方は「セミオーダー住宅の会社の選び方」で扱いました。
不動産の表示に関する公正競争規約とは、不動産会社が広告で使う言葉や表示の決まりを定めた業界の自主ルールで、景品表示法にもとづいて公正取引委員会と消費者庁長官の認定を受けたものです。広告に出てくる用語の意味は、まずこの規約と施行規則で確かめられます。
規約と施行規則を確かめると、定義があるのは次の用語です(不動産公正取引協議会連合会「不動産の表示に関する公正競争規約・同施行規則」規約集 2025年8月26日版)。
| 用語 | 定義の有無 | 定義の場所と中身 |
|---|---|---|
| 建築条件付土地 | あり | 表示規約 第4条第6項第1号。土地の売主(または売主の指定する建設業者)と、一定期間内に建物の請負契約が成立することを条件として取引される土地 |
| 新築分譲住宅 | あり | 施行規則 第3条第5号。一団の土地を複数の区画に分け、区画ごとに建てて売買する新築の住宅 |
| 新築住宅 | あり | 施行規則 第3条第6号。「建物の構造及び設備ともに独立した新築の一棟の住宅」。「新築」は規約第18条第1項第1号で「建築工事完了後1年未満であって、居住の用に供されたことがないもの」 |
| 売地 | あり | 施行規則 第3条第3号。区分けしないで売買される住宅用地等 |
| 自由設計型マンション企画 | あり(マンションだけ) | 表示規約 第4条第6項第2号。一戸建ての「自由設計」には定義がない |
| 建売住宅・注文住宅 | なし | 規約に定義がない。統計では「分譲住宅」「持家」の区分が使われる |
| 規格住宅・セミオーダー住宅 | なし | 規約・宅地建物取引業法・建築基準法のいずれにも定義がない(2026年10月26日確認) |
定義がない言葉は、会社ごとに意味が違います。同じ「自由設計」でも、間取りを一から描く会社もあれば、決められた範囲で壁の位置を動かすだけの会社もあります。言葉が同じでも中身が同じとは限らないため、次の章の契約の型と、第5章の変更の期限で確かめます。
建築条件付き土地の広告で設計プランを表示する場合の4つの表示事項
建築条件付き土地の広告で建物の設計プランを表示する場合は、建築条件付き土地であること、請負契約を結ぶ期限、条件が成就しないときは土地の売買契約が解除されて受け取ったお金が全て返されること、プランは参考の一例で採用は自由であることとその建築代金などを見やすく表示し、土地の必要な表示事項も満たすことが要件です(表示規約 第6条)。これは広告の表示要件で、解除や返還の具体的な条件は個別の契約書で確かめてください。詳しくは「「建築条件付き売地」って損するの?」で扱いました。
売買契約とは、売主が財産を移し、買主が代金を払うことを約束する契約で(民法第555条)、請負契約とは、請け負う側が仕事を完成させ、頼んだ側がその結果に報酬を払うことを約束する契約です(民法第632条)。建物の契約の形は取引によって異なり、売買、請負、その組み合わせなどがあります。家の買い方の名前より、どの形の契約かを確かめることが大切です。
| 買い方 | 土地の契約 | 建物の契約 | 間取りが決まるのは |
|---|---|---|---|
| 建売住宅 | 売買 | 売買(土地と一緒) | 契約の前(売主が決めている) |
| セミオーダー住宅 | 売買 | 売買(土地と一緒) | 契約の後、会社が決めた期限まで |
| 規格住宅 | 売買(土地がある場合) | 請負が多い | 請負契約の前後にプランを選ぶ |
| 建築条件付き土地 | 売買 | 請負(売主側が指定する会社) | 土地の契約の後、請負契約の期限まで |
| 注文住宅(土地から) | 売買 | 請負(自分で選んだ会社) | 請負契約の前に設計で決める |
表は典型的な例で、同じ呼び名でも契約の形が違うことがあります。実際の形は、個別の契約書で確かめてください。売買か請負かで、支払いの流れも変わります。土地と建物をまとめて買う売買では、手付金と引渡し時の残代金が中心です。土地を先に買って建物を請け負わせる形では、土地代、着工時金、中間金と支払いが分かれることがあり、建物が完成する前に払うお金の手当てが要ります。資金の流れは「土地から買う注文住宅の資金の流れ」で整理しました。
宅建業者が扱う未完成の建売は、建築確認の後でなければ広告も契約もできません
宅地建物取引業者は、建物の建築工事の完了前は、建築確認などの処分があった後でなければ、その建物の売買などの広告をしてはならず(宅地建物取引業法第33条)、自ら当事者や代理人として売買契約を結ぶことや、売買の媒介もできません(同法第36条)。未完成の建売やセミオーダー住宅の広告では、建築確認の番号が書かれているかを見て、気になる点は販売会社に確認済証などで確かめると安心です。
フラット35利用者調査とは、住宅金融支援機構が、フラット35の融資を承認した人の購入価格・面積・年収などを毎年集計している調査です。2025年度(2025年4月〜2026年3月)は、借換えを除く35,553件が集計されています(2026年7月24日公表)。
この調査は、フラット35を利用した人について、住宅を「建売住宅」「注文住宅」「土地付注文住宅」「中古戸建」などに分けて集計しています。首都圏の値を並べると、次のとおりです。
出典:住宅金融支援機構「2025年度フラット35利用者調査」
土地付注文住宅は、建設費3,814.3万円と土地取得費2,590.0万円を合わせて6,404.3万円です。建売住宅との差は1,568.9万円で、建売住宅の価格の約32%にあたります(編集部計算)。
出典:住宅金融支援機構「2025年度フラット35利用者調査」
| 項目 | 建売住宅 | 土地付注文住宅 |
|---|---|---|
| 購入にかかったお金 | 4,835.4万円 | 6,404.3万円 |
| 住宅面積 | 97.4㎡ | 109.4㎡ |
| 敷地面積(中央値) | 115.1㎡ | 152.6㎡ |
| 世帯年収 | 734.9万円 | 822.6万円 |
| 年収倍率 | 7.3倍 | 8.6倍 |
出典:住宅金融支援機構「2025年度フラット35利用者調査」。フラット35を使った人の集計で、すべての購入者の平均ではない。
中間の家の価格は、商品や変更の内容によって異なり、この2つの間に入るとは限りません。たとえば、セミオーダー住宅は建売住宅の価格に変更の費用を足す形、建築条件付き土地は土地の価格に請負の建築費を足す形が一例ですが、価格の決まり方は商品や契約によって異なります。総額の内訳は「建売と注文の中間の家の総額はどう決まる?」で計算しました。
選ぶ理由にも違いがあります。国土交通省「令和7年度住宅市場動向調査」では、分譲戸建を選んだ理由の最多が「新築住宅だから」57.7%、注文住宅を選んだ理由の最多が「信頼できる住宅メーカー/不動産業者だったから」53.1%で、「デザイン・広さ・設備等が良いから」も43.8%でした(複数回答)。注文住宅を建てた世帯が「建築した住宅で満足していないもの」では、「価格(予定より高くなった)」が最多の63.8%でした。
建築確認とは、建物を建てる前に、その計画が建築基準法などに合っているかを、建築主事や指定確認検査機関が審査する手続きです(建築基準法第6条)。建築主事等の審査期間は建物の区分によって異なり、2階建て以上または延べ面積200㎡超の建物(同条第1項第2号。一般的な木造2階建て住宅を含む)などは申請の受理から35日以内、都市計画区域内などに建てる平屋で延べ面積200㎡以下の建物(同項第3号)は7日以内です(同条第4項)。これは建築主事等が審査する場合の法定の日数で、間取りを変えられる期限とは別のものです。個別の建物がどの区分にあたるかや実際の審査日程は、設計者や確認検査機関などに確かめてください。
確認を受けた(確認済証の交付を受けた)計画を変更するときは、国土交通省令で定める軽微な変更を除き、改めて確認(計画変更の確認)を受けなければなりません(建築基準法第6条第1項)。このため、建築確認の申請を、間取りを変えられる期限の区切りにしている会社があります。この期限は法律で決まったものではなく、会社の商品や工程の決まりです。
| 買い方 | 変えられる期限 | 期限を決めるもの |
|---|---|---|
| 建売住宅(完成済み) | 変えられない | 建物が完成している |
| 建売住宅(未完成) | 変更できるかは売主の対応と計画変更の要否などによる | 建築確認を受けた計画をもとに販売している |
| セミオーダー住宅 | 会社が決めた期限まで(建築確認の申請の前が多い) | 売買契約の特約・会社の決まり |
| 規格住宅 | プランの選択と、決められた範囲の変更 | 請負契約とプランの決まり |
| 建築条件付き土地 | 請負契約の期限と、その後の設計の締め切り | 土地の売買契約の条件・請負契約 |
| 注文住宅 | 設計の打ち合わせの締め切り(建築確認の申請の前) | 請負契約・設計の工程 |
自由住宅の分譲住宅では、間取り・仕様・色を所定の範囲で建築確認申請の直前まで変更できます。変えられる範囲と費用は変更の内容によって異なり、工事が進むほど変えられる範囲は狭くなり、費用がかかる場合もあります(自由住宅「よくある質問」)。間取りの決め方は「注文住宅の理想の間取りはなぜ難しいのか」も参考になります。
買い方の比較とは、土地の決まり方、建てる会社、間取りの自由さ、価格の見通し、入居までの期間を、同じ物差しで並べて見ることです。一都三県で新築一戸建てを探す場合の一般的な傾向を並べると、次のようになります。
| 比べる点 | 建売住宅 | セミオーダー住宅(自由住宅型) | 規格住宅 | 建築条件付き土地 | 注文住宅 |
|---|---|---|---|---|---|
| 土地 | 建物と一緒に決まっている | 建物と一緒(区画を選べる場合あり) | 自分で用意するか、会社の土地 | 売主の土地 | 自分で探す |
| 建てる会社 | 売主 | 売主 | 規格住宅の会社 | 売主か売主の指定する会社 | 自分で選ぶ |
| 間取りの自由さ | 選べない | 建売の間取りを基本に変更できる | 決められたプランから選ぶ | 設計の打ち合わせで決める | 一から決める |
| 価格の見通し | 契約時に土地と建物の価格が分かる(諸費用などは別途確認) | 建売の価格+変更の費用 | プランごとの価格が示されることが多い(変更・別途費用は要確認) | 土地の価格+建築費(打ち合わせで変わる) | 設計が固まるまで決まらない |
| 入居までの期間 | 短い | 中くらい(変更の量による) | 中くらい | 長め | 長い |
| 公正競争規約での定義 | なし(規約では新築分譲住宅) | なし | なし | あり(表示規約) | なし |
建てられる数で見ると、2025年の新設住宅着工は、自分で建てる「持家」が201,285戸、分譲住宅のうち一戸建てが115,935戸でした(国土交通省「建築着工統計調査報告(令和7年計)」)。統計の区分は「持家」と「分譲」で、その間の買い方は、建て方によってどちらかに数えられます。
契約前の確認とは、言葉の印象ではなく、契約書や重要事項説明書などの書面に書かれる中身で、選べる範囲と費用を確かめることです。中間の家は呼び名が会社ごとに違うため、次の5項目を同じ形で聞くと比べやすくなります。書面の名前や記載される場所は会社や契約によって異なるため、表の書面は一例です。
| 確かめること | 聞き方の例 | 書面の例 |
|---|---|---|
| 契約の型 | 建物は売買ですか、請負ですか | 売買契約書・工事請負契約書など |
| 変えられる範囲 | 壁の位置・窓・水回りの位置・外壁の色は変えられますか | 仕様書・変更の特約など |
| 変えられる期限 | 何月何日まで、または建築確認の申請の前までですか | 契約の特約・工程表など |
| 変更の費用の決め方 | 変更ごとに見積もりが出ますか、減額もありますか | 変更の合意書・見積書など |
| 建築確認と保険 | 建築確認の番号と、瑕疵の保険(または供託)はどうなりますか | 重要事項説明書・広告など |
区画が決まる前なら、土地の広さも相談できる場合があります
分譲予定地の段階で相談すると、間取りに合わせて区画の分け方を見直せる場合があります。区画の決まり方は「分譲地の区画はどう決まる?」で整理しました。
Q建売と注文の中間みたいな家の買い方はありますか?
Aあります。土地を買って決められた会社で建てる建築条件付き土地、用意されたプランから選ぶ規格住宅、建売住宅を基本に間取りや仕様を一部変えられるセミオーダー住宅が代表的です。一都三県では、自由住宅のように、分譲住宅の間取り・仕様・色を所定の範囲で建築確認申請の直前まで変えられる会社もあります。
Qセミオーダー住宅と規格住宅の違いは何ですか?
Aどちらも法令や公正競争規約に定義はなく、会社ごとに意味が違います。一般には、規格住宅は会社が用意したプランの中から選ぶ形、セミオーダー住宅は建売の間取りを基本に変更を加える形を指します。言葉ではなく、変えられる範囲・期限・費用の決め方を書面で確かめてください。
Q建築条件付き土地と注文住宅の違いは何ですか?
A土地から買う場合は、どちらも土地の売買と建物の請負を組み合わせることが多いですが、建築条件付き土地は建てる会社が売主か売主の指定する会社に決まっていて、一定期間内に請負契約を結ぶことが条件です(公正競争規約 第4条)。建築条件付き土地の広告で設計プランを表示する場合は、条件が成就しないときは土地の売買契約が解除され、受け取ったお金は全て返されることを表示する要件があります(表示規約第6条)。解除と返還の条件は、個別の契約書でも確かめてください。
Q建売と注文住宅の価格はどれくらい違いますか?
Aフラット35を利用した人を集計した2025年度のフラット35利用者調査では、首都圏の建売住宅が4,835.4万円、土地付注文住宅が建設費と土地取得費を合わせて6,404.3万円で、差は1,568.9万円でした。住宅面積は建売97.4㎡、土地付注文109.4㎡です。すべての購入者の平均ではありません。
Q建売住宅でも間取りを変えられますか?
A完成済みの建売住宅は、通常、間取りを変えることはできません。未完成の建売住宅は、建築確認を受けた計画をもとに販売されるため、変更できるかは売主の対応と計画変更の要否などによります。建築確認の申請の前に契約できるセミオーダー型の分譲住宅であれば、会社が決めた期限まで、決められた範囲で変更できる場合があります。
建売か注文かで迷うときは、呼び名ではなく「何を、いつまで、いくらで変えられるか」で比べると、選べる家が見えてきます。
自由住宅では、一都三県の分譲住宅で、間取り・仕様・色を所定の範囲で建築確認申請の直前まで変更できます(変えられる範囲と費用は、変更の内容によって異なります)。検討中の物件の図面からの相談も無料です。
間取りの変更と買い方のご相談はこちらこの記事の写真はイメージ(AI生成)で、実在の住宅ではありません。