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建売と注文住宅、どちらの着工が増えている?|2026年9月の住宅着工統計と1戸あたりの工事費予定額

作成者: Admin|11/3/26, 12:47 AM
2026年11月3日公開
この記事でわかること
  • 2026年9月の新設住宅着工戸数は61,826戸で、前年同月比2.7%減、6か月ぶりの減少でした。季節調整済年率換算値は71.4万戸で、前月比5.2%減、3か月連続の減少です(国土交通省「建築着工統計調査報告(令和8年9月分)」2026年10月30日公表)。
  • 建売にあたる分譲一戸建は10,687戸(前年同月比6.1%増)で、6か月連続の増加でした。注文住宅を含む持家は17,648戸(同3.4%減)、分譲マンションは4,825戸(同21.2%減)です(同)。
  • 2年前の2024年4〜9月と比べると、分譲一戸建は103.2%、持家は91.6%です。2026年4〜9月の合計は分譲一戸建62,288戸(2024年同期60,356戸)、持家103,648戸(同113,117戸)でした(国土交通省の公表値から編集部計算)。
  • 2026年9月の1戸あたりの工事費予定額は、持家が3,227万円、分譲一戸建が1,821万円でした。土地代を含まない、建物の工事の予定額です。持家は2021年度の2,348万円から2025年度は3,101万円に上がっています(国土交通省「(参考)新築に関する住宅投資予定額の推計について」)。
  • 首都圏の9月の着工は22,945戸で、前年同月比0.3%減でした。持家は3,956戸(同1.3%減)、分譲住宅は7,409戸(同3.4%増)で、分譲住宅のうち一戸建は7.3%増です(国土交通省、2026年10月30日公表)。

1. 住宅着工統計とは?

住宅着工統計とは、国土交通省が建築工事届などをもとに、新しく建て始めた住宅の戸数・床面積・工事費予定額を毎月まとめた統計です。翌月の末日ごろに公表され、2026年9月分は2026年10月30日に公表されました。10月分は2026年11月30日に公表される予定です。

住宅は、誰が何のために建てるか(利用関係)で分けて数えます。家を買う人に関係が深いのは「持家」と「分譲住宅」です。

用語 統計上の定義 身近な言い方
持家 建築主(個人)が自分で居住する目的で建築するもの 注文住宅・建て替え
分譲住宅 建て売り又は分譲の目的で建築するもの 建売住宅(分譲一戸建)・分譲マンション
分譲一戸建 分譲住宅のうち、建て方が一戸建のもの 建売住宅
工事費予定額 建築工事に要する予定額で、主体工事費と建築設備の工事費を合算したもの 建物の工事費の見込み(土地代は含まない)

※定義は国土交通省「建築動態統計調査【建築着工統計調査】用語の定義」による。「身近な言い方」は編集部の補足です。

月ごとの数は季節で動くため、ふつうは前年同月と比べて増減を見ます。ただし前年の数が特に少なかったり多かったりすると、前年同月比は大きく振れます。この記事では、2年前の同じ時期とも比べます。

2. 2026年9月の新設住宅着工は何戸だった?

新設住宅着工戸数とは、その月に工事を始めた新築住宅の戸数のことです。2026年9月は61,826戸で、持家・貸家・分譲住宅のいずれも前年同月より減り、全体で6か月ぶりの減少になりました。分譲住宅の中では、一戸建だけが増えています。

区分 2025年9月 2026年9月 前年同月比 連続
総数 63,570戸 61,826戸 2.7%減 6か月ぶりの減少
持家 18,273戸 17,648戸 3.4%減 6か月ぶりの減少
貸家 28,494戸 28,046戸 1.6%減 6か月ぶりの減少
分譲住宅 16,428戸 15,688戸 4.5%減 6か月ぶりの減少
うち分譲一戸建 10,070戸 10,687戸 6.1%増 6か月連続の増加
うち分譲マンション 6,121戸 4,825戸 21.2%減 5か月ぶりの減少

※出典:国土交通省「建築着工統計調査報告(令和8年9月分)」資料1と「(参考)新築に関する住宅投資予定額の推計について」(2026年10月30日公表)。給与住宅(2026年9月は444戸)は表から省いています。

季節による動きをならした季節調整済年率換算値は71.4万戸で、前月より5.2%減り、3か月続けて減りました。前年同月比でも、直近の勢いを示す季節調整値でも、9月は減少でした。

3. 建売と注文住宅、どちらの着工が増えている?

2年前比とは、2025年4月の制度改正の前後の影響を受けていない2024年の同じ時期と比べる見方です。2025年4月1日から、原則すべての新築住宅に省エネ基準への適合が義務付けられ、建築基準法にもとづく確認の対象も見直されました(国土交通省「令和4年改正 建築物省エネ法・建築基準法」)。着工は2025年3月に増え、4月以降に減りました(着工統計そのものは増減の理由を示していません)。そこで、毎年4〜9月の6か月の合計で比べます。

図1:分譲一戸建(建売)の着工戸数(全国・各年4〜9月の合計)
単位:戸。棒の高さは2026年の62,288戸を100%とした相対値
60,356
 
53,428
 
62,288
 
2024年
2025年
2026年

出典:国土交通省「建築着工統計調査報告」(令和7年9月分=2025年10月31日公表、令和8年9月分=2026年10月30日公表)

図2:持家(注文住宅など)の着工戸数(全国・各年4〜9月の合計)
単位:戸。棒の高さは2024年の113,117戸を100%とした相対値
113,117
 
95,055
 
103,648
 
2024年
2025年
2026年

出典:国土交通省「建築着工統計調査報告」(令和7年9月分=2025年10月31日公表、令和8年9月分=2026年10月30日公表)

分譲一戸建は、2026年4〜9月が62,288戸で、2024年の同じ時期(60,356戸)を上回りました。持家は103,648戸で、2024年(113,117戸)より9,469戸少ないままです。1〜9月の合計で見ても、分譲一戸建は92,469戸で2024年(90,049戸)の102.7%、持家は150,226戸で2024年(160,877戸)の93.4%でした。

区分 2024年4〜9月 2025年4〜9月 2026年4〜9月 2026年÷2024年
総数 412,190戸 340,635戸 379,029戸 92.0%
持家 113,117戸 95,055戸 103,648戸 91.6%
分譲一戸建 60,356戸 53,428戸 62,288戸 103.2%
分譲マンション 52,665戸 36,672戸 37,664戸 71.5%

※出典:国土交通省「建築着工統計調査報告」令和7年9月分(2025年10月31日公表)・令和8年9月分(2026年10月30日公表)の累計値。「2026年÷2024年」は編集部計算です。

建売(分譲一戸建)は2年前の水準を超え、注文住宅を含む持家は2年前の9割ほどにとどまっています。前回の8月分までの4〜8月の合計でも、分譲一戸建は102.7%、持家は91.7%でした(住宅着工統計2026年8月分)。9月分を加えても、この差は変わっていません。

4. 分譲マンションの着工はどうなった?

分譲マンションとは、この統計では、分譲住宅のうち、建て方が共同住宅で、構造が鉄骨鉄筋コンクリート造・鉄筋コンクリート造・鉄骨造のものです(国土交通省「建築動態統計調査【建築着工統計調査】用語の定義」)。2026年9月は4,825戸で、前年同月比21.2%減、5か月ぶりの減少でした。分譲住宅に占めるマンションの割合は30.8%で、分譲一戸建(10,687戸)の半分以下です。

4〜9月の合計では、分譲マンションは37,664戸で、2024年の同じ時期(52,665戸)の71.5%です。持家・分譲一戸建と比べて、2年前の水準からの開きが最も大きい区分です。マンションは1棟で数十戸以上をまとめて着工するため、月ごとの数が大きく振れやすい点にも注意が必要です。

5. 1戸あたりの工事費予定額はいくら?

1戸あたりの工事費予定額とは、建築工事の届出に書かれた工事費の予定額を、1戸あたりにならした金額です。主体工事費と建築設備の工事費を合わせたもので、土地代は含みません。国土交通省は住宅着工統計にあわせて、この金額と着工戸数をかけた「住宅投資予定額」を推計しています。

区分 2025年9月 2026年9月 前年同月比
持家 3,061万円 3,227万円 5.4%増
分譲一戸建 1,743万円 1,821万円 4.5%増
分譲マンション 2,421万円 2,774万円 14.6%増

※出典:国土交通省「(参考)新築に関する住宅投資予定額の推計について」(2026年10月30日公表)の1戸当たりの工事費予定額。前年同月比は編集部計算です。新築の居住専用住宅で利用関係が単一のもの(着工戸数の約9割)を集計した値です。

図3:持家の1戸あたりの工事費予定額の推移(全国・年度)
単位:万円。棒の高さは2025年度の3,101万円を100%とした相対値
2,348
 
2,404
 
2,834
 
2,956
 
3,101
 
2021年度
2022年度
2023年度
2024年度
2025年度

出典:国土交通省「(参考)新築に関する住宅投資予定額の推計について」(2026年10月30日公表)

持家の1戸あたりの工事費予定額は、2021年度の2,348万円から2025年度は3,101万円になり、4年で約1.32倍です。分譲一戸建は同じ期間に1,573万円から1,773万円(約1.13倍)でした。

年度 持家 分譲一戸建
2021年度 2,348万円 1,573万円
2022年度 2,404万円 1,621万円
2023年度 2,834万円 1,706万円
2024年度 2,956万円 1,742万円
2025年度 3,101万円 1,773万円

※出典:国土交通省「(参考)新築に関する住宅投資予定額の推計について」(2026年10月30日公表)の年度の1戸当たりの工事費予定額。

この金額は、家を買う人が払う価格ではありません。持家の工事費予定額は建築主が届け出た建物の工事費の見込みで、分譲一戸建の工事費予定額は分譲会社が建てるときの工事費の見込みです。どちらも土地代を含まず、分譲一戸建の販売価格とも別の金額です。また、1戸あたりの床面積の違いも金額の差に含まれます。工事費予定額は届出の時点の予定額で、完成時の工事額とは異なることが多いと、国土交通省の用語の説明にも書かれています。

家を買うときの総額は、建物の工事費に、土地代と、登記・ローン・保険などの諸費用が加わります。総額の内訳は「建売と注文の中間の家の総額」で解説しています。

6. 首都圏の住宅着工はどうなっている?

首都圏とは、この統計では埼玉県・千葉県・東京都・神奈川県の1都3県のことです。2026年9月の首都圏の着工は22,945戸で、前年同月比0.3%減でした。

区分 2024年9月 2025年9月 2026年9月 前年同月比
総数 25,047戸 23,009戸 22,945戸 0.3%減
持家 4,045戸 4,008戸 3,956戸 1.3%減
貸家 12,800戸 11,764戸 11,454戸 2.6%減
分譲住宅 8,136戸 7,164戸 7,409戸 3.4%増

※出典:国土交通省「建築着工統計調査報告」令和7年9月分(2025年10月31日公表)・令和8年9月分(2026年10月30日公表)資料4(三大都市圏別,利用関係別)。首都圏の分譲住宅のうち、一戸建は前年同月比7.3%増、マンションは1.8%減でした(戸数は資料1の概要に掲載がありません)。

9月の前年同月比では、首都圏は全国(2.7%減)より減り方が小さく、分譲住宅は増えました。ただし2024年9月と比べると、総数は91.6%、持家は97.8%、分譲住宅は91.1%で、2年前の水準にはまだ届いていません。1か月だけの数字は振れが大きいため、毎月の公表を続けて見ていく必要があります。

7. これから家を買う人は、着工統計から何を読み取ればよい?

着工統計の読み取り方とは、全体の増減だけでなく、建売(分譲一戸建)と注文住宅(持家)を分けて、何と比べた数字かを確かめることです。2026年9月分までの数字からは、次の4点が分かります。

読み取れること 根拠となる数字 家を探す人への意味
建売の着工は2年前の水準を超えた 分譲一戸建 2026年4〜9月 62,288戸(2024年同期の103.2%)、6か月連続の増加 建売は2025年の同じ時期より多く着工されている。完成・販売の時期は物件ごとに違うため、販売中の物件は個別に確かめる
注文住宅の着工は2年前の9割ほど 持家 2026年4〜9月 103,648戸(2024年同期の91.6%)、9月は3.4%減 注文住宅は、設計や確認の手続きの期間を見込んで早めに動く
建物の工事費の見込みは上がっている 持家の1戸あたり工事費予定額 2021年度2,348万円→2025年度3,101万円、2026年9月3,227万円 注文住宅の予算は、土地代と分けて建物の工事費を見積もる
直近の勢いは鈍い 季節調整済年率71.4万戸(前月比5.2%減、3か月連続の減少) 前年同月比の増減だけで判断しない

自由住宅は、建売の価格帯の新築一戸建てで、間取り・仕様・色を所定の範囲で建築確認申請の直前まで変えられる、セミオーダー型の分譲住宅です(自由住宅「よくある質問」)。統計の区分では分譲住宅にあたり、土地と建物をまとめて購入する形になります。建売・注文住宅・セミオーダーなどの用語の違いは「建売と注文の中間の家とは」にまとめました。

2025年4月1日以降に工事に着手する新築住宅は、原則として省エネ基準への適合が義務付けられています(適用除外となる建築物もあります)。建売・注文のどちらでも、省エネ性能を示す書類の有無を確かめておきましょう。住宅ローンの金利は「フラット35の金利(2026年10月)」、相談を始める時期は「家を買う相談はいつ始める?」で解説しています。

8. まとめ

2026年9月の新設住宅着工は61,826戸で、前年同月比2.7%減、6か月ぶりの減少でした。その中で分譲一戸建(建売)は10,687戸と6か月連続で増え、4〜9月の合計では2024年の同じ時期の103.2%になりました。一方、注文住宅を含む持家は9月に3.4%減り、4〜9月の合計は2024年の91.6%にとどまります。

1戸あたりの工事費予定額は、2026年9月に持家が3,227万円、分譲一戸建が1,821万円でした。どちらも土地代を含まない建物の工事費の見込みで、販売価格とは別の金額です。「着工が増えた・減った」というニュースは、どの区分の、何と比べた数字なのかを確かめて読むことが大切です。2026年10月分は、2026年11月30日に公表される予定です。

9. 住宅着工統計のよくある質問

Q2026年9月の住宅着工戸数は何戸ですか?

A61,826戸です。前年同月比2.7%減で、6か月ぶりの減少でした。季節調整済年率換算値は71.4万戸で、前月比5.2%減、3か月連続の減少です(国土交通省、2026年10月30日公表)。

Q建売住宅と注文住宅では、どちらの着工が増えていますか?

A建売にあたる分譲一戸建です。2026年9月は10,687戸(前年同月比6.1%増)で6か月連続の増加、4〜9月の合計は2024年の同じ時期の103.2%でした。注文住宅を含む持家は9月が17,648戸(同3.4%減)で、4〜9月の合計は2024年の91.6%です。

Q注文住宅の建物の工事費は、1戸あたりいくらですか?

A住宅着工統計の持家の1戸あたりの工事費予定額は、2026年9月が3,227万円、2025年度が3,101万円でした。土地代を含まない、建物の工事費の届出時点の見込みです。持家には建て替えも含まれます(国土交通省「(参考)新築に関する住宅投資予定額の推計について」)。

Q首都圏の住宅着工は増えていますか?

A2026年9月の首都圏は22,945戸で、前年同月比0.3%減でした。持家は1.3%減、分譲住宅は3.4%増で、分譲住宅のうち一戸建は7.3%増です。2024年9月と比べると、総数は91.6%の水準です。

Q住宅着工統計の次の公表はいつですか?

A2026年10月分は、2026年11月30日(月)に国土交通省から公表される予定です。毎月、翌月の末日ごろに国土交通省のサイトと政府統計の総合窓口(e-Stat)で公表されます。

建売か注文か、予算をどう組むか。

自由住宅では、一都三県の分譲住宅で、間取り・仕様・色を所定の範囲で建築確認申請の直前まで変更できます。土地と建物を合わせた総額で、建売・注文住宅と比べながらご相談いただけます。

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この記事は、国土交通省の公表資料をもとに住宅着工の動きを整理したものです。個別の物件の価格や工事費は、各社の見積書や重要事項説明書でご確認ください。この記事の写真はイメージ(AI生成)で、実在の住宅ではありません。

出典一覧

出典・参考資料

※持家には注文住宅のほか、建て替えなど、建築主(個人)が自分で居住する目的で建築する住宅が含まれます。分譲一戸建は、分譲住宅のうち建て方が一戸建のものです。